ハリネズミの願い

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105069919

感想・レビュー・書評

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  • 自分のハリが大嫌いなハリネズミ。‘臆病で気難しいあなたのための物語’に興味を持ちました。

    いくら手紙を書いてもそれを出さなければ相手には何も伝わりません。出せない臆病な気持ちはわかり過ぎるほどわかりますが、自分から何もしなければ周りが変わる事もないと。気難しいという事も他人からはわがままにしか見えないかもしれませんし。

    最後の最後にリスはなぜ訪ねて来てくれたのでしょう?リスはただなんとなく、だれか訪ねて来たらハリネズミが喜ぶかと思ったからと言っていましたが。
    リスと過ごした‘時間が止まればいいのに’と思えるほどの気持ちや、リスからの手紙の「また会おうね!」の言葉を忘れずに。二人はいつか親友になれるといいですね。
    たくさんいる友達も大切だけれど一人の親友も大切。煩わしさを我慢してまで社交的になるのも辛いですが、ずっと孤独でいるのも寂しいです。ハリネズミのジレンマですね。

  • 以前に読んだ「きげんのいいリス」と同じ動物たちのシリーズ。
    ハリネズミが私に思えて、最後の最後までハリネズミに幸運が訪れますようにと祈った。最後、ハッピーエンドでよかった……。リスさんありがとう。
    あれもこれもとまだ起こっていなことを心配して諦めてしまうハリネズミ。それがずっと続くので、人によってはつまらないと思うかも。
    心配性の方はハリネズミにすごく共感して、読むのつらくなるかもしれない。でも、最後までぜひ読んで、そして「きげんのいいリス」へと進んでほしい。
    でも、「きげんのいいリス」から先に読んでも全然問題ありません。

  • 誰かを招待したいハリネズミだがあれやこれやと考え過ぎが災いしてなかなか手紙を出せない。
    頭の中で色んな動物がきたらと想像しては悪いことかしか浮かんでこない。
    そんな考えが堂々巡りしてしまう。

    自分に自信がなくて誰かに受け入れられるか不安になるのは解る。自分もそうなりがちだが、このハリネズミはこれでもかというくらいネガティブ。
    正直読んでてイライラするレベル

    ネガティブもほどほどに

  • 誰かに会いたいんだけど、会いたくない。誰かと一緒にいたいんだけど、1人でいたい。
    子供の頃は家族と暮らしていて、寂しいという感情をよく掴みきれていなかったように思う。
    大人になり、1人で暮らしているとやっぱり寂しさを感じる時はあるし、誰かと一緒にいたいと思う。
    でも、全てが自分の思うように楽しくなるわけでもない…と思ってしまうこともある。
    行動する事は大切で、行動するのにもきっかけが必要。きっかけは周りの人たちの親切で与えられるものでもある。
    そんな嬉しい経験を積み重ねていけば、ハリネズミの願いもきっと叶うのではないか。
    ハリネズミ、応援しているよ。

  • 読み進めていくなかで、もし○○だったら....に辟易し始め、もしかしてこれ延々と続くの?と思い、結論が読みたかったので途中は飛ばして読了。
    うん、やっぱりそうだった。最後にバケモノがやってきて、翌日予期せぬ訪問だったリスをうっかり招き入れてしまったの。いつもなら居留守にするのに。ここ読みながら、ゲド戦記1「影との戦い」が思い出されて気になって仕方がなかった。これももう一度読んで繋げようと思います。
    つまりユングでいうところの影を受け入れたからの統合なんだろうけど、ゲドを読んだときはまだ自分の感覚でつかみきれなかったけど、いまならわかりそう。

  • 孤独とは。
    誰かに訪ねて来て欲しい。でもだれも訪ねて来なくて良いと思い込みたい。もどかしいけど、愛おしい、ハリネズミの物語。

  • ハリネズミのこの気持ち、よくわかるなぁ。
    一緒にいて心地いい誰かと巡り合って、楽しく過ごしたい。
    でも、自分じゃ力不足だし。ひどい器量だし。
    どうせ・・・。
    どうせ・・・。
    けっきょく「ひとりでいいや」。
    でも、「ひとりはさみしいな」。
    そんなふうに思っているのは、わたしだけじゃなかったんだね。
    子どもの頃はすぐに打ち解けられたのに、なんでどんどん臆病になっていくのだろう。
    人間関係にまったく疲れない方が、わたしは本当にうらやましい。

    この本を読んでいて、いくつか気づかされたことがある。それは、良いところも悪いところも含めて、ありのままの自分をまず受け入れること。そして、「Here and Now」がすべてだということ。起こってもいない未来のことをあれこれ考えて恐れるのはやめて、「今、ここで」に意識を注いでチャレンジしてみたいなぁ、と思った一冊だった。

  • 臆病が度を超えてちょっと笑えてきたけど、こういうことあるよなあと思った。前評判がめちゃめちゃ良かったので最初のハードルが高すぎたみたいで思ったよりは普通かもと思ってしまった…
    友人に誘われてないから自分も誘わないんだ、みたいな描写があったけどこれって自分にも言えるなあと思いました。人と会いたいなら受け身じゃなくて自分から誘わないと進展はないんだと思いました。

  • 臆病なハリネズミが手紙を出して、ほかの動物を自宅に招こうとするお話。でもコンプレックスのはりが、なかなかその勇気を出させない。
    想像の中で訪問した動物を考えては、悩む
    想像力の豊かなで、いろんなイメージを持ちながら読める本だった!

  • いまさらながら2017年本屋大賞翻訳小説部門1位作品を図書館より拝借。予約もなく余裕で借りられたってことは、翻訳部門はそんなに影響ないってことなのかな、毎年。苦手な翻訳本に自信をもつにはいい作品でした。ふと考えた。世の中に、なんだかいつも誘う側の人と、どちらかといえば、自分か何にもしなくても周りから誘われてばかりいる人がいる。これ、しかたないけど事実。自分はどちらかといえば前者で、ふと、本当に考えることもある。自分から誘わなかったらどうなるんだろう、って。自分が誘うことをやめたら、だれも自分のことなんか誘わないんじゃないかって。それは少しさみしいことだけど、自分を知るにはいい機会かも、なんてまさに、ハリネズミの心境ぢゃないですか。まあハリネズミほどの妄想はしないけどね。ハリのことぐらいは考えるかもしれない。このハリは、自分にとってなんなんだろうかってね。ラストは意外にあっけない感はありましたが、なんだろう、生きてく上の妄想や悩みや思い込みって、あまりにもフツーで、素朴なことや存在に、いとも単純に救われるものかもしれません。

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著者プロフィール

1941年オランダ南部の島に生まれる。アムステルダムで医師として開業。『ハリネズミの願い』で本屋大賞翻訳部門受賞。ほかに『きげんのいいリス』『リスのたんじょうび』『おじいさんに聞いた話』など。

「2020年 『リスからアリへの手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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