- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104472031
感想・レビュー・書評
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出た当初はレビューなんかであまりいいこと書かれてなかったので躊躇していたが、これはおもしろい。
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語られている内容は一貫して親、影響を受けた作品、嘆き、この三つ。本人曰く、幼少期に観たB級映画に影響されてこんな人生になってしまったということらしいが、書いてある内容もまさにB。話に一貫性はなく、猥雑な内容と、なんでこうなってしまったんだろうの自虐がほとんど。しかし、読む方も読む方でそれを求めて読んでるわけだから、エクスプロイテーションに変わりないと思う。読者は全て、中原昌也の手の内で転がされていると言ってもいいのでは。ただ誤解が無いように言うと、本当におもしろい本です。特に「第五夜 暴力温泉芸者は高校四年生」マンションの管理組合の話は大笑いしました。図書館で借りて読んだのだけど、新品を買ってもう一回読みます。表紙がかわいい。
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タイトルからして出オチで、本屋の新刊コーナーに置いてあるのを見たとき、反芻して変な笑いがこみ上げてきた。
今回のこれは、インタビューの口述筆記か何かだろうか。それとも、あえてそういう文体で書いたのだろうか。どっちにしても本人の苦痛からすれば同じことなのだろうけど。
「書きたくて書いているのではないことしか書きたくない。どうしてそれが分かってもらえないのか」と、相変わらずの調子だ。
彼の作品や態度に嫌悪を抱くのはたやすい。しかし多くの人はその嫌悪するものの正体をつきとめることなく、彼や作風のせいにしてしまう。
共鳴してしまうことを恐れるのだろう。しかしその「恐れ」が嫌悪のターゲットになっているもので、それを生み出しているのはあなたであり、私であると、早々に気づかなければ本など読む意味はない。
中原氏にとっては皮肉なことだが、僕はこれからも彼の本を読みたいと思っている。