ひっ

著者 :
  • 新潮社
3.23
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本棚登録 : 148
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103178224

感想・レビュー・書評

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  • モラトリアム期間のダメな若者が適当に金作って旅して働く気になるまでみたいな超ありきたりな小説なんだけど、こういうのってなんで何作読んでも飽きが来ないんだろう。
    堕落はバラエティ豊富。

  • 作曲家などの仕事で成功したひっさんの甥っ子である私が、突然亡くなったひっさんの遺品を整理するため庭に穴を掘っている.そこからひっさんのことや私がひっさんのギターを売り払った金でインドを放浪したことなどが出てくる.ひっさんの友達で近くの洞窟に裸で住んでいる気球さんの登場が面白い.芥川賞の候補作の由だが、?という感じだ.

  • 穴に落ちるシーンが印象深い。遺品を燃やした温かな灰に、穴の中で包まれる情景がとても優しいものを感じさせる。亡くなったひっさんの優しさに包まれるようで。
    全体的にあっさりしてる。純文にしては軽い。

  • そそられるタイトルだったので
    読んでみたいナーと思っていたら図書館で遭遇

    なんかぽわぽわした話だった
    装丁もタイトルも「もしやちょっとコワイ話?」と思わせるけど
    にくめないお話だった

    いつか機会があったら
    違うのも読んでみようかなと思ったので
    星は3つにしておく

  • 「ひっさん」と呼ばれる叔父と甥の物語。全く以てあきません。やっぱ芥川賞の候補に選ばれるような文芸作品はわけわかりません。ついでに、何故これを読もうと思ったのか、俺の心理もわかりません。

  • 芥川賞候補の常連になりつつある戌井さん。
    自分の好きな候補作常連作家さんは、結局受賞しないのだが、戌井さんはどうであろうか。
    まあ面白けりゃなんだっていいか。

  • 芥川賞候補になった作品。
    感想としては、すっごくファンになる、という訳ではなかったけれど、文学は時代を反映しているというのを改めて感じました。
    ひっさんの、テキトーに生きるっていう言葉なんかは正に。

  • 駄目な大人の話だなあ。でも面白い。
    特に、主人公のおじさん、表題にもなっている「ひっさん」がいいなあ。漫画みたいな半生。言っていることが格好いいんだけど、よく考えると意味がわかんない。「お前のは、テキトーが死んでる」とか。意味がわからないけれど名言だなあ。

    大筋はひっさんの死後遺品を整理しながら半生を振り返り、近所の人たちと故人を偲ぶ、という筋の話だけれど、全編がなんだかあっさりしている。やろうと思えばいくらでも湿っぽく泥臭くできそうなのに、この乾き具合というか、あっさり感がじめじめしてなくて面白い。特にとぼけたかんじの会話が秀逸で、映画にしてもきっと魅力的なのだろうと思う。

  • つまらない話だな。これが純文学というもので、2012年第147回の芥川賞候補だったのか。。。

  • 戌井さんお得意の、駄目な男の話。

    いつも戌井さんのものを読んで素晴らしいと思うのは、
    その読後感の爽やかさ。

    例えば西村賢太の私小説のような読後の胃酸が逆流する感じや、
    酒を飲みたくなったりつらくなることがない。

    戌井さんの書かれる小説は、純文学でもありながら、
    エンタメでもあるような気がする。
    こんなに軽快な純文を、私は知らない。

    所々に鏤められた、小さくシュールな笑いも好き。
    ひっさんの作曲した楽曲のタイトル羅列のところなど。

    ひっさんのように、きちんとテキトーを生きるのは
    私には理想的でありながらとっても難しい。
    テキトーを貫くのも。
    それに、ひっさんは「俺」のいうように、
    やっぱり寂しい人でもあったとおもう。

    これだけ高い知能を持ってしまった人間って、
    何なんだろうか。
    生きるのに苦労している人がたくさん。
    たくさんの動植物の犠牲を強いて。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。劇作家・小説家。97年「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。2009年小説『まずいスープ』で第141回芥川龍之介賞候補、14年『すっぽん心中』で第40回川端康成文学賞受賞、16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で第38回野間文芸新人賞受賞。

「2022年 『沓が行く。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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