- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103808060
感想・レビュー・書評
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文は綺麗。
物語は切ない。
人物は乾いている。
日本の梅雨と対極にある真冬のような物語。
雪原に音が消えて、ふきのとうが頭を出してまた雪が積もって見えなくなる、その景色を月が照らす、そんな一冊。
好き嫌いは分かれるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生の酸いも甘いも一通りに噛み分けてきた、いわゆる「あらフォー」女性の抱える、恋愛や結婚に対する行き詰まり感が描かれた、12の短編。
誰もが抱えてるだろうもやもや。決して解決することのないもやもや。ハッピーエンドでもなく、悲劇的な結末でもなく、ただ、もやもやは静かにそこにあり続けると言う現実味は、どの物語からも良くにじみ出ていると思う。
皆、何かしらもやもやを抱えて、日々を乗り越えているのねと頷けるものの、読み手が本の世界に期待する、もやもやを吹き飛ばすような幸福のヒントが見えないので、読後感がどこか寂しいのかなと。でも、所詮現実なんてこんなもの。でも、分かっているけど、そうじゃないと一瞬でも思わせてもらいたかったのに、みたいな気持ちが心のどこかにあるので、この良く出来た短編集の評価を、低めにしたいという、現実否定のねじれがあって、星2つ。
「熱帯夜」と「どこでもない場所」が好みかな。
どの主人公にも共通している、打ち解け過ぎていない女性像は、どこか90年代のいわゆる「トレンディドラマ」的な空気感を漂わせている気が。 -
2014.10.14読了
私にはちょっと大人すぎた可な、、、 -
短編集、12編、再読
印象的な場面もいくつか残っていたけど、すっかり忘れていて再読。女性の心模様を何でも無いようで少し変わった日常の一場面で切り取ってみせる。共感できるかは別として、その心理描写はとても上手いと思う。 -
透明感のある文体は好きです。
ですが、ひとつひとつの作品が短く、状況を把握する前に終わってしまい、謎のまま、消化不良に思えてしまいます。
次は長編作品を読んでみたいなあ。 -
都会に住む、あまり生活感の無いちょっとおしゃれな感じの女性達の物語という印象。感動するとか、心に響くといった感想は持てないけれどこれはこれで有りなのかな?たまにこういう雰囲気の小説を読むのもいいなくらいの印象です。
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江國さんの短編にしては、なかなか好きなほうでした。
各作品のタイトルがいい。 -
いい文章。
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初読。
あ、へぇー。
江國香織の短編集だねぇ。みたいな(笑)
相変わらずめんどくせぇ女ばっかりだな!みたいな(笑)
デパートでのある奥様の一日、の『こまつま』と
高級住宅街でそこに関わる人々がただ交差する『住宅地』が好き。
あとはタイトル以上にグッとくるものは無かったかなー。