- Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102100042
感想・レビュー・書評
-
実家に帰り、何か面白い本は無いか実家の本棚を探してみると、本書が2冊あった。これは弟が置いていったやつだな、2冊も買うとはそんなに面白いのか?と1冊持ち帰って読んで見る。
読んだこと無かったが、まあ想像の通りの話。老人と海の話、引退時期を遠に越している老人が海に出て魚と格闘したり、鮫と戦ったりする話。
昔は名作と呼ばれても、それを元に次々とさらに楽しい物語が生まれるから、新しい物語を読んでいる我々には面白みがないのかなとやや退屈気味に頁をめくる。
あれ、これで終わり?というような短さだが、不思議な読書後感。この短さの中に
老い、過去の栄光、諦め、無情、新たなる希望
が込められていて読む人の中で何かを動かされる感。
今まで名作と呼ばれていても読む気無かったが、まあ読んで良かったなとは思えるくらいに良い。私が成長したかな?再読読んだけど面白さがわからなかった古典、名作を読んでみても良いかも。
ヨーロッパではなくアメリカ文学の本なのか。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サンチャゴの強さがひしひしと伝わってくる作品だった。
勇気が貰える作品だと思う。
-
ストーリー自体が面白いのではなく、読み終わった後に各自がどう噛み砕くかという選択肢が多いという点で面白い作品。テーマは人生は失うことと得ることの繰り返し、ということ?というか結局夢オチとも取れる?少年マノーリンは何かの隠喩的存在?…先行研究を読みたくなった。
-
淡々としている。
ものすごく淡々としている小説だ。
ただ老人が船を出し、漁に奮闘する様を描いているだけなのだ。
今の私にはこの小説の良さは分からない。
この小説がヘミングウェイのノーベル賞受賞を大きく後押ししたらしいが、なぜそうなったのかさっぱり分からない。
「世間の評判と違わず、実に名作である」だなんてとても言えない。
それでも、繰り返し読んでいけば何か分かるのかもしれない。
可能であれば、老人の夢の中に出てくるライオンが一体何を象徴するものなのか、自分なりに根拠を持った結論が出せるまで繰り返し読んでみたい。
ひょっとすると、ヘミングウェイはライオンになんの意味も持たせていなかったという可能性もある。
もし本当にそうなら、そちらの方が私にとって面白い。
その場合、「老人と海」は私にとっての快作となるのであろう。 -
明日は朝から出かけよう。
眠いからやっぱ昼からでいいや。
15:00から準備する。
もう夕方だし今日は家でゆっくりしよ。
って感覚に近い。 -
2018/1/3 一気読み
老人の内面と、事細かな描写が表現されている。最近、船釣りを楽しんでいることもあり、船や鱰(シイラ)の描写がイメージしやすく、いかにカジキマグロとの死闘が厳しいことか(それも素手)、それなりの実感を持ちながら読む。
少しだけ漁師さんの気持ちが分かったような気もする。
解説の中にある「アメリカ文明論」の説明で、「アメリカはヨーロッパと違い、空間が時間の代わりをし、未来が過去の代わりをした。」とある。
なるほど〜!と思った。もう少し読解力がついたら再度本編と解説を読み直したい。
中学生の時に1ヶ月以上かけて読んだものを、1日で読めたのは、少しは読書に対する集中力が増えたからか。読了時間は約3.5時間。まだまだ遅い…。時間がもったいない。 -
あらすじにも出ているのですが、不漁だった老人が、大きな魚を数日かけて釣り上げます。
こんなのが釣れた日には大金持ちになるとか、色々な夢がわきあがるのですが、釣った魚をどんどんサメが食べてしまうという話です。
薄い本なのですが、描写が細かいです。
-
何よりも福田恆存の著作あとがきが死ぬほど面白かった。本当に本編よりもこっちを楽しんでしまったことに罪悪感を覚えるけどとにかく面白かった。
-
アーネスト・ヘミングウェイ。
1954年、ノーベル文学賞。
1961年、ショットガンで自殺。
サンチャゴ=キリストという解釈も。
人間は殺されるかもしれないが、負けるように造られてはいない。
サンチャゴはこの漁もそう。
カジキを失っても得たものも多い。
老人ってのがまた若者に勇気を与えてくれる。
カジキを食う価値のある人間なんているものか。
いないからこそ、食うことの意味を考えることが大切。
じっくり読めばもっと面白いかも。 -
内容自体は本当に3文で説明できてしまうほど簡潔で、そんな内容を老人の心境や状況の表現のために文字を費やして本になっているという感じである。
正直段々戦況が変わらないことに退屈さえ覚えてくるし、漠然とした諦めなどすら感じるのだが、ふと、この読んでいる時に感じることや心境が、まさに老人が舟の上で感じるものと一致しているのではないかと思った。つまり追認しているような感覚なのだ。そういう意味でこの文学は凄いのだろう。
ただ常に一致するわけでもなく、老人に引っ張られていく面もある。老人が考えることに考えが追従していって、自分がいつの間にか老人の人生を、知らないはずの人生を追って教訓を見出し、考えている。すごく不思議な感覚だ。等身大の人間がここにはあって、その人間に自分がなってしまう…
文学としての面白さはここにあるけれど、本の内容として興奮したり、わくわくしたり、というものはここにはない。中々ない体験をさせて貰った本だった。