- Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103784043
感想・レビュー・書評
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『太陽を曳く馬』を読んだ後で久々の再読。老齢となった代議士・福澤栄が筒木坂の寺を訪ねて、息子・彰之と会い、1980年代の青森と国の政治が赤裸々に語られ、一方で永平寺での修行から木造の小寺・普門庵を受け継ぐことになった由来が明らかになる2日間が描かれます。
これほどまでに饒舌に、それも核心にふれないまま語り続ける運命の親子は、どこまで往くのでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もうですね、超すっ飛ばし読み。作者に申し訳が立たぬ。
父(政治家)と子(坊さん)の対話で振り返る80年代なわけだが、そもそも政治(政党政治&地方政治)にも宗教にも興味がないそれがしのような輩が読んで面白うはずがない。
これは読み手が選ぶ小説ではなく、読み手を選ぶ小説なんだな。
というわけだが、それでも下巻に移るのだ。 -
ようやく読了。長かったー。東北は青森の政治家一族の長である父と出家した曹洞宗の住職である息子・彰之との魂の対話。重厚でボリュームがあるため読むのに一苦労。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou6707.html
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暗闇の小説だ。自民党代議士として青森の王として君臨した主人公は人生の晩年に金庫番の私設秘書の自殺、妻を筆頭とする一族の裏切りにあう。74歳になる元王が語る政治家人生は光が届かない泥沼の底だった。読んでいて鬱鬱とした気分になるがなぜか止められない。作家は読者に一切配慮せず政治の陰部を突きつける。最後まで読まなければ作者に負けるという意識で読み切った。700頁以上になる小説の残り100頁から異常に面白くなった。さあ、この陰鬱に負けずに政治の暗部を覗いてくれ。
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タイトル通りで、子どもたちに裏切られる父(政治家)が幹となる物語。
前作『晴子情歌』は「母から息子への手紙」という形式で、今作は「父と息子の対話」を通してストーリーが展開する。前作では昭和史を描いたが、今作は戦後のというか昭和の転換点をあぶり出しているのかな。作品の時代設定は80年代で、語ることが理解につながる最後の時代だったのかもしれない。
作品の発表当時の事情を覚えてないけど、これだけ実名が出てくる作品ってすごい。高村薫作品なのだから、政治家の実態もこの作品に描かれているようなものなのだろうか。よく名誉毀損とかの騒ぎにならなかったものだ。
合田さんが電話口に登場するのがご愛嬌。
さあもう一度『太陽を曳く馬』を読まなくちゃ。 -
晴子情歌が母と息子のやり取りだったのに対してこちらは父と息子のやり取りになっている。
前作は手紙という形式をとっていたから一方通行の様な印象があった。
今作は対話しているはずなのにどこかが噛み合ないような雰囲気を醸し出していて同性同士の親子の関係の方がより根が深いものなのかもしれないとも思った。
親子といってもほぼ同じ環境下にいたことがないという特殊さもさながら、何か因縁の様な血の存在を感じるからなのだろうか…。
とりあえず政治の話はいいとして仏教の宗教観の話が特に理解するのが難し過ぎた…。 -
感想は下巻に
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何度となく挫折してきたんですが、やっと上巻を読み終えました。
晴子情歌での彰之のイメージは感情の起伏があまりないように感じたけど永平寺の修行風景では年下に怒鳴りまくってたという人間らしさが感じられて良かったです。
詳しい感想は下巻にて。 -
難しい。。
再読が必要。