恐怖の谷 (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102134085

感想・レビュー・書評

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  • 一部と二部を読むことで、事件の背景が厚みを増して面白かったです。

  • シャーロック・ホームズシリーズ。読み終わったのはずいぶん前だけど、このエピソードが一番、面白かった記憶が。

    ホームズの長編が大体そうだった気がするけど、犯人の昔話もすごく書き込まれてて、一本のストーリーとして読み応えがある内容。

    この話はとにかくどんでん返しがすごかった。

  • 最近久しぶりに再読。
    最後のモリアーティの言葉を「おやおや、ホームズくん、おやおや」にしている訳書があったと思うんだけど、その言葉のほうが「わたしの」モリアーティっぽい。
    過去といまで二部構成にしているホームズの長編はどれも好き。

  •  ホームズのもとに届いた暗号の手紙。時をたがわず起こる田舎の古い館で起こる殺人。その因縁は20年前のアメリカに端を発する、恐怖の復讐劇だった。コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズシリーズ最後の長編。
     これもまた「緋色の研究」のように2部構成で語られる。興味深いのは2部だけを取り出してもひとつのしっかりとした小説にまとまっていること。1875年当時のアメリカの鉱山村の荒んだ恐怖を冒険活劇風に見事に描ききっています。訳は名訳、延原謙。

  • 『恐怖の谷』(コナン・ドイル、延原謙訳、1953年、新潮文庫)

    これはドイルの最高傑作だと思う。第一部のホームズの事件解決、第二部の事件に至るまでの経緯、どちらも良い。

    とくに第二部のマクマードの大活躍と最後の大逆転には手に汗握る展開です!

    (2009年8月27日)

  •  例の如く、シャーロック・ホームズ。
    最近読んでいると、だんだん先が読めるようになってきたが、特にこれは先の展開が読みやすく、そう思うとめちゃくちゃ面白い!とは思えなかった。

     しかし、すっと読めたのでそれほど不満もないので、3.5星ということで、4つ星で!

  • おおおっ!コナン・ドイル、ついに本領発揮!!!と言いたくなるホームズ長編第4弾『恐怖の谷』。(以下ネタバレ御免)今回はきっちり2部形式。第1部は「バールストンの悲劇」。「ほんとに君には、ときどきうんざりさせられるよ(ワ)」と、いつものやり取りで始まる。ホームズに届いた半分しかない暗号文を解読するくだりで早速惹きつけられたところに、マクドナルド警部初(?)登場。暗号文の警告が現実の事件となっていたのである。警部とともに現場に急行する2人。屋敷の書斎には散弾銃で何者かに頭部を目茶目茶に破壊された家主。発見時の状況、妻や友人、執事ら関係者の証言…舞台はととのった。今回の脇役は、「珍しくしっかり者で固めたのね」と思わせる警視庁マクドナルド警部と所轄署メースン警部。2人ともなかなか頑張るが、やっぱりホームズの明察には敵わない。ホームズの指示で夜の張り込み中、「もっと淡白にいえないもんですかね?(=真相教えてよ!)」という警部に、「いきなり肩に手をかけたり、のっそりとお前が犯人だと言ったり----これじゃあんまり芸がなさすぎる…電光的な推理や巧妙な罠…こうしたものこそわが生涯の誇りで生き甲斐じゃないでしょうか」とホームズの本音がチラリ。罠にかかった〇〇氏、見破られたトリック、そして△△が現れ……。ここで物語は20年前の第2部「スコウラーズ」へ。1875年、アメリカの某炭鉱の町へマクマードというひとりの若者が到着。新参者の彼は、土地の悪漢集団スコウラーズの首領マギニティに気に入られ、異常な儀式を経て入団。その度胸に一躍人気者になるほど早くも溶け込んだ。美貌の女性とのロマンス、団員内での揉め事、団の悪行の数々…。そんなある日、心配症の団員から一通の手紙を見せられる。そこには「腕利きの探偵バーディ・エドワーズが団の悪行を調査している」との情報が。マクマードは、逆に探偵を罠にかけて町に呼び出し、蜂の巣にする作戦を提案する。ここからのクライマックスに、はぁ〜?と参ってしまった。初めて読んだときには完全にシビれた。とにかく、ホームズのかっこよさが霞んでしまうほど、ドラマチックな展開の第二部。剛胆で強靭な心臓を持ち人を惹き付けてやまないマクマードは、役者としては一枚上手。夢も希望も救いのない谷底の町、怖れ慄きながら暮らす人々という暗い影が、物語の終盤で光に照らされる。エピローグ、警察には真相を教えずホームズだけで内密に解決してたなら、違った結末になったのかと思わずにはいられなかった。『アベ農園』のようになって欲しかった。いや、でもこれで「悪の王」モリアティ教授のキャラクターが際立ったけど…(『最後の事件』の段階ではその脅威の大きさがどれ程のものか描き切れてなかったし)。「…まあ見ててくださいよ!(ホ)」に続いて『最後の事件』を読んでもいいかも。(2009年1月ホームズ再読月間)

  • 二部構成になった作品。前半はホームズの活躍で後半は前半の?の解明かな。読み終わって、あれ?という謎が生まれてくる。

  • ホームズ最後の長編小説。イギリスの田舎における怪奇な殺人事件とアメリカ鉱山のギャング小説の両方を楽しめ、最後の数ページでどんでん返しがあるのはなかなか読み応えがあります。それにしてもアメリカはやっぱりドイルには大きな存在だなと再確認できました。ギャングがスエーデン人の娘を取りあう所など国際色豊かです。そういえば、「6つのナポレオン」「金縁の鼻眼鏡」ではそれぞれイタリア人やロシア人がでてくるが、ホームズストーリーはなかなか国際的な広がりがあります。それから、当然、社会主義運動にも影響をうけていると思われる部分もあります。とくに鼻眼鏡や恐怖の谷では。

  • 他の話と若干毛色が変わっている。
    2部は舞台がアメリカな上にホームズが出てこないので「何これ?」と読んでいる間は思うが、最後に真相が明かされ納得。分かってても何度も読んでしまうのはドイルの叡智だ。

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著者プロフィール

アーサー・コナン・ドイル(1859—1930)
イギリスの作家、医師、政治活動家。
推理小説、歴史小説、SF小説など多数の著作がある。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として世界的人気を博し、今なお熱狂的ファンが後を絶たない。

「2024年 『コナン・ドイル⑥緋色の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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