- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104061112
感想・レビュー・書評
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文章の言い回しとか・・・
なんだろ、とにかく最初の何ページ目かで、手が止まって
最後まで読めなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゴミ屋敷問題!時々ニュースで見ることがあったが,住人VSご近所の人。このゴミ屋敷問題の難しさは,他のことへも置き換えて考えさせられた。なぜゴミ屋敷になったのか?この本はたくさんのことを教えてくれた。
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映画「嫌われ松子の一生」に漂う悲哀と、同種のものを感じた。
ゴミ屋敷周辺住人の愚痴から始まり、登場人物が順番に入れ替わるようにして、当のゴミ屋敷に暮らす老人の半生~ごく普通の商店がゴミ屋敷に変貌していく様子を描く、ストーリー展開が見事。
最後に救いが用意されていて、読み手の私も救われた。 -
p.17
ともかく、悪臭がひどい。生ゴミの腐った臭いが饐えて、邪悪な獣のように襲いかかる。風が不快な刺激臭を撒き散らすと、地底から湧き上がったような黴臭さが、まるで打水のように広がる。黴臭さと腐臭が、低音と高音をこき混ぜた不快な音楽のように、南西の風に乗って波打ってくる。夏の湿気がそのまま臭気に変わったような堪えがたい雰囲気の中で、蝿がぶんぶん飛び回る。朝の内に差し込んでいた日の光が、昼になってゴミの山に発酵作用をもたらしたようだった。
p.210
自分が積み集めた物が「ゴミ」であるのは、忠市にも分かっている。「片付けろ」と言われれば片付けなければいけないことも、分かってはいる。しかし、それを片付けてしまったら、どうなるのだろう? 自分には、もうなにもすることがない。片付けられて、すべてがなくなって、元に戻った時、生きて来た時間もなくなってしまう。生きて来た時間が、「無意味」というものに変質して、消滅してしまう。
「無意味」は薄々分かっている。しかし、そのことに直面したくはなかった。「自分のして来たことには、なにかの意味がある」――そう思う忠市は、人から自分のすることの「無意味」を指摘されたくはなかった。「それは分かっているから、言わないでくれ」――そればかりを思って、忠市は一切を撥ねつけていた。 -
読後感は決していいものではなかった。ただ、色々考えさせられたのは確かである。そういう意味では読んでよかったと思う。
喪失感・・・人生においてほんとにこれは厄介なものだ。 -
購入した本。
いまはひとりゴミ屋敷に暮らし、周囲の住人たちの非難の目にさらされる老いた男。戦時中に少年時代を過ごし、昭和期日本をただまっとうに生きてきたはずの男はいつ、なぜ。
橋本治の視線は、冷ややかではあるけれどやさしい。
重い物語をとても静かに紡ぎ出す。
時折、メディアが冷ややかにゴミ屋敷を伝えるとき、私はずっと
かなしかった。どうして捨てられないのか。ゴミと同じだけの大事な思いもあるのではないかと。
けれど、物語には出来ずにいて。
……だから、橋本治は好きだ。 -
雑誌「新潮」で一部を読んでいたが、後半は意外な感じだった。
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ゴミ屋敷と呼ばれる家に住む人の内面を描いた作品。彼の来し方、周辺の状況、役所の対応など淡々と綴られていく。
弟の出現から急展開。何とも言えない、やるせない気持ちになる。 -
ゴミ屋敷の主である老人及びその周囲の人をめぐる一大叙事詩。戦後の復興期に普通に真面目に生きていたはずなのに、様々な思惑が重なって少しづつ老人が世間とズレていく様が見事に描かれている(ただし老人以外の人々についての描写がやや詳しすぎるため、物語全体が若干散漫になっている感は否めない)。
自分探しとか生きる意味への探求がもてはやされる現代。ただひたすらに生きることしかしてこなかった老人も、人生の終わりにそれをゴミの収集に求めた。しかし、その結果、老人を社会からの疎外者にしてしまう。そのゴミ収集から解放されたとき、老人に安らぎが訪れる。
われわれは今、人生の意味探しに汲々としているのではないか。それが必ずしも自分自身にとって、そして周囲にとって良い結果をもたらすとは限らない。むしろ、個々人が人生に意味を求める生き方こそ、われわれの社会を複雑化し、共生をしにくくしている。そんな感想を抱いた。 -
男性っぽい書き方。
なんかしっくりこない。
時代背景や置かれている環境が
全体的に古くさくて
新鮮味がなく、なんで話題になるんだろうな…。
朝日新聞で誰かが推薦していたけど…。