ナ・バ・テア

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120035418

感想・レビュー・書評

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  • スカイクロラシリーズ2作目。
    (勘違いでこれをいちばん先に読んでしまった。不覚・・・)

    クサナギの視点で淡々と描かれる世界。
    戦闘機の操縦をもう少し知っていればもっと楽しめたかな。

    笹倉が好き。

    頭の中のモヤモヤを拭うためにまず1作目を読まねば。

  • スカイクロラシリーズの時系列としては第一作目とのことで読んだ。文章はシンプルで非常に読みやすい。僕の視点のみのストーリーで世界観がよくわからないがこれから出てくるのか?期待を込めて第二作目を読んでみたいと思う。

  • 水素の成長。
    空とティーチャに焦がれ、地上を疎み、今の自分から逃げ出したいという、水素の葛藤が見事に描かれます。

    何度も何度も読んでいます。夕焼け空の装丁もだいすきです。
    空中の描写はとても素敵。綺麗な、純粋な、水素の気持ちが現れています。

    ティーチャの大人の部分、他のキルドレ、殊にヒガサワと触れることで、水素は成長というか、新たな自分が構築されているのではないか。ティーチャほど清濁併せ呑むことはできないが、きっと、少し、したたかになってしまったのだろう。水素は若く、屈折していて、ただただもがき苦しんでいる。もう私は共感できなくなってしまったけれど…。

    内面的で非常にまっすぐな物語。
    若い人にぜひ読んでほしい。
    較べるのはあまりに滑稽だが、ハイデガーやソクラテスに痺れた学生と類似した、森博嗣に痺れる人がきっといる。
    私は空に痺れました。

  • 森さんの文体はシンプルなイメージがあります。
    他の読んだ作品は一作しかありませんが、私にとっては続きが読みたくなる気がしなかった…で、今回映画化されたなぁ、と思い出して借りてきました。

    表紙は綺麗。
    内容は飛行中の描写は用語が分からず、そのまま「感じ」で読んじゃいました。
    ヒドく言えば突き放した文章で読ませていく印象でした。
    一人称なので、主観しかないためクサナギが嫌いだったら辛いかも…
    ティーチャは好きなキャラクターでした。

  • 世界観や作品の雰囲気は好きだけど、戦闘機モノなのに肝心の空中戦シーンが耐えがたいほどつまらない、と思う。

  • 森博嗣さんの作品、これが初めてだが面白かった。
    時系列順に読んでいるため、これが1冊目。

    この巻では多く謎が残った。
    映画を見ているのでここから話がどう繋がっていくのか気になる。
    特に気になることが2つある。
    1つ目は、赤ん坊はティーチャが引き取ることになったが、映画ではクサナギが育てているとこ。
    2つ目は、この巻では敵対していない2人が映画ではクサナギが明らかな敵意を持って敵対していたとこ。
    この2点が非常に気になる。

    次の巻を読むのが楽しみです。

  • スカイクロラの続編。空に沈んでいく永遠の子供たちと普通の人たちの寓話。森博嗣作品の中で個人的にヒットシリーズっぽい。きょう図書館でさらに続編のダウン・ツ・ヘブンを借りてきた。

  • この本を読んでいる数日の間、私の感性は完全にクサナギを模していました。

    心臓から上に、まっすぐ伸びている太い血管、生命維持の要となる血管。それをはさみでぱっつんと、切り落としたような感覚。心臓を流れる血に温度がなく、ただただ冷たい血液が心を満たしている感覚。

    あとがきでよしもとばななさんが書いた表現が、一番的を射ているのかな。「酷いうつ病を患っている人が、それを理性で隠しながら生きている感覚」…だったかな?該当部分をロストしてしまった。

    この作品は、私にとっては新しい、今までになかった表現をしている作品です。なんていうのかなぁ。たとえば「絶望」を表現するんだったら、そこに同時に「絶望に負けないで!」といったメッセージ性と併せて作品を作ることが多いわけです。宮崎駿の「風の谷のナウシカ」(原作)みたいに。それか、たとえば最愛の人を亡くしたという絶望からの再生、再出発みたいな。あるいは、小池真理子の常套となってるような最愛の人を亡くすという地点で作品が終わるパターン。この手の作品は、作品としてはきれいだし、印象に残るんです。人の命の儚さ、みたいな。映像化しやすいな、みたいな。

    でもこの作品はひたすら当事者目線で、淡々と、死を想い、生を考え「続ける」。現実でこんな生き方していたら、たぶんしんどい。でも3年間に8刷されているところをみると、いるよね。そういう生き方に同調できてしまう人が。

    あと余談だけど、敵機との戦いを「ダンス」と表現しているところ、村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」を連想した。
    「踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。」
    僕らは音楽の続く限り、上手く、踊り続けるんだ。

    よしもとさんがあとがきで書いているように、作家が自身の内面の醜さを糧として小説を書いているのであれば、そのアウトプットとしての作品には、毒のようなものが含まれていると思う。作品を読めば読むほど私たちの体内にはその毒素が少しずつ沈殿していく。その沈殿スピードが速ければ速いほど、現実での平衡感覚がなくなっていくのが早い。東浩紀のクォンタム・ファミリーズのように。

    この作品にはおそらく、かなり毒素が含まれてるんじゃないかな。静かで、もの語らぬ毒素が。でも、未知のものを知りたいと思う好奇心が、あえて、その毒素を求める。それか、あるいは。

  • スカイ・クロラシリーズ2作目だが、作者曰くこちらの方がシリーズ的には1作目らしいので、こちらから読んでみた。
    用語がたくさん出てきて、意味不明な部分も多いが、「僕」ことクサナギに好感がもてたので割と読みやすかった。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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