1Q84 BOOK 1

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著者 : 村上春樹
  • 新潮社 (2009年5月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103534228

1Q84 BOOK 1の感想・レビュー・書評

  • 本の奥付を見ると2009年発行とある。出版と同時に買って読んだので、8年ぶりの再読となるのだが、驚いたことに、ほとんど何も覚えていなかった。所々に幾つかのエピソードを思い出す以外は、次に何が起きるのかも分からず、まるで初めて読む本のような感じだった。8年前の読みが浅かったのか、自分の記憶力がその程度のものなのか、あるいは、その程度の印象しか残さない本なのか。それにしては、面白かった。次に何が起きるのか、ワクワクしながら読んだ。不思議なものだ。

  • 現実とそうでない世界の織り交ぜ方が、非常に秀逸。あと、些細な表現の観察力が素晴らしい。地名や物の名前を具体的にあげて誰でも容易に想像できるイメージをつくり、現実感を高める一方で、自然に不思議な世界へ導入させる、境界線のない感じ。すごく上手だ。

  • 読んでるとムラムラする。
    天吾の年上の彼女の気持ちがなんとなーくわかってしまう自分に嫌悪感。「論理を超えて嫉妬深い彼女」ねw

    あと、ハゲの地獄のくだりがジワジワくる。

    ものすっごく面白くて隙間時間を見つけては読んでしまった。早く続きが読みたい!

  • 一言、ふしぎ。でも引き込まれる。

  • 中学の頃に読んだアフターダーク以来の村上春樹作品。

    首都高でタクシーに乗ったまま渋滞に巻き込まれた青豆は、大事な〝仕事〟に向かう途中だった。このままでは遅れてしまう、そう考えている時、タクシーの運転手から非常階段で下へ降りていくことを提案される。そこをおりきれば近くに駅があり、それなら間に合うと。賭けだったが、青豆には仕事をしくじるわけにはいかなかった。その仕事はとある裕福な老婦人から依頼をうけての仕事だった。女性たちのセーフハウスを与えている老婦人は、そこに様々な理由で逃げ込んできた女性たちの中の、どうしても話し合いやお金では解決できない案件を、青豆は請け負っている。
    女たちを傷め付けることが生活に組み込まれているような男を、〝ちがう場所へ送り込む〟、それが青豆の仕事だった。
    通常はジムでインストラクターをしている彼女には、特別な想いを抱く男性がいた。それは小学校5年生の時、たった一度助けてくれた男の子。彼を青豆は今でも愛していた。この特別な愛があれば、青豆は何も怖くないと思っていた。
    首都高速を降りて、いつも通り仕事を片付けた青豆は帰る途中で警官の制服が変わっていることに気付いた。朝見た制服と、そして携帯している拳銃が変わっていることに。それは月の二つある世界のはじまりだった。

    天悟は塾で数学を教えながら、小説を書いていた。何度か新人賞へ送っていたものを目にした編集者・小松から新人賞の下読みの仕事を貰っていた天悟は、その中に異質といっていいほどの力をもつ物語を見つける。それは『空気さなぎ』という17歳の少女の書いた物語だった。それは文章こそ荒っぽいものだったが、惹きつけるものをもっていた。同じことを感じていた小松はその物語を天悟に書き直してみないかと持ち掛けてきた。それは詐欺にもなる危険な話だったが、天悟にとって空気さなぎを書き直すということが何よりも魅力的だった。そして彼はその作者であるふかえりにあうことになる。彼女は恐ろしいほどの美しい少女で、彼女は一風変わった話し方した。彼女から流れ込む世界の風が、天悟の生き方まで変質させていく。

    村上さんの文章はなまぬるい体温を持っているように思う。それはしなやかに鍛えられ、とてもうつくしい。物語の風景を事細かに書き連ねたその文章は、いつの間にか自分の体の中で地続きの景色たちを勝手に育て始めるようになる。心に染み込むことが拒否しにくい文章だな。

