- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104412051
感想・レビュー・書評
-
川上弘美さんは、趣味に合わないなんて、長らく思っていたけれど。
だれもが絶賛する「先生の鞄」もいまいち楽しめなかったし・・・。
でも、これはとてもよい。しっとりと川上ワールドにひたりました。読むのをやめたくないような楽しみ。終わりが近づくのが残念なほど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とある町の商店街を中心にそこで暮らす人々が、話の主人公になっている短編集だが、登場人物が、重なっているので、全部つなげてひとつの話になっている、と思う。「争いをさけて、あつくならず、一歩引いて」というようないつもの女の人が主人公のが多かった中で、男の子が主人公の話は新鮮で良かった。谷内六郎の表紙がまたいい。
-
感想
なんとか均衡を保つ日常。何が起きているのか、何があったのか。僕たちには知る由もない。だがそこには必ず物語がある。僕だけの物語も見つかる。 -
11個の短編集。なんだけど、それぞれの話には微妙につながりがあって、一方の短編は違う人の視点で書かれていたりして、ちょっと面白い。
ただ、個人的にはあんまりハマれず、短編って苦手なのかも。。。 -
連作短編集。同じ町で暮らすひとびとの、時代も行き来しつつ、少しずつ交錯する人生を淡々と描く。
-
少しでも感情が動くのはすごいことで、
だからこそ怖いことだと思う。
単純な好きも嫌いもない。
いろんな感情が複雑に絡み合って、
その感情も一つの方向にだけ向いてるわけじゃない。
自分自身でも感情を捉えるのは難しいと思う。 -
連作短編。なんかやさしい感じね。
-
なんていうか、いつも、怖い話を書く人だな。
人間の本質みたいなものを見る気がする。説明できない、感情とか行動とか。ぼんやりと自分の影が映る暗い淵の中を覗くような。
川上未映子の、ゆるゆるとアル中になっていく女性を描いた小説を思い出した。
この本に収められた11篇の短編は、それぞれにすこしずつ重なり合っていて、同じ人や同じ出来事も、主人公が変わればそれぞれにちょっとずつ変わって見える。それってすごく、普遍的な、世界の成り立ちだよね。
どの話も全然共感できないし好きじゃないのに、なんだかすごく、引き込まれるのは不思議。
そして、漂う昭和感。 -
なんとはなしに読んでいたけど最後2ページ、滔々と続く独白が急に説得力を持って心に沁み込んできた。
自分的には珍しい体験ができた。 -
なんだか、出てくるどの人も寂しそうだなぁ、と思いました。
儚さのある文体で、お話もはっきりとした結末を迎えるのではなく、余韻を残す終わり方。好きな人は好きだろうけど、私の好みではないかな~。