決壊 下巻

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 578
感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260089

感想・レビュー・書評

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  • 平野啓一郎初読み。
    理屈っぽい文章も、終盤までは物語の展開に引っ張られ、気にせず、一気に読めたけど、終わり方が中途半端で微妙・・・
    ここまで破壊したなら、破壊した世界のまま終わって欲しかった。

  • 現実になる悪夢。壊れた、幸せ、平穏。
    暴力、血、死。
    致命的なエラーは何故発生するのか。

    読んだ後まで、感情が揺さぶられ続ける作品は久しぶり。

  • う〜ん。なんという感想を書けば良いのか・・・・

    長かった。いや〜長かった。やっと読み終えました。

    ちょっと後味の悪い疲れを感じています。

    決壊とは堤防などが切れて崩れることって意味ですが、

    人間が壊れていく、崩れていくような感じで、怖かったですね。

    インターネット上のつながり、バラバラ殺人、兄弟間の妬みや僻み感情などなど

    今の世の中に蔓延しているものが「これでもか〜」って出てきます。

    人間って怖い。犯罪を犯す人も怖いけど、それを取り巻く人間も怖い。

    この本の中のどの登場人物にもなりたくないし、共感できない。

    でも、もしかしたらなってしまいそうで・・・怖い。

    どうも私は苦手な内容でした。

  • 「赦すっていうのはね、結局、終わらせることじゃない?
    ・・・・・・忘れることが出来ないなら、赦して終わらせるしかない。---赦しという行為に、
    崇高な価値が与えられているのは、どう考えても赦される側の人間のためじゃない。
    赦す側の人間のためだよ。生存の秩序維持の観点に立つなら、社会は殺人から
    ひとつの歴史的教訓を得て、被害者の死を無駄にせずに済むと納得出来たなら---
    その損害に相当する何がしかを回収できたら、赦しを与えるだろうね。それで、個人の
    実存的な不安も一緒に鎮められる。犬死というのはないんだ、とね。……」

    「……殺人者の側の事情で、赦しのタイミングを決めるだなんて、馬鹿げた話だよ。
    まったくね!そんなことが、死者の死を止めないことは、誰にでも分かっているじゃないか!
    遺族の喪失でさえ止めることが出来ない。だからこそ、赦しはそれ自体、崇高な価値なんだよ!
    人間の偉大なる選択として、決断として、赦しに敬意が払われないとするなら、遺族はどうやって、
    憎しみ続けるという、生のこの際限もない消耗を終わらせればいい?……」

    弟・良介を「悪魔」に無残に殺され、容疑者として厳しい取調べを受けた崇。
    良介の死、父の自殺、「悪魔」から送られてきた良介殺害時のDVD、
    良介の骨箱を離そうとしない、おかしくなりつつある母…。
    様々なものが、崇を蝕んでいく…。


    「決壊 上」から引き続き、下巻です。
    物語はさらに熱を帯びて進んでいきます。
    崇というキャラクターが元から持つ冷静さ、頭の良さが
    かえって、崇はどうにかなってしまうんじゃないか?と
    不安にさせられたり…。
    特に後半、崇が海辺でみる白昼夢が怖かったです!
    ものすごく沢山の事柄が詰め込まれていて、
    読み終わったけど、まだ全部飲み込め切れてない感じ。
    もう一度読み返したい。

  • 2009.8
    難解すぎて、ぐったり。
    でも止められなくて上・下と2日間で読んでしまった。
    答えはきっと出ない。

  • 090724

  • 7月21日読了。

  • 怖すぎ
    恐ろしすぎ
    気持ち悪い
    描写がうますぎるから???

  • 悪魔が畳み掛ける言葉は、吐き気を覚えた。その感覚は2008年の秋葉原事件をケータイで撮影する姿を見たときと同様。前後して、この本が出版された。また、神戸事件を示唆しているが当時、村上龍は『イン・ザ・ミソスープ』、宮部みゆきは『模倣犯』を執筆連載し、現実と虚構が混濁。読み比べてみるとアプローチがまったく違う。殺人の動機、死刑制度、罪の重さなど、脳内では色んな問いかけをしてきた。

  • 【図書館】
    バラバラ殺人を中心に据えて、
    崩壊していく家族と、社会を描く物語。

    「日蝕」に挫折して以来の平野啓一郎。
    出だしは、ちょっと修飾過剰の描写が鼻についてもったり気味だけど、
    事件発生からラストまでは一気呵成。
    後味は、やるせない感じ。

    ひたすらに耐え続けることを強いられる崇が、気の毒。
    持ちこたえて欲しかったけど、英雄譚じゃないからなあ。

    彼が沙希に対して心情を吐露する場面とか、
    クリティカルなダメージになる場面とか、
    彼に対してコンプレックスを持っていた弟の良介と、彼と、
    どっちが幸福だったのだろうと考えさせられる。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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