  • 明らかになっていく繋がりが、どこで出会うのか、どんな出会いをするのか気になる

  • 「1984年」から、月の二つある「1Q84年」という異世界に迷い込んだ殺し屋の美女・青豆と予備校講師の天吾のめぐりあいの物語。
    カルト宗教も絡んで興味深い。女性に暴力をふるう男性を抹殺する殺し屋の青豆が、カルト宗教の教祖を殺してしまったことから追われる身となる。また、謎の美少女・ふかえりの書いた作品を書き直して文学賞を受賞した天吾も、作品内に教団の秘密が込められていたために追われる身となる。そのうちに、二人のかかわりが明らかになっていく。
    10歳の頃からお互いを求め続けさまよってきた二人が、何度もすれ違い、最後の最後で邂逅できたのは良かった。
    最後には「1Q84世界」から脱出できるのだが、戻ってきたと思われる世界も、果たして「1984年」なのかは不明なのが不気味な所だが、戻れない可能性を秘めているところが、異世界ファンタジーらしいというか。

    登場人物の中では、青豆を守ってくれるプロの男、タマルが一番私は好きだった。誠実で温かみがあるけれど、時々、どこまでも冷徹になれるクールさを持っているところが良かった。青豆を付け回す不気味な存在の牛河もなんだかんだ不幸なバックグラウンドを持っていたり、うっかりミスをやらかしたりと憎めない。牛河の推理が冴えすぎて少し不自然な気もしたが、それでも面白い作品だった。

    印象に残っているシーンは、最初と最後に出てくる、スプリングコートとグリーンのスーツに身を包んだ青豆が、高速道路の非常階段を下りていくくだりだ。青く透き通ったフィルムで撮った映画みたいに、シーンが自然に目に浮かんでくる。

    村上さんの小説は読みやすく文体も綺麗で、流れるように読める。展開も気になる。が、ところどころに伏線や暗示が隠されていると思われるので、深く読みたいと思うと、時間と根気が必要になってくるから、時間のない私にはあっさりとしか読み込めなくて残念。

    あと、出てくる食べ物が毎回美味しそう。村上作品に出てくる食べ物を再現した食堂ができないかなぁ。

  • 3冊あるうちの1冊目。
    まだ全然わからない

  • 村上春樹☓必殺仕事人。村上春樹☓佐村河内事件。村上春樹☓オウム真理教事件。村上春樹☓ジョージ・オーウェル。
    やめられないとまらない。疾風怒濤(僕にとっては)。
    #
    「1Q84 BOOK1」。
    2009年発表の村上春樹さんの長編小説。
    ハードカバー版、全三冊の内、第1巻。
    大変に面白かったです。
    村上春樹さんの小説の中で(今のところ)いちばん面白いのでは?と思いました。と言っても全部読んだわけではなくて、長編小説と呼ばれるもので言うと、「国境の南、太陽の西」1992 と「アフターダーク」2004 は未読なんですが。
    以下、ネタバレにならないレベルの備忘メモ。
    まあ、まだ1巻しか読んでいないのでネタバレになりようがありませんが。
    #
    物語はどうやら、「2つの世界」で描かれます。
    つまり、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」1985。
    #
    一つは1984年。「青豆(あおまめ)」という変わった名前の、30歳くらいの独身女性が主人公。スポーツジムのインストラクターなんですが、実は殺し屋でもあります。
    青豆さんは、母子家庭の育ちで、母親は、とある宗教団体(限りなくエホバの証人、という実際の団体を思わせます)の熱心な信者さんだった。色々と嫌なことがあって、家族というものと縁がない現在を送っています。
    そして、色んなことがあって、「さきがけ」という名前のカルトな宗教団体と対決せねばならないことになってきた。
    青豆さんは、10歳のときにいじめから守ってくれた男子を心の中でずっと愛している。報われないだろうけど愛している。そしていつかどこかで巡り合うと信じている。
    そして、青豆さんの世界では最近妙なことが多く、どうも青豆さんが分かっていたはずの世界ではなくなっている。近過去に知らない事件が増えている。月がふたつになっている。
    どうも、現在はちょっと何か疑問符がつく世界である。1984ではなくて、1Q84、というのが現在のようだ。クエスチョンの、Q。
    #
    もう一つも1984年。「天吾(てんご)」という名前の30歳くらいの独身男性が主人公。予備校の数学講師なんですが、実は小説家希望。文芸誌の新人賞最終選考に何度か残っている。
    天吾さんは、父子家庭の育ちで、父親はNHKの集金をしていた。色々と嫌なことがあって、家族というものと縁がない現在を送っています。
    そして色んなことがあって、「17歳の美少女が書いた小説をリライトしてその子の作品として新人賞を取ってベストセラーにする」というプロジェクトのリライト担当になります。
    その女の子は「さきがけ」という名前のカルトな宗教団体の関係者の娘。両親は7年間行方不明なことが分かり、そしてその女の子も行方不明になってしまう。
    天吾さんは10歳のときにクラスでいじめにあっていた女子を助けたことがある。以降、その子とは会っていない。
    天吾さんがリライトした美少女の小説の世界では、月が2つある。天吾さんはその世界の物語を自分で書き続けようとしている。
    #
    ジョージ・オーウェルが近未来を舞台にして1940年代の危機感を描いたのだとしたら、村上春樹さんは近過去を舞台にして2000年代の危機感を描いている。
    そこには、日本とアジアを巡る20世紀の歴史解釈の問題が触れられるし、カルトな宗教を巡る精神や、既得権益層の不寛容と暴力、例えば男性から女性へのDVの問題もある。
    「ねじまき鳥クロニクル」1994 から 「海辺のカフカ」2002 を経て、ここに至る気持ちの流れがすごくわくわくします。
    「小説」という手段でリアルの世界と切り結ぼうという決意と覚悟を感じます。芯が強い。そこには弱者と少数者の視点と幸福を踏みにじろうとする暴力への強い反対意思がある。それは、リベラルとか知性主義... 続きを読む

