コレラの時代の愛

  • 新潮社
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本棚登録 : 1161
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105090142

感想・レビュー・書評

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  • 医術がまだ公共心がなく、祈りや呪いに近かったときの話 熱病にうなされたとでも言うような病的な執着は愛と呼べるのだろうか 最初の一節を暗記したい

  • 読みかけて放置してたのが嘘みたいに一気読み。
    村上RADIOで村上春樹さんがいま読み返しているって言われていたので、お揃いにしようと思ったわけですミーハーなので(笑)
    しかし、これはめちゃくちゃ面白い小説でした! 百年の孤独も面白かったけど、あれは人間というよりマコンドという土地の記憶の物語だと思ってて、今回のコレラの時代の愛はフロレンティーノ・アリーサがある意味ストーカーのように51年9ヶ月と4日待ち続けた初恋の相手フェルミーナ・ダーサへの愛の物語なわけだけど、フロレンティーノ・アリーサがめちゃくちゃ過ぎて色んな場所で笑える。とにかくひどい。フェルミーナ・ダーサに一途とかいいながらめちゃくちゃたくさんの女のひとと恋愛しまくる。黒い服ばっかり着ている細くて死神みたいな人を想像するんだけど、映画はハビエル・バルデムなんや。ちょっとイメージと違う。
    父にこの小説の内容を説明したらロマンチックやなーと言っていたので、たぶん本を読まないひとにも需要あると思う。あー面白かった。

  • 「スミスの本棚」島田雅彦さん推薦本。

  • 冒頭と最後が特に面白かった。
    南米のセレブ〜庶民の暮らしが目に浮かぶような描写力。
    でも形式も題材も全く違うとはいえ
    『100年の孤独』を読んでからだと少し物足りないので★4つ。

  • 百年の孤独と比べると驚くほど地に足ついたリアリティある物語となっている。
    愛について、1人の女性を愛し抜いた男と愛された女のほぼ一生が描かれています。

  • 50年以上にわたり一人の女性を愛した男性の人生と、その周りの人々を描いた小説。
    幻想的な作風と言われるらしい。が、南米の日常についてそもそもほとんど知らない自分には、どこまでが幻想なのか分からない。ただそういう世界として丸ごと了解するしかない。
    男女のことがらを描いた小説ではあるが、恋愛小説とは違うように思う。特に誰にも感情移入する気にならない。作中で愛と呼ばれるものの大半が、愛というより一方的な思い込みにも見える。

  • コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))

  • 人類の未来 AI、経済、民主主義 推薦図書

  • 当初の展開は爺様と婆様がいちゃつく系なのです。これ系は割と海外じゃあありなんだろけど、日本では竹取物語くらいでしか聞かんよね。作品の中でも誰かが言ってたように、この手のラブストーリーにはどういう反応をすれば良いのか分からんけども、仲良きことは美しきかな、って事で良しとしようじゃないか。
    そんな事よりこの爺様の鬼畜っぷりが半端なく、婆様に恋い焦がれて会うだけで動悸が治まらずに脱糞しかけて養命酒必須なレベルなのに、他の女の人とはやりまくりで。女の人とやるのにお金を払ったら負けかな、と思ってる、みたいなどうでも良いポリシーを持ってたり。
    という事もどうでも良くなるくらいのエピソードが最後に待ってて。中学生の何も知らない女の子をうまい事やって手籠めにした挙句に、最後には捨てて自殺させるという、しかも70過ぎてから!これまたロリコンには堪えられないエピソード故に発禁レベルじゃないの。85年作っていうから、もうバブルのおとしごっていうか。
    なんていうぶっ飛んだ展開を、ページ内に徹底的に文字を詰め込んで読ませるという。とりあえず読み切った感は得られる。

  • 流行りの既視感ある純愛映画などには「真実の愛」なんて煽り文が付されていることがあるが、結局のところ愛に真実も偽りもなく、それぞれの形があるのだという単純なことをしみじみと考えた。
    若い頃の恋を生涯くすぶらせ続け、老女の夫が亡くなった途端、時がきたとばかりに愛を告げに来る男の一生を描いている。
    といっても一途に童貞を守ったとかいうファンタジックな話ではなく(現代日本なら案外ありそうでもあるが)、多くの女性と関係を結び、時にはそれなりに愛しもしているのが意外なところだ。
    だからといって、ファム・ファタルのごとき女性への愛が薄まったというわけではない。そこが女性と男性の違いかなと思う。
    女性でも多くの男に愛を振りまくことはあるだろうけど…

    マルケスの作品の中では比較的現実的な作風かもしれない。

  • 熱病に浮かされたような初恋の、何が正しいのか分からない、消えない愛の物語。

  • いつ読み終わったんだか覚えていないけど登録し忘れていた(ショック)

    わたしこういう物語が大好きなんですよ
    「運命の人」観といい、夫婦観といい、性愛観といい
    それにひとつひとつのエピソードの愛しいこと!!
    オーデコロンで乾杯しましょうね!なんて発想どこから出てくるのかしら
    ガルシアマルケスの小説を読んだ後は自分の所作とかに敏感になっていて日々の生活の端々がとても愛しくなってしまう

    映画「セレンディピティ」の物語の鍵になっていたのもとてもしっくり 運命、情熱、タイミング

  • 人は自分の死の主人である。したがって、医者にできるのは恐怖や苦痛を感じないで死を迎えられるよう手助けをすることだ。

    人生の辛酸をなめ尽くした後、熱情がしかける様々な危険や錯覚から生じる手ひどいシッペ返し、失望の生み出す幻想を超え、愛をも超えて今は平穏な時間を過ごしていた。二人は共に長い人生を生き抜いてきて、愛はいつ、どこにあっても愛であり、死に近づけば近づくほどより深まるものだとようやく気付いた。

