ボトルネック

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103014713

感想・レビュー・書評

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  • すごく悲しい話。
    の、はずなのに
    あまり悲しいと思えなかった。

    私はこの話をハッピーエンドととったからかも。


    “どうにもならないこと”
    ならすぐ受け入れられる主人公リョウが、
    突然自分がいなかった世界、パラレルワールドに飛ばされる。

    そして、リョウの代わりに存在したサキによって、
    あまりにも自分のいた世界と環境が変わっていることを知る。

    すべて良い方向に。


    生きる気力を失ったリョウがもとの世界に戻った後の顛末は描かれていない。

    が、きっと良い方向にいくと思う。


    しっかり、考えて生きれば、自分を、周りを変えることが出来るかもしれない。
    そう思って前向きな気持ちになれた。

  • 自分の存在理由がひとつずつ消されていく、そんな後味の悪さがありました。

  • パラレルワールド。そして鬱スパイラル。
    自分が存在しない方が世界が少し上手くいくとわかったら。
    それでも生きようという気にはなれないよ…

  • 最後まで救われない。
    親がひどすぎる…

    ただ、やたらと人けがないのが気にはなる。
    もしかしてあそこは死者たちの国って考えすぎ???

  • 生きてくことは、無限に二者択一を続けていく、ってことかな、って思った。ものすごく細かい次元まで。例えば今日の私、お風呂に入るか入らないか。入らないならシャワーを浴びるか浴びないか。シャワー上がりに歯を磨くか磨かないか。磨いた後髪を乾かすか乾かさないか。…例をあげたらきりがない。でも、本当に細かい二者択一の一つが、大きなことに繋がっていくこともある。
    リョウが迷い込んだ世界はリョウが生まれなくて、リョウの世界で生まれることができなかった姉が生まれてた世界。その違いはどこにあったのか。そして二つの世界の違いとは。
    読み始めからものすごく読みやすくて、でも読んでいくうちにとんでもない状況に陥ってた。そして結末…。私はなんだか、まだ結末がうまく飲み込めてない。結末の部分だけ、何度も読んでみたけど、なんだかもやっとする。その「もやっ」も含めて、おもしろい!読んでほしい!それで、結末の意味を、自分も理解した上で、誰かに聞きたい。だから読んでください。

  • おっっっっもい……!!
    めちゃくちゃ鬱展開。救いがない、絶望の果て。
    救われないのが辛い。
    サキをもってしても、いやサキの言葉だからこそ止められなかったのかな。
    ホント重…………!!!

  • 『ボトルネック』
    2023年10月1日読了

    東尋坊や金沢など北陸の地が舞台の作品。
    作者が学生時代を過ごした土地ということもあり、その地に行ったかのようにリアルな情景が思い浮かんでくる。

    東尋坊で崖下に落ちてしまったはずの主人公・リョウ。
    しかし、目が覚めると見慣れたはずの金沢の地にいて、一つだけ違うことはリョウが存在しないことだけだった。

    リョウの代わりに存在しない「姉」がいて、主にその2人が物語の軸をなしている。
    「僕がいない世界」のできごとと、「僕がいた世界」の記憶が重なり合う構成になっており、読者も2つの世界の間違い探しを追体験できるようだ。

    そんな間違い探しをくりかえす中で、最後に起こるどんでん返し。
    スピード感のある語りに呑まれ、あまり意識を向けてこなかった部分が最後の最後に浮き彫りになってくる。主人公がその後どうなったのか、とても気になりました。


    「自分がいない世界」ってどんなのだろうとか、自分が選ばなかった方の道はどんなのだっただろうかとか、誰もが一度は(私なんかは何度も何度も)想像したことがあるだろう。
    けれども、そんな「たられば」が起こるはずもなく、私たちは自分がここに存在し、自分が幾度もの選択を繰り返した先の「今」を生きている。「ああ、きっとこれでよかったのだ」と自分に折り合いをつけながら。

  • どうしようもない虚無感。
    母親からの最後の一言。
    「リョウへ。恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくて構いません」
    これほど残酷でどうしようもない言葉はない。

    受け入れるという行為は、一見大人の対応に見えるけれども、逆に言うと何もしなかったが故の結果をただ受け入れるという行為に他ならず、それが起こる前に自らの行動で未然に防ぐという意識がなかったから。もしくは、自分がその渦中にいることすら気づかないのか。

    サキとリョウの世界に対する姿勢。
    想像して、とサキとリョウの会話には何回もやり取りがあるが、要はそういうことなのかな、と思った。

    冒頭に戻り、母の「恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくて構いません」はもっと想像して自分にやれることをやれというメッセージなのでは?そう思うと、案外バッドエンドではなく、人生をやり直せるチャンスを与えられたのでは?ポジティブに考えてみる。人生はやり直しが効く、とそう思いたい。

  • 全く面白くないわけではない。
    だが、物語の終わりまでが短過ぎる。

    上巻ですか?と聞きたくなるような内容のまま終わるのは如何なものかと思う。

  • 最後、主人公は何を選択したのだろう
    自分のいる意味とか、存在から考えさせられる話
    サキのいる世界でのノゾミがどうなったのか、書かれすぎていないのが良かったと思う
    難しいお話だった

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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