八月の光 (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102102015

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えてからこれほどさみしくなったことはなかった。

    それは、長きにわたる旅路の終焉への別れからきたのだともいえるし、

    此の作品に同じかそれ以上に自分の気に入る読書体験が

    果たして今後もする機会があるかという不安から来たものであるともいえる。

    なんにせよ、いまだにこの作品について考えることは尽きない。

    フォークナー万歳!

  • 壮大な作品。描写がすごい。

  • ノルウェイの森 下

  • 一度借りたが挫折したので再読。

  • 紛うことなき傑作。いくつかの人間の物語が重奏のように重なり合って、うまい響きを奏でている。ミルフィーユみたいなまとまりのある旨さ。
    現在というものが、幾多の過去の大きな積み重なりでできた塊で、同時にそのもまた未来に向けて重なるものとしての一つでしかない、そんな感覚をもたらしてくれる。

  • アメリカ南部についての本やら記事やらを読んでいると、必ずフォークナーの名前が出てくる。読んでないと、その場で言われていることが完全に理解できないので、めんどくさいけど1、2冊は読んでおかないとなぁ、という、教養主義的な、「わりと不純な動機」で読みました。(私にとっては、「読書」は完全なる娯楽なので、「読まないと」と思う時点でなんだかテンション下がります)

    映画のようでした。
    人間の得体の知れなさがとてもリアルに描かれていて、相当クドい文章なのに、ぐいぐい読まされてしまった。それほど映像的な書き方をしているとは思わないのだけど、なぜか頭の中にかなり詳細な映像が浮かんでくる。(ドラマ「トゥルー・ディテクティブ」みたいな雰囲気の、寒々しい表情をした人たちの群像が見える)

    クリスマス、リーナ、ハイタワーの3人をめぐる3つの物語が中心だけど、それ以外の人物についても、作者は詳しく書かずにはいられないのか、話がとにかく脱線しがち。でも、ワキの人たちの人生もそれなりにおもしろくて、「ちょっと、ちょっと! いろいろ長すぎなんですけどー!」と作者に心の中で文句を言いながらもどんどん読んだ。

    クリスマス、という人物造形がすごすぎる。
    この名前。生い立ち。人生への立ち向かい方。同じところをぐるぐると回る道。
    思い出すだけで、胸のあたりに小さな痛みを感じる。
    この男のすべてが印象的すぎて、なのにリアルで普遍で、もう私の中ではフォークナーというとこのキャラ!という感じになってしまった。
    逆に、ハイタワーの存在感は個人的に蛇足な気がした。話が長く感じたのはコイツのせい。それでいて語り足りない感じもあるし、この人は別の物語で良かったような。

    図書館で借りたので、非常に古い版(昭和42年初版の新潮文庫)で読んだのだけど、最初に訳者がなんだかくどくどしく「意識の流れを分かりやすくするために太字にした」とかなんとか、長い訳注をつけている。これは今の版にもついているのかな。
    こんな注釈なんかなくても普通に読めば普通に理解できると思うのだけど・・・。
    原文は何か癖があって、訳すのに苦労したからだろうか、などと考えてしまった。

  • 読書会の課題本だった短編集から興味を持ち、思わず手に取った一冊。久々に重厚な長編を読んだという充実感があった。人種差別をテーマにした暗い話だが、ラストにふんわりと希望の香りが立つところに好感が持てる。

  • フォークナー3大傑作の一つだが、一番、穏やかな味わい。これはやはり、女主人公リーナ・グローブの大地の女神的設定によるもの。伊那谷の仙人(!)の翻訳もいい。

  • この小説は、臨月の主人公「リーナ・グローヴ」が南部の町の来てからの不可解な事件の話。

  • どこにつながっていくのかと思ったら。
    ちょっと長くて集中が続かなかった。気が向いたら再読したい。

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著者プロフィール

一八九七年アメリカ合衆国ミシシッピー州生まれ。第一次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピー大学に入学するが退学。職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、『響きと怒り』(一九二九年)以降、『サンクチュアリ』『八月の光』などの問題作を発表。米国を代表する作家の一人となる。五〇年にノーベル文学賞を受賞。一九六二年死去。

「2022年 『エミリーに薔薇を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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