Xの悲劇 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102137017

感想・レビュー・書評

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  • 国名シリーズと並ぶ、クィーンの代表作とも言えるドルリー・レーン4部作の1冊目です。

    高校生の時以来の再読でしたが、正直第1の殺人の凶器と、犯人は覚えていたのですが、その他はあまり覚えていなく、改めて楽しんで読むことができました。

    ただ、高校生の時は特に思いませんでしたが、変装については、少し「う~ん」という感じを受けました。
    作中でレーンもサム警部に変装し、関係者から情報を得るのですが、帽子・サングラス・マスクといった顔を隠すという意味合いの変装なら許容できるのですが、堂々と顔を見せても正体がバレない変装がまかり通ると、何でも有りになってしまいそうで、若干ひっかかってしまいました。

  • 再読。サスペンスタッチで連続殺人が微細に綴られていく前半部は今の目から見るとかなりスローテンポだが、後半の鮮やか過ぎる謎解きをより印象づけるために敢えてそうしているのかもと思うと、その計算高さには計り知れないものがある。刊行時はバーナビー・ロス名義。そのイギリス風筆致も相まって、当時は誰もエラリー・クイーンの変名だと気づかなかったという。日本語訳ではそのイギリス的文章の妙味が判りづらくて少々残念ではある。
    そういえば序盤のやり取りの中に〈ジャック・デンプシー〉っていうボクシングのチャンピオンが出て来るけど(80頁)、これってデンプシー・ロールのデンプシーかな??

  • 冒頭の「情報はすべて与えてあります」という言葉に,頭脳戦を真っ向勝負でやりましょうという本格ミステリ作家の意気込みを感じた.
    ここ数十年の作品には無いなあ.

    事件にまつわる沢山の情報と,
    主人公ドルリー・レーンの冷静で論理的な推理.
    読者の頭がこんがらがってきたところを,レーンの台詞が解きほぐしてくれる.
    このくり返しに心地よさを感じるほどだった.

    しかし,ドルリー・レーンがときおり見せる表情や
    事件の解決を拒むような行動に興味を引かれてしまう.
    そして,すべてのハテナを解消するラストシーン.お見事.

    解説にあったエラリー・クイーンの生い立ち(?)を知ってびっくり.
    ミステリの歴史という深遠に,もう踏み込んでいそうだ.

  • ミステリの古典!
    名探偵コナン...じゃなくて老探偵ドルリー・レーンが大活躍!はやくYの悲劇が読みたい!

  •  丁寧かつ重厚に描写される難事件の数々に、振り落とされぬよう必死に読んだ。謎解きを楽しむには色々な意味で情報が多過ぎる作品だ。だが探偵役のドルリー・レーンによる解決編は、読者に疑問の余地を残さない徹底したものだった。著者のミステリへの気迫が感じられる本作には、相応の覚悟を持って挑むべきだったのだ。次は名作と唄われる『Yの悲劇』を読む。本シリーズへの取り組み方が分かったので、ちゃんとXから始めておいて良かったと思う。

  • ミステリー入門そのn。質実剛健。しかし純粋に論理で展開するので、ミステリー読んでいる最中に推理をしないダメ読者としては真髄を味わえていない気がしてならないのだが、如何に。

    ドルリー・レーンはいいキャラっすね。彼の立ち回りを見たいがためにYも読んでみようかなと思う。

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