なぜ君は絶望と闘えたのか

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104605026

感想・レビュー・書評

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  • 「(司法が少年法で裁けないなら)この手で犯人を殺します」慟哭の記者会見で世に知れた光市母子殺害事件の遺族、本村洋さんを取材したノンフィクション小説。
    長年による丁寧な取材、被害者や遺族のおかれた立場、法の矛盾、死刑制度とは、さまざまな問題に真正面から立ち向かった魂の記録。
    ブログにも少し書いています↓
    http://shiduku.cocolog-nifty.com/heart/2012/03/post-d6e3.html

  • テレビで見る被害者の彼の率直さ、明瞭さが心に残っていたので購入してみた。どんなにひどい状況で殺されてしまったか、どんなに裁判もマスコミも慣例に縛られているか、またそれを私たちが鵜呑みにして当たり前と思っていたかはっとした。そんなおかしな状況に被害者の彼がまわりとともに奮闘し続けた記録。ただ慎ましく暮らしていた家族を襲った容疑者のどうしようもない救いのなさに人間の悲しさを見てしまった。日本はまだ法治国家なんだな。

  • 壮絶.犯罪被害者や死刑制度を考える上で読んでおくべきだと思う.

  • さかきばらにせよ、本村さんの件にせよ、
    日本で起きていることは、異常であり、
    ふ懸念すべきは、それを異常だと認識出来ない感覚や心にあり。
    死刑により加害者に反省の念が生ずる。
    だからこそ死刑の存在意義はあると言う。
    仕方のないことのような気もするし、
    そうでないと思いたい気持ちもある。
    いずれにせよ、責任の所在は、環境にも自分自身にもあり、
    極端な同情姿勢を示すのは危険だし、その逆も然り。

  • 光市母子殺人事件については「酷い事件だな」というぐらいの認識でした。
    たまたま本屋でこの本を見かけ、心揺さぶられるものがあって購入しました。

    読み進めるうちに、自分が如何に「死刑制度」や「少年法」について無知で表面的にしか理解していなかったかを反省しました。

    「司法に絶望した。早く被告を社会に出してほしい。私がこの手で殺す」、この発言に至る木村さんの無念さ、周囲の人々の厳格な優しさ、そして彼の強さ、本を読んで泣いたのは初めてでした。

    ぜひ全ての人に読んでほしいと思います。

  • 1999年の光市母子殺人事件で司法と闘った本村洋氏の物語である。官僚化した裁判官、自分の主事主張のためには事実をも歪めようとした安田好弘と足立修一弁護士。そして最近の検察問題と日本は立法、行政を含め司法も信用できないのか。

  • 言葉が出ないドキュメンタリー。日本の司法の被害者遺族に対する問題点が大きく取り上げられる契機となった事件を克明に追っている。もし、自分が木村さんの立場にたったら、ということを深く考えさせられた。

  • 光市母子殺人事件の被害者遺族の本村さんが歩んできた元少年への死刑判決までの軌跡を裁判の様子やインタビューを踏まえて記述している。

    実は同い年で大学が同じという境遇である私は、何か身近で起こっていることのように思えてこの本を手に取った。

    遺族の感情は私の想像を絶している。死刑について改めて考えさせられる一冊。涙なしでは読めない。

    本の最後に死刑確定後に元少年にインタビューしている。彼は死刑という判決が出た後にようやく人の死を理解しようとしたように読みとれる。これが真実ならば、遺族も少しだけ救われるのではないだろうか。

    ただ、ドラえもん報道なり、魔界転生なり、ただ単にわからないから批判する前に、真実は何なのか?が結局見えなくなって死刑判決に至ったような気がして、元少年には何が見えていたのか、それを知りたいと感じた。
    加害者弁護団から出ている本も読んでみようと思う。

  • 当事者の心境の変化が丁寧に表現されている。

    本村さんの強さには心から感動した。また、被害者救済制度についての小泉元首相の電光石火の対応は見事。

  • 光市母子殺人事件の実話。是非読んでほしいです。

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著者プロフィール

作家、ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。『週刊新潮』編集部記者、デスク、次長、副部長を経て2008年独立。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『日本、遥かなり─エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言』(講談社文庫)、『汝、ふたつの故国に殉ず』(KADOKAWA)、『疫病2020』『新聞という病』(ともに産経新聞出版)、『新・階級闘争論』(ワック)など。

「2022年 『“安倍後”を襲う日本という病 マスコミと警察の劣化、極まれり!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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