動機、そして沈黙

著者 :
  • 中央公論新社
3.09
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本棚登録 : 159
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040450

感想・レビュー・書評

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  • 6つの短編。
    ちょっとホラーっぽかったり、レズビアンだったり、性的倒錯であったり、異質な要素が盛り込まれ、それぞれの話の登場人物が妄想し暴走して、あらぬ方向へ進んでしまったような印象を受けました。人間の簡単ではない複雑な心理が動機に繋がっていくのでしょうね。

    「ぼくが彼女にしたこと」は夜にフラフラ出掛け覗き見できてしまう中学生の少年という主人公に”それはないだろう~”と突っ込みながら、事件に対して意外にマイペースに対応してしまう少年に可愛らしさを感じてしまいました。
    「未開封」はわかりづらい展開だけど、心理的に深い部分を捉えてるのかな。
    他の話も全体的に無理がある設定に突っ込み、なかなか読めない難解な登場人物の名前に手こずり、性描写だったり変態的な性癖の描写の濃さが軽く気持ち悪さを感じさせます。

    表題作の「動機、そして沈黙」は老いた夫婦の会話から進んでいく推理。ゾクリとするラスト。一番面白かったかなと思います。

  • 今年は寒いね

    ってな事で、西澤保彦の『動機、そして沈黙』

    ぼくが彼女にしたこと
    迷い込んだ死神
    未開封
    死に損
    九のつく歳
    動機、そして沈黙

    の6つの短編推理小説。

    それぞれ完結したのかどうか、あやふやな終わり方かな……。

    心理的感情、空想妄想、気持の持ちようでの展開に、まだまだわしには早過ぎたかなっと。

    正に感想は沈黙じゃなw

    2018年13冊目

  • 連作短編集 エ***要素や悪趣味なところがある 作者の長編のような ロジックでスパッと切れるようなものではないが タイトルにもある通り 動機については意外性のある ストーリーが多い

  • 一作目が真相が明かされずモヤモヤしたまま終わったので連作かな?と思いきやそうでもなく。謎が多い短編集でした。

  • つくづく西澤さんは肉食系ミステリだ。謎がすっきりとは解かれず、リドルストーリーめいてもいる。

  • 少々レズビアン系多し?
    どれも不思議系世界な感じで、でも嫌いではない。
    すっきりしない感じがいいのかしらん。

  • 短編ミステリー集。会話文を中心にミステリーが「語られる」感じの文体。まあまあ面白い。

  • 独特な性癖を持つ人達が主人公の短編集。
    ちょいと変態ぽい。
    私はそこまでグロく感じませんでした。
    この本はとても読みやすかった。

  • 個人的に良かったのは「ぼくが彼女にしたこと」と「動機、そして沈黙」かな。「ぼくが~」は主人公が珍しく少年だったのに驚いたのですが、やはりと言うべきか、老成した少年でした(笑)ラストの小気味良さが好きです。「動機、~」は何となく予想出来るような展開の物語なのだけれど、最後の最後が何とも言えず怖い!

    確かに西澤作品「らしさ」が詰まっています。西澤作品を読み慣れていない方には、あまりオススメ出来ないかも…?

  • あとがきで本人が書いていた「西澤保彦的な灰汁」に、なんとなく納得。百合とか、偏執さとか、エロとか、あと最近よくキーワードに使われる介護問題だとか、西澤さんっぽさが盛り込まれている。どの話も特別印象に残る話ではなかったけれど、どの作品にも共通するいや~~な後味の悪いかんじは、印象に残る。現実にも、そんなことで人を殺すのこか、と驚くような事件はたくさんあるけれど、この作品では、殺されるに至った過程に人間の狂気さを感じ、ある意味、そんな理由で殺されちゃったの?って驚くことが多かった。

著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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