黙って行かせて

  • 新潮社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105450014

感想・レビュー・書評

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  • 海外でベストセラーらしい。文字少なめで読みやすかった。ベストセラーになる要素で「ある程度の軽さ(読みやすさ)」って大事よなって思った。

  • ナチスの看守だった母と、それを許せない娘の話。
    一応ノンフィクションと銘打ってあるんだけど、ちょっとあやしいところがあって評価がわかれているらしい。
    「戦利品」を持っておけるものなのか?とか。でも昔日を夢見る老人の繰言としてはありそうでもある。

    細かい事実の整合性はこの際どうでもよい。
    これはユダヤ人への罪の話ではなく、娘が母をどう整理するかの話だから。

    このケースはナチスだから反省しなくちゃいけないことになってるけど、エノラ・ゲイなら誇りに思わなきゃいけなくて、ミ・ライや南京は沈黙や正義や欺瞞で糊塗される。
    戦争犯罪じゃなくたって、たとえば少年犯罪やDVや虐待の加害者たちは「殴らせたあいつが悪い」と言う。
    たぶん、そこに大きな差はない。自分がひどいことをしたなんて思いたくない。
    受け容れられるほど軽い罪じゃない。(でも娘が受け容れてほしいのは娘である自分のことだろう)

    「密告者ステラ」はユダヤ人だったけどあの娘もこの母みたいな感じだった。

  • 私が4才の時、母は家を出た。
    アウシュビッツで看守となるために。

    50年後、再会した母と娘。全くかみ合わない会話。どんなに、酷い言葉をかけられても、憎むことができない。そうできたらどんなに楽だっただろう。

    でも、決して分かり合えることはない。
    ナチスがやろうとしたこと、そこにいた母と娘、血というものは、怖くて哀しい。

  • アウシュヴィッツで看守になるために、私が4歳の時母は家を出た。自分の人生は、すべてそこから始まったと、言えそうな著者の言動。
     まだ幼い自分と弟を置いていった母親を、50年後に再開。
     ナチの言動をいまだに認め続け、ユダヤ人への憎しみもそのままにしている母親を、著者自身持て余してしまう。「あたしは無罪よ! 後悔なんてしたことない」。

    名著「夜と霧」を読んだ方には、ぜひおすすめ。

  • 元ユダヤ人強制収容所看守であった母と、作家である娘との再会と対話。自伝的小説。

    親子、家族、自尊心、信念、正義、読み進めていく上でそういったことを考えた。もちろんナチスが何をしたのか?というのを知るルポタージュとしても読みやすく秀逸だと思う。おぞましい描写が次々出てくるけど。

    壮絶な話だけど、これは読んでよかった。

  • 凄まじい戦争の傷跡と母親との葛藤
    内側からナチスを見る

  • 私が4歳の時、母は家を出た。
    アウシュヴィッツで看守になるために—。
    50年後の再会、私は母に問わずにはいられなかった…。
    ヒトラーへの敬愛もユダヤ人への憎しみも
    そのまま現代まで持ち続ける母。
    母の言葉に愕然としながらも、
    絆と呼べるものはないのかと探さずにはいられない娘。
    本書は実話です。

  • どこまでホントなのかなぁ と思わせる えぐい本だと思う。親に棄てられた子どもが 親に会いに行く だけでも えぐいなぁ と思うのに 棄てた理由が ナチスに入るため なんだし。

  • ジャーナリズムとして優秀。

  • 事実とは何なのか?とかクールに読める人。または歴史の事実を知りたい人。
    そういう人には読んでみる価値アリの本だと思います。

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