  • birthday present(2014)

  • 百年の孤独を昔読めずに断念したので読めるか心配だったが、すらすら読めた。日本人にはない諦めなさと粘り強さがすごい。また、相手に対する罵詈雑言がすごい。「出来ればあなたが死ぬことが早いのを祈っています」みたいな。でも、それを特には気にしない感じに惚れ惚れした。個人的にはアメリカ・ビクーニャのことが気になった。名前がいかす。

  • ちょっと冗長だったけど、終わり方がいいね。

  • 哲学的でロマンチック。解説でリアリズムとファンタジーについてとてもよく書かれていたと思う。

  • 文通だけで育んだ初恋の相手と、51年9ヶ月と4日の歳月を経て愛を告げる。
    ほとんどありそうもない話を、魔術的ではないリアリズムで静かに語られる文体によって、だんだんとありえるような気がしてくる。
    饒舌でありながらも抑制した語りは、百年の孤独とは全然趣が違うけれども、なんていうのかな、こんな偉そうなこと書いていいのかな、円熟した、というか。

    すれ違う51年の間に自由気ままに他の人とも付き合ったり結婚したりするんだけど、それも全部都合の良いように自分の中で理由付けしちゃうし、自分の愛のためなら他人の愛なんて知ったこっちゃない、というちょー自分勝手なエゴイズムばりばりだし、なんだったらそのために少女が自殺しちゃったりもするんだけど、死ですら当事者の中では些細なことになってしまう。
    だいたい、愛を貫くとか言いながら、関係を結んだ女性の数は622人という無茶苦茶な数だし。
    あと、老人同士の愛は僕にとっては想像するにグロテスクですらあり。
    うーん。ちょっと自分には文章でとても表現できないんだけど、冗談と大真面目を行き来し、死を予感させるコレラの時代の暗黒面を背景とする奔放さの陰影がとにかくみごととしかいう他ないというか。
    80年代以降に伝統的な意味においての男女の恋愛についての小説を書く、ということ自体、すごく挑戦的なことだったと思う。で、そんな中にあって愛について書くべきことのすべてがここにあるんじゃないかってくらい。

    二人の距離感が船のテンポに歩調を合わせてゆらゆらとくぐり抜ける最終章の船旅のくだりがつくづくすばらしい。

  • フロレンティーノ・アリーサは一歩前に進むどころか、死の跳躍を試みた―
    終盤、胸がキュンキュンしました。

  • 「100年の孤独」よりも読みやすいが、でもやっぱり「100年の孤独」のあの中毒になりそうな不思議さ面白さは是非読んで感じてほしい。「コレラの時代の愛」は、最初のつかみどころのない感じが面白く、2人の愛の物語部分はどうなのか…。日本人ならば、精神世界の愛を貫くのだろう。一人の女性を50年以上思い続けた男性の美しい愛情と言うより、男の身勝手さを感じた。

  • こんな素敵なマルケス知らない。南米特有の生命力こそ変わらないが、あのむせ返る濃厚な匂いは穏やかな日常の景色に消散したかの様だ。51年9か月と4日もの間待ち続けた愛が結実する最終部はもちろん素晴らしいのだが、凡庸な愛と平凡な幸福を手にした、一つの夫婦の歳月に寄り添った描写が何より胸を打つ。過ぎゆく歳月は時に弱さや愚かさを暴き出すが、暮れゆく時代の景色と混じりながら緩やかに進められるその語り口は丁寧であり、全てを肯定する力強さに満ちている。それはきっと手遅れの病であると同時に、幸福の結晶でもあるのだろう。

  • 後からじわりとくる
    凄く壮大

  • なにかいろいろ考えてしまった。
    心が揺れた

  • 後ろにいけばいくほど、ずっと読んでいたいと思わされるのは驚異。50年愛(精確には51年9ヶ月と4日)に較べると少女漫画でよくある10年愛なんて生温いものだなぁ、としみじみするような純愛物語、ではなかった。嘘も混みのセリフには度々胸打たれ、手紙と称して自分の人生論を送りつけ、そのタイトルがいつしか “老人の回想録”なのには仰け反った。そこ、突っ込む所ですか?と思わず訊きたくなる。が多くて好き。好きな箇所は多々あるものの、フロレンティーノへの気持ちが醒めてしまった瞬間、フェルミーナが彼の記憶があった心の場所には『ポピーの花が咲き乱れるのに任せる』のは、しびれる。

    エレンディラを読んだ後だと読み心地がまるで違うのにも驚いた。レクトゥール、ではなく、リズール。リズール。 個人的に読みやすさではコレラ>エレンディラかなという印象。

  • 長編にしてはさっぱりと落ち着いたストーリー。
    ラストには珍しくほっこりした。

    でも、他の方がおっしゃっているように、二人が結ばれてからは何だかつまらなく感じた。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:963||G
    資料ID:50601183

    2008公開予定『コレラの時代の愛』原作

  • ある男女の一生に及ぶ恋愛模様。
    若いころ色々と辛酸を舐めても、最後は笑って過ごせるような、そんな人生っていいなぁ。
    私も今しんどい気がするけど、20~30年後には「あの時も楽しかった」と笑って納めてしまえるようになりたいです。
    がんばるぞ~!

  • 自分にはまったく合わなかったとしか言いようがない。

  • 読書会課題。マルケスの傑作『百年の孤独』とは違って、あらすじがまとめられる物語。ストーカー気質なアリーサがなかなかのきもさ。ウルビーノ博士は可愛いけど、夫にはしたくない。密度の濃い文章だけに、じっくり読んでほしい。

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