- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103319627
感想・レビュー・書評
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きちんとした、厳しめの母親に育てられてずっと一緒に暮らしてきた30代女性、恋人ができて家を出て変化していくさまが描かれていて、読みやすくてやさしい終わり方でよかった
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読んでてちょっと苦しくなった。そんな風になるのはひさしぶりでなんでかわからないけど、共感なのか既視感なのか、つらい気持ちが私にものしかかってきた。
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ドラックストアの店長 野坂梨枝が出会う店員たちとのやりとりを綴った物語だが、三葉くんとの同棲生活が中心に展開する.女性の観点から著者が梨枝の気持ちを的確に記述している点が素晴らしい.
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☆言葉と行動と想いのこんがらがったからまりと、それがほぐされていく感じが丁寧に描かれた話。恋の話、家族の話。
○どんな時に読みたいか○話したいとか、知り合いたいと強く思った誰かが現れたときに。
●感想●『しゃべることは、細い糸の上を渡ることに似ている』
にグッときた。
すごく好きだった人のことを思い出された物語。たぶんこの本の表現を借りれば、糸を渡り切れなかったんだなと妙に納得してしまった。相手までの糸が細すぎたのか。そもそもなかったのか…渡りすぎて切れちゃったのか…はぁ。。 -
タイトル借りしたらアタリだった一冊。母親の呪縛から逃れたい女性の葛藤と恋愛。ザクザクくるけど後味はいい。
彼女の母親はたしかに毒親だったけれど、良薬だって飲みすぎれば毒になる。他人と良好な関係を保つためにいちばん大切なのは、相性でも愛情でもなく適切な距離なのかもしれない。 -
あねもねグループの一人で、出版を心待ちにしていた彼女の小説デビュー作。
その直前に読んでいた宮木あや子の「野良女」との落差が大きいけれど、こういうじくじくした感じの主人公は王道だろう。読者にとって共感のできる女の子が、男の子との出会いをきっかけに成長していくお話。
そう考えると、最初のエピソードはいらなかったし、それと連携しているタイトルも、別のものが良かったと思う。
この小説の印象的なキーワードを探すと、バファリン、きゅうという花の痛み、バレエの少女の絵、そして餃子。宇都宮在住の私としては、代替タイトルに餃子を一押しにしたいところだが(笑)、テーマ的にも、バファリンとか、花の痛みなどをタイトルにかかげたほうが良かったのかなと思う。お兄さんの飼っていた蜘蛛のエピソードとかも、タイトルから不必要にひっぱられてしまっている感じがしたし。
エンディングについては、島本理生の「よだかの片思い」のように相手とは結ばれないけれど、成長がごほうびというほうがよりリアルだった気もする。でもまだ新人なんだから、いろいろ試せばいいんだろうな。これからが楽しみな作家さんです。ぜひ書き続けてほしい。 -
みっともない、くるしいくるしい。
傷ついたり、傷つけたり。
蜘蛛を潰せない、優しいけれど弱いひとびと。
なんとなく三葉くんが梨枝さんじゃない人を愛せたら、梨枝がたとえば蜘蛛をすぐに潰しちゃうような人を愛せるようになったら世界はもっと生きやすくなるんじゃないかと思うよ。
それでいいのかもしれないけど。
なんて苦々しい痛い小説。
だけど、くるしいくるしいが、いつかみんな愛しいに変わりますように。