- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104506019
作品紹介・あらすじ
インカ帝国を滅ぼしたスペイン最強の武器は「文字」だった!文明の衝突に挑むマジックリアリズムの超新人デビュー。第13回日本ファンタジー大賞『太陽と死者の記録』を改題し刊行。
感想・レビュー・書評
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神話のよう。
少し読みづらさは感じたものの、慌てずじっくりと読ませて頂きました。うまくいえないけれど、圧倒的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の但しを見ると、大賞を取った作品を加筆して仕上げた本とのこと。
インカの風習に興味がありワクワクして読み始めたが、全体的に詰め込みすぎて、にわか知識しか無い私が読むと良さが薄められてしまう印象。
最後の展開は意外だったので良い読後感が得られた。
加筆前の作品を読んでみたい -
アンデスの風土、インカの文化。勉強になる。物語の展開も見事。著者が伝えたいと思っている歴史・思想・イメージは、一つの小説に盛り込むにはとても多くて複雑で、しかし、それを力業でまとめあげて、読者を物語の最後まで連れて行ってくれる。
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私にとって馴染みのなかったインカ帝国とその滅亡の歴史は興味深かったです。
文字に対する挑戦という意欲的な作品だとは思いますが,
痛々しい描写があったり,文章が抽象的で分かりにくく,好きな物語かというと…。
最新作からこの著者の作品を遡って読んでいますが,
文章も最新作の方が熱くかつこなれていて,好きです。
これからが楽しみな作家だと思います。 -
死者が当たり前のように、生きているものと同じように語り、インカの習わしを伝えていくところがマジックリアリズムっぽいのですが、ガルシアマルケスやボルヘスみたいにわかりにくい表現はなく、日本人にもすんなり受け入れられる内容です。
インカ帝国を題材にした小説なんて、そうそうないので、インカ帝国などの古代文明に興味がある人にはオススメします。
解説書読むより、生き生きとして、楽しめます。 -
これを読んだときこのあたりの地域にも歴史にもまったく無知で、興味もなかったけれど、わからないなりに面白く読めた。
でもどんな話だったか覚えてない。
物語というよりは知識を楽しむような感じ。 -
ぐっとくる
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文字を持たず、死者はミイラとなって生者と会話する、謎に包まれた文明、インカ。
アンデスの小さな村で、キリスト教会で雑役をこなす少年アマルは、巡察使が村にやってくるのをきっかけに、村の大祖であるミイラのワマンから、かつて太陽王が君臨した世界を、その世界を貧り尽くそうとした侵略者と彼らが信仰する神の物語を聞く。
南米、ことにペルーをはじめとするアンデスには興味があって、いくつかの書物に目を通していたから、物語が史実や文化を忠実にトレースして語られているのがわかった。
ただ、その前知識がまったくなかったら、頻出する名詞や、独特な文化をすんなり受け入れて読み下せたかは不明だ。
あまりにも深く精緻に細部まで語り尽くそうとするあまり、フィクションとしてひどく不親切になっている気がする。
インカを知るには、非常に便利な一冊であることは間違いない。そして、確かにファンタジーでもある。
ただ、読み物として単純に面白いかというと疑問だなぁ。 -
なじみの無いインカ帝国を題材にした小説。
ずっと回想の形が続いて、それならいっそ過去を本編にしちゃえばいいのにとか思った記憶が・・
歴史の勉強にもなった。