- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104689064
感想・レビュー・書評
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「筆頭展開アンド・アウェイ」「冷蔵庫を抱きしめて」「アナザーフェイス」「顔も見たくないのに」「マスク」「カメレオンの地色」「それは言わない約束でしょう」「エンドロールは最後まで」の8篇。
どれも結構面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相性がピッタリな夫との幸せな新婚生活のはずが、些細な食習慣のズレから過去の摂食障害を再発させてしまう『直子』。-誰かこれに鍵をかけてくれればいいのに-表題作を含む悩める男女の短編集。
恋愛、ホラー、心の病など様々なテイストの短編八編。ただどの話にも多かれ少なかれ『食』が入っているかな。
スッキリしたハッピーエンドはなかったけど、希望のありそうなラストが多かったので後味はそれほど悪くはない。表題もそうだが、密かにボクシングを習ってDV男に対抗する「ヒット・アンド・アウェイ」はスカッとした。
ただやっぱり手放しのハッピーエンドが読みたくなって、ラストの「エンドロールは最後まで」の主人公には幸せになってほしいと切望したのだけれど・・・だが、どっちに転んでも、きっと彼女は後悔はしないだろうと感じた。
主人公が男性も女性のものもあったが、特に、男性作家さんでありながら女性目線に違和感を覚えさせないのはさすがだと思う。 -
短編集だけど 掴まれた
最初が男運の悪い女性が ふとボクシングに取り組む
DVに対応するためだけど ニヤリとしてしまう
最後は 結婚しないと決めた女性が
偶然ナンパされて その男性と付き合い始める
男を疑いつつ 付き合った結末が
楽しめる本でした。丸 -
最後の作品でちょっと救われた
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ん〜不思議な短編集。
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1編が15分程で読める、あっさりめの短編集。題材はその辺によくある日常風景の一つで、なのに「そうくるか」という鮮やかな展開が面白い。展開が分かっても特に面白く読み返せたのは「ヒット・アンド・アウェイ」と「カメレオンの地色」の2編。人が守りたいもの、尊いものが、それと露骨に示さずに話の内容から伝わってくる。
爽快、共感、皮肉、各話から感じる味が様々で、1冊で何度も美味しい短編集だった。 -
「ヒット・アンド・アウェイ」が始まり方が嘘のように気持ちの良い終わり方で良かった。ほっとした。「それは言わない約束でしょう」の心療内科医師や、「エンドロールは最後まで」の心療内科の診察券を持つ男性には戸惑って、でももやもやするより引き込まれた。どの話もどこか軽やかで楽しめた。奥田英朗さんの伊良部先生シリーズを連想したりした。
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現代人の心の闇を描いた短編集。特に女性主人公の作品の描写が自然で、この作家は女性か?と一瞬思ってしまった。他の作品も読んでみたい。