欺す衆生

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 515
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103395324

感想・レビュー・書評

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  • 最近のこの作者の作品傾向から、豊田商事事件を取り上げたダークサイドストーリーかと思ったがさにあらず。
    読み応え充分な、詐欺師の教養小説でした。

    どんな着地をさせるのか、ハラハラ。残りページ数が減って行く都度盛り上がっていき、最後は圧巻。
    期待以上でした。

  • 詐欺師の話。騙し騙されのループがすごい読み応え抜群だった。

  • ピカレスク小説は、なんておもしろいのだろう。悪いやつらがマジで悪いとおもしろくなる。一気読み。

  • 例えばホラー映画でも、ゾンビやエイリアンものなどは、基本的にあり得ない物がベースということで、ある意味エンターテイメントとして安心して見られるところがあるが、人間が引き起こす猟奇殺人物などは、現実に日常で起こり、身近にも起こる可能性が大いにあるということで、非常に怖さが増すというところがあり、本作品もそれに共通するものを感じた。導入部からはじめ、物語の奥底に敷かれる豊田商事事件により、この作品の『リアル社会の恐ろしさ』をうまく読手の意識に植え付けていると感じた。良作と思う。

  • 豊田商事事件を下敷きに、史上最悪の詐欺会社「横田商事」の残党がときにより集まり、ときに離散しながら詐欺をはたらいていく話。
    元横田商事社員の主人公•隠岐は「家族のため」と再び詐欺をするようになるが、やがてその嘘は自分を欺くようになっていく。
    本作は隠岐の詐欺師一代記でもあり、世の中は欲と嘘で回っているのかもしれないと錯覚させられるような話だった。
    会社も家庭も騙し合い。真実を追うものは闇に消える。
    隠岐もいずれは「欺し納め」する日がくるのか。
    結末のその後を想像せずにはいられない終わりだった。

  • もう〜めっちゃ面白くてドキドキわくわくしながら読み終えたけど
    なんで、ラスト
    隠岐が因幡のことを忘れたのか…
    わからん!
    頭がおかしくなったの?
    モヤモヤする。

    しかし親が親だからか
    二人の娘ともあんな風に育ってしまった。
    やはりお金じゃないのよ!

  • 昭和最大の詐欺事件、横田商事事件の残党が集まり、新たな詐欺を仕掛けるという話で、最初は気弱なサラリーマン風だった主人公がどんどん詐欺師として頭角を現していくのには恐怖すら感じる。横田商事事件と同じ轍を踏まないようにと、オレオレ詐欺や保険金殺人などの凶悪犯罪に手を染めないようにしている主人公に何かしらの矜持のようなものがあるように思えたが、よく考えてみると詐欺を働いている事には変わりなく50歩100歩だ。詐欺の手法が比較的わかりやすく描かれているし、文章が読みやすいのでスラスラ進んだ。詳細→
    http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou23602.html

  • 面白い

  • 詐欺を生業とし生きてる人は、自分も騙した人生を送ってそうだな。 主人公の最後が、どうなっていくのか…気にまりました。

  • 欺き欺かれつつもスケールを拡大しながら詐欺師街道を突き進む主人公。虚実のあわいの泡沫の中で最後に辿り着く先が気になるところ。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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