  • 購入から7年。読みかけの長編をやっと手に取ることができた。いろいろな事情で。物語にとても引き込まれた。二つの物語と二つの月。これがどのように重なりあうのか今後が楽しみ。積んどく間に、文庫本が出た。今後は文庫本で…

  • 人間は遺伝子にとってただの乗り物でしかない。種を残すため、生まれて再生産をするいうことだけが彼ら(遺伝子)にとっての究極の目的であり、生きることは手段でしかない。なのになぜ、シンプルに生きられないのか?
    過去の記憶の切り取り方が、我々一人ひとりの人格を構成している。自由な意思による自由な記憶により、自己を自己たらしめているのだ。
    だが、自由と感じている意思も記憶も目に見えない社会システムや暴力的ななにかによって、檻に閉じ込められているのかもしれない。

  • これは村上春樹にしか書けない小説だなあと思った。
    内容の話ではなく、500ページ以上も費やした序章という構成が。
    昔のマンガはコミックの3巻までに読者をつかめばよかったそうだけど、今どきのマンガは1巻が売れなければ2巻はない。
    ましてや小説なら、1冊である程度の満足を得られなければ、続きを読んでもらえない可能性が高い。
    出せば確実に売れる村上春樹だからこその仕様だと思った。

    だから余計に構えてしまう。
    自身の読解力不足に怯えてしまう。

    3分冊のうちの最初の1冊で、まだ「ふかえり」が行方不明になったり、月が2つになったりした以外に大きな出来事はなく、感想と言っても取りとめのないことしか思いつかないけど、いくつかを。

    主人公の一人天吾は塾の数学教師であり、デビュー前の小説家である。
    「数学がそんなに楽しければ、なにも苦労して小説を書く必要なんてないじゃないか。ずっと数学だけやっていればいいじゃないか」とふかえりに言われて答える。

    “そうだな、実際の人生は数学とは違う。そこでは物事は最短距離をとって流れるとは限らない。数学は僕にとって、なんて言えばいいのかな、あまりにも自然すぎるんだ。それは僕にとっては美しい風景みたいなものなんだ。ただそこにあるものなんだ。”

    数学好きの長男によく「人生は最短距離で早くゴールすることが目的じゃないんだよ。寄り道しても転んでも大丈夫だから」と言ったものだけど、やはり彼は最短距離を進みたがる傾向にあった。
    数学好きの習性なのだろうか?

