シャーロック・ホームズ最後の挨拶 (新潮文庫)

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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102134092

感想・レビュー・書評

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  • 瀕死の探偵と悪魔の足、とどめの最後の挨拶に完全にやられましたね・・・地味にウィステリア荘のワトスンくんにしかわからないホームズの微妙な変化っていう描写もいいなと思いました

  • シャーロックホームズシリーズ短編四冊目であります。
    本作ではまず、薬品や細菌による化学的な殺人が多いことに気付きます。『瀕死の探偵』『悪魔の足』はその内ですが、『フランシス・カーファクス姫の失踪』においても、仮死状態を作り出したのはクロロフォルム。クロロフォルムはさらに『最後の挨拶』にも登場します。元々ホームズは科学的捜査の祖として扱われることがありますが、特に化学に関して本作での推理は、少し時代の流れを感じるものでもあります。『緋色の研究』が1887年、本作の『最後の挨拶』が1917年ですから、この30年の間に化学、または犯罪学における何らかの変革があったように思います(
    いや大袈裟に言いましたが、時は産業革命前後、あったに決まってるんです(苦笑))。
    時代の変化と言えば『最後の挨拶』です。辻馬車は自動車に変わり、名探偵は養蜂家に。時代は第一次世界対戦へ、つまりそれはホームズの活躍したヴィクトリア朝時代の完全なる終焉でもあり。最後の「東の風」のやり取りがなんとも深く感じられるわけです。素晴らしい。

  • 人形劇が面白かったので原作を・・・
    この前に「冒険」を読んでいたのですが、そっちのほうが短編で読みやすい感じがしました。
    「挨拶」は結構辛かった^^;
    内容はどんでん返しで面白かったです。
    「あーここでこうくるのかぁ」という感じ。
    「最後の挨拶」の章は、ドイルの思いがつまったのが伝わってきました。

    昔から人気のある本って理由があると思うのですが、ホームズの場合はこのどんでん返しなんじゃないかな?と。
    比較的、新しい版を読んだと思うのですが・・・古い表現のほうが合ってる気がする。と思うのは私だけかな?

  • 瀕死の探偵がギャグ要素多めでとてもおもしろかった。
    謎解きを楽しむというより冒険要素が多めで楽しく読めた。
    何作品か戦争色が強く現れてる作品があり、書かれた時代を感じた。

  • 例えば秘密結社やら国際スパイやら規模の大きな事件が多め。そうなるとこちら側からあれこれ推理するのはちょっと難しく、冒険活劇的な小説として読んでいくほうが楽しいのかもしれない。久しぶりのホームズシリーズ(再々々読くらい)だったのですが、新聞広告だとか庭の小石だとか、ホームズらしい捜査にわくわくしながら読み進めました。お互いに文句言いつつ言われつつ、大事なときはワトスンに頼るホームズと何だかんだ付き合ってあげるワトスンの友情がほほえましくも熱い…

  • 気分転換に読書はうってつけですね。
    通勤のお供には短編集がさらにうれしいです。

    「自分を招待した友人とその家人たちが、翌朝目覚めてみると全員姿を消していた」
    依頼人からそんな不思議な話を聞いていたホームズたちのもとに、友人その人が殺害された旨の報告が届く。『ウィステリア荘』
    ハドソン婦人の報告を受けてホームズのもとにやってきたワトソンは、やつれ果てた探偵と対面することになる。
    瀕死の探偵を救うべく、ワトソンはその病の第一人者である男を訪ねるのだが…。『瀕死の探偵』
    英国の軍事機密を持ち出そうとするドイツのスパイ。
    大戦を時代背景に置いた物語の中で、ホームズが愛する国のために一肌脱ぐ。『最後の挨拶』など全8編。

    技巧をこらした作品が揃った、読みごたえのある一冊でした。
    個人的には『ウィステリア荘』『瀕死の探偵』が気に入っています。
    表題にもなっている『最後の挨拶』は、シャーロック・ホームズシリーズでは珍しく三人称視点で語られたものとなっています。
    期待はずれがひとつもないホームズシリーズもあとわずか。
    名残惜しいですが、早く次巻を買いに行こうと思います。

  • ホームズ最高。

  • 2013.3.10 再読
    久しぶりに読むといろいろ勘違いしてたことを発見。

  • 『赤い輪』で見せた仕事に対する思い、『フランシス・カーファクス姫の失踪』で見せた過ちは誰もが犯すが、大切なのはそこから修正することだという考え、シャーロックホームズの様々な思いを知ることができたのがとても嬉しく思った。

    本編ではただの推理だけではなく、ワトスン君も騙しての調査や、他の警部との共闘などなど、見所が多かった。

  • 僕にとってはSherlockHolmesシリーズ最後の1冊。名残惜しい気持ち半分、ホームズ相変わらずの名推理にワクワクさせられる気持ち半分で読み進めました。

    今回、どの作品もすばらしく面白いのですが、中でも注目すべきは「瀕死の探偵」と「最後のあいさつ」だと思います。
    どちらも読者は冒頭から一気に惹きつけられます。いままでのワトソンとホームズが依頼人を迎えて事件が始まるわけではないので、物語を始まりが作中または、ラストで明らかになる逆転スタイルは斬新で非常に面白かったです。

    すでに事件簿を読み終えたしまっていた僕にとっては、本当に「最後のあいさつ」となったこの1作とともに終えたホームズとワトソンの奇妙な冒険記、またいつか全シリーズを読み返してみたいと思いました。

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著者プロフィール

アーサー・コナン・ドイル(1859—1930)
イギリスの作家、医師、政治活動家。
推理小説、歴史小説、SF小説など多数の著作がある。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として世界的人気を博し、今なお熱狂的ファンが後を絶たない。

「2024年 『コナン・ドイル⑥緋色の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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