偽りの楽園(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102169377

感想・レビュー・書評

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  • リタイアしてスウェーデンの田舎で暮らす両親から別々に連絡があり、父親は母親が精神の病で妄想を抱くようになったと言い、母親は自分がある犯罪を暴くのを父親が阻止しようとしていると言う。
    一体何が起こっているのか、早く知りたくてうずうずするこっちの気持ちをよそに、母親は一から順序だてて話すから、じりじりさせられるのだ。
    しかしずっと一人語りというのは、思ったより引き込まれない。ただ、気にはなる。

    力のある一人の住人がコントロールするコミュニティの息苦しい感じや、何かしらの不穏な雰囲気は充分感じられて、これが全部母親の妄想だなんて思えないのだけど、どうなんだろう。
    下巻を読まなきゃ。

  • 田舎の小さな社会に隠された悪の影か
    はたまた精神に支障をきたした人の妄想か。
    一方当事者がひたすら話す、それも些細なことに
    何かをかぎつけたり結びつけるだけなので、
    後者を疑ってしまうが、聞き手が驚くような
    言葉や話題の変化からもう一つ疑われるのは。。。
    とはいえ、まだまだ話し足りないようで
    具体的な事件のにおいがしたところで下巻に。
    しかし、あんたも突然行方不明みたいなこと
    したろうに。

  • はじめて読む作家さん。
    「チャイルド44」を読みたくて本屋さんに行ったら置いていなくて、こちらを発見。
    「チャイルド44」が映画化され(大好きヴァンサンも出演しているのです)、話題になっているようなので、本作にも自然と期待がかかる。

    ダニエルのもとに、スウェーデンで幸せに暮らしているはずの父親から電話が入る。
    「お母さんさんは病気だ。精神病院からいなくなった」。
    いなくなった母親からも電話が入る。
    「お父さんが言ったことは全部嘘よ。私はおかしくなんてなってない。警察に行かないと」。

    こうはじまり、ダニエルのもとに来た母親の告白がはじまるのだが、それがまた長い。グダグダグダグダ話がつづく。
    こういうひといる。
    何から何まで話さないといけないと思うひと。
    聞いているこちらは、結局何を話したいのかさっぱりわからないので、いい加減疲れてくる。
    このグダグダ告白が一冊つづく。

    下巻、頼むよ。

  • 下巻でまとめて。

  • 2016.09.12

  • レビューは下巻にて

  • チャイルド44、グラーグ57、エージェント6シリーズのトム・ロブスミスの最新作。

    チャイルド44からの3作はKGBのエリート刑事、レオデミトフを中心として、最終的には中東やらアメリカやらを巻き込んだ国家規模のスケールの大きな謎に個人が翻弄される壮大なミステリーだったけれども、今作はそれと対象的に、主人公はイギリスの経済的に自立できない遊牧民的造園デザイナーのダニエルで、スウェーデンの田舎で起きてるっぽい謎に間接的に翻弄される、とてもミニマムな話。

    話はロンドンにいるダニエルの元に引退して夫婦でスウェーデンの田舎農場に引っ越した父から、「母さんの具合がよくない」という電話から始まる。

    その電話の直後に母がスウェーデンからダニエルの元を訪れて、両親の話が食い違って、というような感じ。

    帯にあるように、

    「母の告白は真実か狂気か?」

    っていうのが話の中心。

    上巻では母が田舎でよくありそうなステレオタイプな無意識の悪意、を語るのが中心。ステレオタイプな感じが小説としては意味があるのだけれども、読み手としてはステレオタイプなだけに、話される内容は若干退屈というか結構ありふれた話なのだけれども、それが息子が母親が精神疾患ではないかと疑いながら聞いている、という設定があるために、かなり緊張感を持って楽しく読める感じになっている。

  • 外国田舎暮らし

  • 10月12日読了。図書館。

  • だんだん…盛り上がってきた

著者プロフィール

1979年、ロンドン生れ。2001年、ケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業。在学当時から映画・TVドラマの脚本を手がける。処女小説『チャイルド44』は刊行1年前から世界的注目を浴びたのち、2008年度CWA賞最優秀スパイ・冒険・スリラー賞をはじめ数々の賞を受ける。

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