黙って行かせて

  • 新潮社
3.46
  • (9)
  • (17)
  • (44)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 169
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105450014

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • アウシュビッツの看守だった母と娘の対話の物語。

  • p.122
    「自分の管轄の囚人に対して道場や憐れみを持つことは、あたしのやってはいけないことだったから……。だってあの人たちが収容所にいるのにはそれだけの理由があったのさ。だからもうそんな感情が起こることは二度となかった。あたしだって、だてに親衛隊に配属されたわけじゃないからね。普通の市民が持つ感情なんて、関わりのないものだった。あたしたちには許されないものだったんだよ」

  • そんな事まであったのか…と絶句。
    いろんな思いで生き抜いたあの地獄を、肯定否定の両者から語られてる。

    時が忘れさせてくれるなんてものじゃないあの当時のおぞましい出来事を、母娘の葛藤が人間味を与えているからなのか、のめり込んで読める作品。

  •   


    ナチス党員であり、今でもユダヤ人虐殺は正しかったと思っている母と彼女に捨てられた娘の二度目の再会を書いた作品。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    私が4歳の時、母は家を出た。アウシュヴィッツで看守になるために―。50年後の再会、私は母に問わずにはいられなかった…。ヒトラーへの敬愛もユダヤ人への憎しみもそのまま現代まで持ち続ける母。母の言葉に愕然としながらも、絆と呼べるものはないのかと探さずにはいられない娘。本書は実話です。

    一気に読んでしまいました。
    ヒトラー信仰ともいえる、固い信念はどこから生まれてきたのか。
    教育?それとも洗脳?
    人間性をどうとらえるか、とても面白く、そして考えさせられました。
    政治思想というものはここまで人の思考を支配するのか。
    作者もアウシュビッツでの被害者の一人に他ならないのだと思う。

    Lasciami andare,Madre by Helga Schneider

  • 三浦しをんさんの本を読んで、読みたくなり図書館で借りました。

    翻訳ものだからどうか…と思っていましたが、
    読み始めてからは一気読みでした。

    ただただ、読んでいる間中、怖かったです。

    ナチスがしたこともそうだし、著者の母親がそのナチスに加担したことや、そのために幼い子供を捨てたことに対して、少しも反省したり後悔したりする様子がないことが。

    「自分たちを捨てて出て行った母親」
    というだけで、容易には許すことのできない条件バッチリなのに、それに加えてあの悪名高いナチスの親衛隊員。
    許せるかなぁ、これ……。

    なんでそんな残酷なことが出来ちゃうかなぁ、人間は。
    この先、決してそんなことが起こらないよう、
    みんな頑張ろう。

    ……って、どんな感想だ。

  • ナチスを題材にしていますが、それよりもむしろ、理解し合えない母子のストーリーの方が主軸に感じられました。小説としてみると正直かなり拙いですが、この作品は他人に見せるためのものというよりも、著書が自分の気持ちを整理するために書いた覚え書きのように思えます。

  • アウシュビッツ、ナチスのことについていえば、漠然と理解していたが、この残虐な行為の実行者達は何の悔恨ま反省もくいきている。このことに興味がでてきたので、しばらくこのジャンルの本を読んでみることにした。
    だが、今イスラエルがパレスチナに対し行なってることも、ナチスと変わらないと思うが…

  • 週刊ブックレビューで紹介された作品。だまっていかせて、お母さん。

全39件中 11 - 20件を表示

高島市子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×