人を殺すとはどういうことか: 長期LB級刑務所・殺人犯の告白

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103136316

感想・レビュー・書評

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  • 衝撃的。

  • 大変 面白かったです。近所の刑務所は LB刑務所なんだろうと思います時々 週刊誌に あの有名事件の犯人は今ここ みたいに 記事が載っていることがあるしどこまで 本当なのかな? と思わせるところはありますが。刑務所でまっとうな人は みんな やくざ というのは そうだろうな とは思うそれから 俺は ○○をしただけなのに なんであんなところにいたんだよ いるから殺しちゃったじゃないか という風に考える というのは あるかも知れないなぁ とは思った。 

  • 殺人の、その形而上学的じゃない個別具体的な詳細は、たしかに殺人者以外からは聞けない訳ですから、これはきわめて貴重な本です。

    いつもは《殺される側の論理》(あっ、これって、1971年刊行の本多勝一の著作のタイトルでもあります)で発言していますが、もちろん現実的には被害者の正当性以外に何もありえないと考えますが、それはそれ、必殺仕事人が大好きな私のこと、理不尽な差別・抑圧・虐待の怨念を晴らすための殺人であればOK問題なしで、私が請け負ってもいい位に思っているほどですが、ことに私たちみたいなミステリー好きにとっての殺人は、想像力の中でだけ大いにたくましく残酷無惨に繰り広げられる虚構として、そんなのダメですよ、なんて誰にも言わせないですよね。

    現実に自分がすることが不可能なことを、どれだけ理解できるかは、むずかしいことですが、でも考えてみれば、人間の過去の歴史的体験で、たとえば被爆や疎開や何でも、問題意識さえ持っていれば想像力と思考で理解できるのは経験済みのことだと思いますが、あっ、そうか、いまピーンときました、ミステリー好きの私は自覚せずに、今まで《警察》とか《殺人》に関する本は、必ず集めて読んでいたのでした。

    知的好奇心は人一倍旺盛で、たとえば団鬼六は読みますがSMはちょっと、稲垣足穂は大好きですがA感覚もちょっと。
    そうなんです、冒険心旺盛なタブーに果敢に挑戦する私にも苦手はあるのです。食わず嫌いじゃないかって? ・・・コメントは控えさせていただきます。

    食わず嫌いといえば、人肉食って?どんな味がするの?、という興味で、武田泰淳の『ひかりごけ』(1954年刊行。これは戦争中1943年に7人の乗組員が乗った日本軍船・第五清進丸の船長が遭難して2か月後に帰還、調査の結果、彼は乗組員6人の人肉を食べていたという事件をもとに書かれた小説。)を読みましたが、戦争中、特に南方戦線では日本軍は圧倒的な食料不足のために、敵味方なく人肉を食べたそうです。

    横たわっている船員の遺体を見て我慢できなくなって、股の当りを包丁で切って味噌煮にして食べた、今まで味わったことがないおいしさだった、脳みそも食べたが精力が付く感じだった、と船長は証言したそうです。

    考えてみれば、人肉食(カニバリズム)というのは人類の歴史上世界中に見られる慣習ですが、特に最近では飢餓をしのぐ究極の方法として北朝鮮でも行われているという報告もあります。

    ・・・・・なぜカニバリズムまで話が飛んだのか不明ですが、この稿 続きます・・・・・



    この感想へのコメント
    1.船橋胡同 (2009/04/26)
    いつも素晴らしい体験感想!昔の体験もおいしく召し上がったようですね。コワゴワと拝読してましたが、途中で 我が身体を薔薇様に壊されたら気持ち良いかな~と?
    乞う!次回の実践体験談。 この本の評価は次回で決まる。
    無料でその気にさせる魑魅魍魎の世界!自殺願望者は読め!

    2.ヨナキウサギ (2009/04/30)
    愛の究極は相手の身体を喰らうこと、とは、時々言われますよね。ちょっとだけ(ひょっとしてかなり)理解できる気がする自分がコワイ。サタケ君、まだ読んでいませんが、私の場合は脂身が多くて調理の仕方を選ぶだろうな、と思う程度で・・。この本には興味おおあり、です。形而上学的に議論するだけではすまない部分があると思うのです。いつか読んでみます。鬼六せんせあたりやA感覚は犯罪ではなし、冒険なさったら?

    3.薔薇★魑魅魍魎 (2009/05/01)
    なんともはや身体変態感覚は風太郎流に想像力と創造力をフル回転しても空想だけに。ここではけっして科学までへは追及しません、御免ねマルクス! だから虚構の領域なら、わたし阿部定にもなれます。主演女優賞下さいな。
    何だかとんでもない逸脱、話が歪曲して猥雑めいて来ました。そろそろ戻さなきゃ。

    4.ヨナキウサギ (2009/05/01)
    そうですね、逸脱失礼。
    でも、いつかドキュメンタリーで見た晩年の阿部定さん、なんだかとても穏やかな顔のおばあさんでした。ちょっと憧れました。あれはきっと、ホントに人を愛したことのある顔だ、と勝手に思ってしまいました、私の妄想かもしれないけれど。

  • 人を殺すとはどういうことかに関しては、著者の考えがわかるが、それ以上に刑務所の中での殺人者がどのような心境でいるのかというのに驚いた。反省する人ばかりでないのはわかっていたが、ここまで反省していないとは。この人達がまた一般社会に出ることを考えると怖い。

  • 立ち読み。現役受刑者による自己の犯罪や性格の分析、また同囚たちの行動についての手記。明晰で論理性の高い文章は心をゆさぶる。

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著者プロフィール

美達大和
1959年生まれ。無期懲役囚。現在、刑期10年以上かつ犯罪傾向の進んだ者のみが収容される「LB級刑務所」で仮釈放を放棄して服役中。罪状は2件の殺人。ノンフィクションの著書に『刑務所で死ぬということ』(小社刊)のほか、『人を殺すとはどういうことか』(新潮文庫)、『死刑絶対肯定論』(新潮新書)、『ドキュメント長期刑務所』(河出書房新社)、『私はなぜ刑務所を出ないのか』(扶桑社)、小説に『夢の国』(朝日新聞出版)、『塀の中の運動会』(バジリコ)がある。また「無期懲役囚、美達大和のブックレビュー」をブログにて連載中。http://blog.livedoor.jp/mitatsuyamato/

「2022年 『獄中の思索者 殺人犯が罪に向き合うとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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