欺す衆生

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 517
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103395324

感想・レビュー・書評

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  • ノワール、でいいのかな?明るくなり様が無いからあんまり得意なジャンルじゃないんだけど、流石にこれは引きずり込むパワーがある。久々にがっと読んだ。ラストも予想とっちょっと違っていい。

  • 前半は似たようなエピソードが2回続くのでなかなか進まないように感じてしまった。

    いくらカリスマ性のあるパートナー・因幡に感化されたとしても
    元々横田商事にいた時も一営業マン、堅気の仕事ではうだつが上がらなかった主人公が詐欺師としてここまで成功するものなのかと思うとあまりリアリティーを感じられなかった。

  • 久々に圧倒的に面白いノワール作品に出合った。
    正業ではポンコツだが詐欺の素質がある主人公の悪の立志伝というところか。
    詐欺という人間のクズの所業がテーマなのだが、緊迫感がノンストップで惹き込まれる。
    犯罪のバイブルにもなりかねない本作だが、主人公の不思議な魅力と相まってついつい応援したくなってしまう。
    蛇足なところもあったが、高まった期待を裏切らないラストも秀逸。

  • 冴えないひとりの男が、組織的詐欺をはたらく横田商事に勤めたことがきっかけで詐欺師として生きていくことになる話なのだけれど、序盤で描かれる主人公の隠岐は、気が小さくて仕事ができない、どちらかといえば騙される側の男だ。
    それが、後に相棒となる因幡に再会し、脅されて仲間にさせられると、因幡の嘘や気まぐれに翻弄されながらも、日に日に詐欺師としての技を磨いていくことになる。
    華麗な転身ではない。
    本心が見えない相棒に振り回され、常に人を疑い、腹心に裏切られ、家族には疎まれ蔑まれている。
    華麗な詐欺師でもない。
    詐欺に気づいた人に問い詰められたら、そこから逃れるために選ぶ手段は小心者のそれだ。

    詐欺師という泥沼にずぶずぶ嵌っていく理由を、隠岐本人は、横田商事や家族や因幡のせいにしてみたり、詐欺師の魔力に憑りつかれたことにしてみたりしているけれど、隠岐が詐欺師を続ける理由は〝弱いから〟に尽きる。
    弱いから、分かれ道に立つたび、より深い沼を選んで進むしかなくなる。
    足首だけ浸かったところで引き返すこともできたし、膝まで浸かったあたりでみっともなく泣き叫んで誰かに引き上げてもらうこともできたはずだ。
    弱い自分を認められなかったから進むしかなかったように思う。

    ただ、恐ろしいことに、隠岐のような弱さは大なり小なり誰もがもっていて、あたしの中にもある。
    果たしてあたしはこれから先、誰にがっかりされようとも、泥沼に爪先さえ浸けずに生きていけるだろうか。
    ああ、不安だ。
    とてもとても不安だ。

  • かなりの厚みがあるハードカバーで読んだのでちょっと辛かった。
    豊田商事の会長惨殺がワイドショーの放送時間中にリアルタイムで中継されたのは何年前だったかな?

  • 映画化して欲しい。

  • 面白く読めた

  • 必ず自分に返ってくる。

  • 今の話題にドンピシャ

  • 図書館で借りた本。
    入社した会社が詐欺の会社だった。会社がなくなってしまい、なんとか就職したが昔の仲間に見つかり、脅されて一緒に詐欺の会社をやることになってしまった。家族を守るためと言いながら、詐欺で稼いだお金で裕福に生活していたが・・・。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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