迷宮

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 538
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104588053

感想・レビュー・書評

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  • 全体的な感想は、あまりに暗すぎて私には辛い読み物でした。
    深層心理?そんな発想もあるかもしれないけれど、とりあえず今の私には趣味じゃないとしか言えません。
    共感はとてもできません。

  • 鬱々してしまった。誰でも暗い部分を抱えてるものだけど、ここまで全面に出ちゃう人は、私はちょっと受け付けない。主人公の中に住んでたRの存在がすごく気になった。

  • 家族が殺されて娘ひとりが生き残ったら。
    いやん、耐えられない。
    周囲の対応にもピリピリしなければならない毎日かと思うと余計に。
    そんな事件になぜかのめり込んでしまうなんて。
    まぁ、謎めいていれば興味がわくのはわかるけれど。

  •  1人の女性に関わっていく新見の様子は、のめり込むでもなく、落ちるでもなくて「受け入れる」という感覚でした。そこに至るまでの彼の様子にも暗さや重たさはなくて、ただ「冷静さ」を感じます。
     登場してくる人物たちもみんな胡散臭く、ミステリー色もあって面白かった。読み終わったときは、今までの中村作品に無かった「安堵」を感じました。作中の雰囲気は今までとずいぶん変わったと思いました。

  • 密室状態の家で両親と兄が殺され、小学生だった彼女だけが生き残ったその事件は「僕」が12歳の時に起きた。「僕」は事件のことを調べてゆく。「折鶴事件」と呼ばれる事件の現場の写真を見る。そして…。巧みな謎解きを組み込み、エンタテインメントをのみ込む、渾身の長編。
    生き残った女とはバーで知り合う。中学が同じ。探偵から声をかけられる。
    彼女の前カレが使い込みをして失踪。彼女の過去も教えてくれる。
    ベランダの大きい鉢植えに死体がないか確認を依頼。断る。次回彼女の家を訪ねる時に伝える。掘るが何も出てこない。折鶴事件の担当者に隠された事実を聞きにいく。美人の妻に異常な嫉妬をする夫。それが原因で兄はニート。妹に肉体関係を求める。これ以上やったら両親に言う。家は監視カメラだらけ。なのに誰も家に入った形跡なし。実は裏口のカメラは細工していた。近所で空き巣事件発生。空き巣が入れるようにドアを明けておく。
    女の告白。空き巣が入ってきて両親を縛る。兄を両親を殺し自殺。
    しかし納得できない。
    予定通り空き巣が入る。両親は縛られる。兄も殴られる。
    空き巣がいなくなった後、兄が両親を包丁で殺す。母を全裸にして折鶴をまく。
    証拠となるものは燃やす。燃えカスは埋めた。すべて予定どおり。
    勃起した陰茎を見せられる。射精され洋服にかかる。
    睡眠薬を上げるふりをして毒を飲ませる。
    兄は精神病。箱庭と殺害現場は全く同じ。
    女と結婚。
    弁護士事務所はクビ。不倫の弁護士にリストラを相談されていたが会話を録音し訴えようとしていた。

  • いつもと雰囲気が違いますな

  • 弁護士事務所で働く新見が沙奈江と知り合う.彼女はある事件で父母と兄を殺された.その事件の真相を探る物語だが,心理描写が面白かった.

  • こういう心理的なやつはスキ。全体的に重苦しい雰囲気もスキ。

  • 今までで一番明るい印象。
    文則さん読んでて特有の胸がつまる感じはなかった。
    迷宮入りのはずだった事件が、徐々に輪郭を帯びていくのが気持ち良かったからかな。
    なんやかんや結局2人で珈琲を飲むという日常にもホッとしてしまった。単純。

  • 読み終えた夜の夢にうなされました。
    深層心理に訴えるものがあります。

    ラストの一歩手前までは☆5こでしたが、エンディングはなくてもよかったかも。でもそれでなんとかこっちに戻ってこれたかな。

    作者のお体が心配になったりします。

    これからも注目です。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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