    “天吾は小さい時から数学の神童と見なされていた。算数の成績は抜群だった。小学校三年生の時に高校の数学の問題を解くこともできた。”

    数学が壊滅的に出来ない私が言うことではないけれど、これは無理では?
    虚数や関数に行列、微分積分いい気分。
    塾へ行ったこともなく、自宅学習すら親がいい顔をしない家庭に育った天吾が、どこで数学の問題と出会うことができたのか?
    どこでこれらの概念を知ったというのか?
    少なくとも数学の試験で与えられる途中点というのは、計算が合っていることを至上とする算数と、考え方に重きを置く数学との違いを如実に示しているわけで、数学的思考ができない限り数学の問題を解いたとは言えないと思うのだけど。
    まあ、解くこともできた、なので、あながち無理とも言い切れないけど。

    “正しいことであれば、その気持ちが純粋であれば何をしてもいいということにはなりません。”

    往々にして純粋な善意の方がたち悪いことはあるよね。

    村上春樹の小説って「ちはやぶる」なんだなあと思った。
    決して煽っているわけではなく、どちらかというと穏やかな筆致なのに、物語の核に向かっていく力の強さを感じる。
    荒ぶってはいない勢いの力強さ。


    ところで、よりによってノーベル文学賞の発表の日にこの本を読了って…。
    他意はないんですよ、全然。
    どうかこの感想がいろんな方の逆鱗に触れませんように。っていうほど読まれてないか。あはは。

  • 青豆と天吾。
    全く別々の人生を送っていたかに見えたのに、徐々に繋がりがみえてくる、Book1。

  • あまりに長編過ぎて今まで敬遠していたが、いつかは読まねばと思い連休前に借りた。

     青豆と天吾、二人の人物が交互に主役を務めながら物語が進む。1984年代が描かれているが、文章からは時代を感じさせない。その代わり、どこかで聞いたような事件をベースにストーリーが進む。現実と違うのは月が2つあること。それは歴史が変えられた印だとか。
     法で罰せられない鬼畜を抹殺するアサシンと、秘密を持った少女の存在を世に送り出すゴーストライター。ビックブラザーとリトルピープルとの対比。BOOK 2を読むのが楽しみである。

  • ”The Big Shot"(だったかな?ちなみに本作はいかにもブラピが好きそうな感じ、当方には何か合わないんですよね、彼は。トム・クルーズのような自己認識とスターとしての潔さが決定的に欠けていると思う。すいません、完全に脱線でした。)の劇中、引用されているのを観て再読、評価は読了後に。
    例の如くあまり内容を明確には覚えていないので何ですが、その中でも冒頭シーンは当方としては珍しくも鮮明に覚えております。それだけ印象的だと思うのですが是如何。
    オウムとか戦争問題等、ここ20年程度のこの作家の意識が表出しておりますが、奇妙な性描写は相変わらずですかね、「やれやれ」。

  • 何がほんとうで、何がうそなのか。
    現実と幻想の境目。
    目に見えるものと見えないもの。

    最後に信じられるのは
    自分の気持ちだけ。

  • 春休みの1日で一気読み。
    こんなに話題になった作品で、しかも結構前に出たのに、まだネタバレされていないという…笑
    稀有な作品です。

    複雑だし、訳が分からなくなりそうだから、最後までノンストップで読みきりたいです!

  • 久しぶりの長編。わくわくしながら読んだ。
    謎めいた麻布の老婦人、タマル、危ない橋を渡る青豆、違う危ない橋を渡る天吾。
    その橋が繋がっていて、お互いを唯一無二だと想っているけれど離れたままの2人を、1Q84へ連れていく。
    私たちは彼らを俯瞰しながらともに1Q84に引きずり込まれている。
    世界や常識や人と人、意識と無意識、マザとドウタ。明瞭なようで実は境界などない。完全な「物語」が現実をリアリスティックにつきつける。

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