- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104555062
感想・レビュー・書評
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<span style="color:rgb(255,102,51);">【昭和二十三年、上野署の巡査となった安城清二。管内で発生した男娼殺害事件と国鉄職員殺害事件に疑念を抱いた清二は、跨線橋から不審な転落死を遂げた。父と同じ道を志した息子民雄も、凶弾に倒れ殉職。父と祖父をめぐる謎は、本庁遊軍刑事となった三代目和也にゆだねられる……。戦後闇市から現代まで、人々の息づかいと時代のうねりを甦らせて描く警察小説の傑作。】</span><BR><BR>
上巻ではちょっと退屈にさえ思っていたんですが、下巻で急に展開が速くなります。
そこで、上官の説明的文章が人物像を知らしめるため必要な部分だったことがわかります。<BR>
3代続いた警官の家系。祖父、父の追っていた事件の謎の真相を突き止めた和也が現実と建前をどう折り合いをつけて警官として生きていくかを決めていく最後は一気に話が進みます。<BR><BR>
上巻だけでやめなくてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三代目が警官になった時には、時代は平成で。
あ、あの事件のことね、ってわかる内容も多く、入り込めるのですが、
全体的に昭和の雰囲気を感じながら読んでました。
何でだろう?
警察小説って他に読んだ事ないのですが
たぶんこれっておもしろいと思う。
よくよく聞いたら『このミス』の大賞でした。
納得! -
親子3代にわたる警官の話。
2代目の途中から3代目まで。
すごくシブかった。
話の最後まではあっけなかった気もするけど、それぞれの警官になるまでとなってからの過程がよかった。 -
07/12/29〜07/12/31読了。親子三代に渡る警察官の話。読み応えあります。
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警察官3代各人が事件を解決するなか初代の無念が末裔で明らかにされる。戦後の第一線警察官に対するオマージュ的作品。
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孫になってはじめてわかる色々な真相と、それに立ち向かう孫自身の葛藤が最後に嵐のように降ってくるのがすごかった。眠りたい時間を越えて読みきってしまいました。確かに大賞に薦められたのも判る気がします。
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■2008年1月読了
■上巻参照 -
上下2巻ですが、すっと入り込んで一気に読めました。さすがは佐々木譲。文体にゆるぎないし、ストーリー展開も巧いです。親子3代に渡る警視庁警察官の話しなのですが、戦後から現代までの世相を絡めたストーリーが巧みで、しかもそこに祖父の死、父親の死という謎解きを絡めて非常に面白かったです。話が唐突に飛んでたりする感じがあるかもしれませんが、全てがラストへの伏線になっていたりするので気をつけるべしです。非常に面白かったが、これが今年のこのミス国内編の1位だったんですかね?1位は高すぎるかなと思いますが、佐々木譲はここ数年非常にレベルの高い作品を書いているので、合わせ技1本という感じですかね。けど、普通におススメ。
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戦後闇市から全共闘、そして現代まで、警察官三代の人生と時代の翳を描いたという作品。一代目の死の真相解明が、二代目から三代目へと引き継がれていく過程で、登場してくる警察官それぞれの生きる位置の違いが浮き彫りにされてくる。警察官としての倫理観、善と悪の境界線はどこにあるべきなのだろうかと考えさせられた。
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とっても深くておもしろいです。色々な要素が複雑に絡み合って見事に大きな一つのお話になってます。読み終えた後、ようやく『警官の血』というタイトルの深みに気が付きます。まさに、警官の血って感じです。
他にも、戦後から現在にいたるまでの世相なんかも描かれててとってもおもしろく読めます。戦後戦後と一口に言っても色々な出来事があったんですよね。戦災孤児や過激派左翼が起こした事件等々、読んでいるだけでも戦後から現在までを生きてきたような臨場感です。とにかく、最高ですっ!!