ソロモンの偽証 第I部 事件

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (741ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750109

感想・レビュー・書評

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  • 3部までの大作
    読みやすいし読み続けられるが、学校内裁判やって、結局、柏木の死の真相はそんだけ?って…感じ。安っぽいドラマの印象。宮部みゆきの限界的な…。
    最後になるにつれ、最初からそうだったでしょ?神原君との間もその程度の秘密?ワルの大出も結局中途半端な立ち位置に収まっちゃうし、大出父は逮捕されてどーなのよ?とか、森内先生大丈夫かな?とか。
    その割にまつ子とか大出婆さん気軽に死んじゃうし、結局、三宅樹里が最悪なトラブルメーカーってだけの話?
    藤野涼子は頑張りましたが、振り返るとなんだかなーという話でした。読中はいいけど読後感が切れ味悪いんだなー

  • 映画よりも一人一人の心の内が丁寧に描かれていておススメ、との読書好きな知り合いの言葉に後押しされて読み出した。分厚い一冊なので、最初のうちはなかなか読み進められなかったが、途中から面白くなってきた。それぞれの登場人物の事情、学校やマスコミ、警察の裏側など、作者は多岐にわたる丁寧な取材でこの大作を書き上げたのだと恐れ入った。全巻読み通したら、もう一度映画を見直したい。

  • 不登校の中学二年生が亡くなった事件を契機に、中学校を舞台に連鎖的に巻き起こる事件。関係者の心の動きが丁寧に書かれてる。中二病、疎外感、
    自己/他者否定、他責化、妬み、安直な処罰感情などなど、どちらかというとネガティブな感情に満ち満ちた登場人物達が出そろって、色々とやらかしたことで今後の展開に向けた環境が整った感じ。二部以降の話が気になる。

  • やっぱり我慢できずに購入。宮部さんだから、1990年代の時代設計だから書けるし。そうなのか?本当にそうなのか?と自分に疑問をぶつけちいく。

  • モヤモヤ感が残る読後感。中学という限られた空間で、心の闇が表面化されていき、それが爆発してしまったような感じもした。松子の死はあまりにも不憫に思う。700ページを越す分厚さだが、柏木卓也の死に関する告発状の事がマスコミに醸された後に、次々と事件が起き、一種の呪いだろう展開に引き込まれ、生徒たちはどうなってしまうだろうと気になり、ページを進める手が速くなった次第である。告発状を書いた目的は何?、誰のために?など、雪だるま式に生徒の周りに災難が降りかかるような感じで、卒業制作の話も飛び出し、次巻が気になる。

  • 嫉妬、悪意、嫌悪、歪み、なかなか読み続けるのが辛かったのですが続きは気になります。それぞれのキャラクターの描写が詳細で、ここまで多くのキャラクターを書き分けるのってすごいなぁ、と。でもちょっと疲れたので一呼吸置いて2、3巻読みます。

  • 事件は都内公立中学の二学期終業式の前日、クリスマスイブ、大雪の朝に 中2の男子生徒が 学校構内で死体で見つかる。
    警察は学校屋上からの飛び降り自殺と判断し、両親も異論がない。

    ところが、ある生徒が「あれは殺人」との告発文書を作成し、学校長とクラスメイトの1人、そして担任教師のもとに3学期開始に合わせて郵送する。

    この告発文書をめぐって事態が捩じれていき、挙げ句にその存在がマスコミに知れてしまい、学校は大きくゆさぶられることになる。。。

    このレビューを書く時点で3巻読了している。
    一気に読みましたよ。

    なぜ時代設定を1990年にしたのか?そこがまず疑問だったが、これはスマホ時代ではどうしても成り立たない話だから、とすぐに理解できる。
    それでも昔感があまりないことに、中学生の悩みや摩擦のおおもとは 25年前も今もさほど変わらないと感じさせられているかもしれない。

    そして一番 よくわからないのは  ソロモンの偽証 というタイトル。読者は大きなウソがすぐにわかるのだけれど、でも偽証かといわれると?

    登場人物多数、約700頁x3巻をぐいぐい読ませる筆力は宮部さんならでは。

    初出は小説新潮 2002年10月号から2006年9月号の連載。

  • 中学二年生の柏木くんの死体が見つかった。自殺だと思われたところに殺人を仄めかす告発書が届く。その時クラスメイトは、先生は、メディアはどう動くのか。真実はなんだ。


    読み進めるうちに自分も事件にずぶずぶ入りこんでいく気がして、でも着地点が見えなくて、もどかしい!

    「学校は社会」だということが突きつけられた気がする。何が正しいのか、どこで間違ったのか、冷静を保つことがそれほど難しいのか。

    大学に出す論文書かないといけなくて、その参考文献も読まないといけなかったけど、そんなのそっちのけで読んだ!そしてとにかく早く続きが読みたい!!すっきりさせて欲しい!
    今日は興奮して寝れないかもしれないなあ笑

  • 単行本3冊、全てが700ページを優に超す長編の第一部。
    舞台は作者出身地を連想させる城東区の中学校。時は1990年クリスマス。2学期最後の登校日に、ある男子生徒が学校の敷地内で、同じクラスの男子生徒の死体を見つける。
    死因は自殺と一度は落ち着きかけたのだが…。
    生徒の家庭環境も様々、教員の思惑も様々、警官の思惑も様々。
    中学とは全く関係のない大人の思惑で、マスコミの餌食になる学校、それに派生して新たに起こる女子生徒の死亡事故。741ページと、3巻の中で一番のボリューム。
    場面によってそれぞれの登場人物に視点を変えたり、語り口を変えたりして、各人の立ち位置を読者にわからせていく展開。

  • 久々に大作に挑戦してみた。しかし撃沈しそう。。。とにかく登場人物が多い。ちゃんとキャラ立ちしてるから読みにくくは無いけど、各人の心情描写が多い。しかもどれも長くて細かい。そして肝心なところは書いてない。で、これでもかって位の事件の連鎖。小さな悪意が積み重なってドロドロの泥仕合。恐ろしい。湊かなえの「少女」を思い出した。そして自分の中学時代を思い出した。自分の立ち位置とか、力関係とか。…色々なものが刺激されるので、個人的にはあまり真剣に読みたくない。でもそれだけ、思春期の学校の感じがよく書けてるってことなんだろうなあ。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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