決壊 上巻

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 728
感想 : 127
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260072

感想・レビュー・書評

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  • 090723

  • 7月12日読了。

  • すごい本を読んでしまった。

    というのが、読後の最初の気持ちでした。
    人間の心の闇を、これほど克明に描き表したものを今まで読んだことがありませんでした。
    人の生き死に、悪魔と幸福、明と暗。この対照的な二つが、ありとあらゆる言葉で、
    登場人物すべての立場から洪水のようにあふれ出していている。
    しかも、そのどれもが説得力を持って、自分の内に流れ込んでくるのです。

    あえて言えば、今話題の「告白」を、もっとリアルにもっと深く、ぐうの音も出ないような緻密さで書かれている。
    今まで読んだミステリーとか言われているものが、いかに軽薄で子供じみていたか、思い知らされたような気がします。
    どんなに言葉を連ねても、この感じは表わすことができません。

    しばらくミステリーを読みたくない気分になるほど、衝撃的でした。

    上下巻

  • 母に「面白い本ある?」と聞いたら
    「あなたにはどうかと思うけど読んでみる?怖いわよ」と言って渡されたのがこの本。

    怖いです。すんごく恐ろしくて眉間に皺がよります。
    ネットの怖さというか描写というか意味のわからない言葉というか、とにかく恐ろしい形相と背景が頭から離れなくて、実は怖すぎて泣いちゃったところもあります。

    現代的な思考で理解できなくもないけど、もう絶対読みたくない。というか家に置いておきたくないのですぐ母に返しました。

    ちなみに本自体は白黒でものすごくかっこいいです。

  • 男が殺される。
    周りの苦悩

  • 平凡な日常を送っていた筈の会社員沢野良介は、
    ある日突然行方不明になってしまう。
    その直後から、犯行声明付きのバラバラ遺体が全国で
    見つかり始める。良介が不明になる行方直前に会っていたのは
    兄でエリート公務員の崇。当然のように容疑者として
    疑われてしまうが…。

    『……言葉っていうのはね、どうも、不自由にしか遣いこなせない時よりも、
     巧みに易々と遣いこなせている時の方が、本当に痛烈に人を裏切る
     ものなんじゃないかっていう気がする。これは呪わしい実感だね。…』

    物語は、キャラクターの生活を描くところから
    始まっている。夫婦感での事、子供の心配、
    両親が抱えている問題…個人から見る
    人物描写や個人の見解等がきめ細かくて、読んでいると、
    自分の中でキャラクターが生暖かく立ち上がってくる
    のを感じます。で、物語自体に生々しさを帯びてきた
    頃に、バラバラ遺体の出現。上下巻で上巻は
    兄・崇に疑惑の眼が向けられるところで終わってるんですが
    ここまでくると、もう続きが気になって仕方ありません。

  • 気に見え隠れする悪魔が怖い。下巻での展開が気になる。

  • 【図書館】

  • もう最初から雰囲気が重い。何かよくない事が次々起こりそうな伏線が随所に感じられる。ああ、このいじめ、いやだなあ。きっと書き手に実力があるからなんだろうなあ、こんなに悪意が漂っているのは。今はこの手の本を読むのが耐え難いので、途中断念。

  • ニコ生

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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