どこから行っても遠い町

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1048
感想 : 206
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104412051

感想・レビュー・書評

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  •  川上弘美さんは、趣味に合わないなんて、長らく思っていたけれど。
     だれもが絶賛する「先生の鞄」もいまいち楽しめなかったし・・・。

     でも、これはとてもよい。しっとりと川上ワールドにひたりました。読むのをやめたくないような楽しみ。終わりが近づくのが残念なほど。

  • とある町の商店街を中心にそこで暮らす人々が、話の主人公になっている短編集だが、登場人物が、重なっているので、全部つなげてひとつの話になっている、と思う。「争いをさけて、あつくならず、一歩引いて」というようないつもの女の人が主人公のが多かった中で、男の子が主人公の話は新鮮で良かった。谷内六郎の表紙がまたいい。

  • 感想
    なんとか均衡を保つ日常。何が起きているのか、何があったのか。僕たちには知る由もない。だがそこには必ず物語がある。僕だけの物語も見つかる。

  • 11個の短編集。なんだけど、それぞれの話には微妙につながりがあって、一方の短編は違う人の視点で書かれていたりして、ちょっと面白い。
    ただ、個人的にはあんまりハマれず、短編って苦手なのかも。。。

  • 連作短編集。同じ町で暮らすひとびとの、時代も行き来しつつ、少しずつ交錯する人生を淡々と描く。

  • 少しでも感情が動くのはすごいことで、
    だからこそ怖いことだと思う。
    単純な好きも嫌いもない。
    いろんな感情が複雑に絡み合って、
    その感情も一つの方向にだけ向いてるわけじゃない。
    自分自身でも感情を捉えるのは難しいと思う。

  •  連作短編。なんかやさしい感じね。

  • なんていうか、いつも、怖い話を書く人だな。
    人間の本質みたいなものを見る気がする。説明できない、感情とか行動とか。ぼんやりと自分の影が映る暗い淵の中を覗くような。

    川上未映子の、ゆるゆるとアル中になっていく女性を描いた小説を思い出した。

    この本に収められた11篇の短編は、それぞれにすこしずつ重なり合っていて、同じ人や同じ出来事も、主人公が変わればそれぞれにちょっとずつ変わって見える。それってすごく、普遍的な、世界の成り立ちだよね。

    どの話も全然共感できないし好きじゃないのに、なんだかすごく、引き込まれるのは不思議。
    そして、漂う昭和感。

  • なんとはなしに読んでいたけど最後2ページ、滔々と続く独白が急に説得力を持って心に沁み込んできた。
    自分的には珍しい体験ができた。

  • なんだか、出てくるどの人も寂しそうだなぁ、と思いました。
    儚さのある文体で、お話もはっきりとした結末を迎えるのではなく、余韻を残す終わり方。好きな人は好きだろうけど、私の好みではないかな~。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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