蛙鳴

著者 :
  • 中央公論新社
3.85
  • (8)
  • (15)
  • (9)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 178
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120042409

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 莫言氏の新作

    一人っ子政策に切り込んだ小説、
    一人っ子政策についてはいろいろ取り上げられているが、男児尊重の中国の農村でどのように進められえいたのか、現場を見ているような臨場感がある小説、

    タブーを打ち破る中国作家に期待したい。

  • 中国学を専攻としながら、莫言は初めて読みました。中国ではタブーとされる一人っ子政策に正面から向き合った作品ということですが、どこまでその悲哀や切実さが日本の読者に伝わったのか、やや疑問です。中国のことを勉強している、あるいは関心がある人にとっては自明でも、そうでないごくごく普通の日本の特赦には理解しづらい部分もあったのではないかな、という気がします。だからといって、その説明に筆を費やしていてはストーリーが前に進みませんし、ルポルタージュになってしまいます。とはいえ、もう少し描き混まないと、特に前半は悲哀とか農村の現実などが今一つ伝わってこないような気がします。むしろ後半の方が、一人っ子政策を抜きにしても、母として、女としての苦衷などが描かれていたのではないかと感じます。

  • つくづく、莫言はすごいし、小説というのは大したものだと思う。
    一人っ子政策。こういうことはこういうふうにしか書けないのではないだろうか。政治や経済、もしくは道徳正義倫理、宗教、素朴な因果応報論、どれでもどうしようもない。
    しかし、はじめて莫言の小説を読んで泣いた。前妻の王仁美が亡くなるシーンと、彼女のことを思い出しながらちびライオンとの婚姻届を出しに行くシーンは、泣いてしまった。
    莫言ほど筆の立つ人が泣かせるシーンを書こうと思えば今までいくらでも書けただろうに、あえて避けてきた。泣けない作家だった。しかし今回、それにやられて、それがうまいこと話の前半と後半をつないでいる。
    やっぱりこの人はうまい。

全28件中 21 - 28件を表示

著者プロフィール

中国・山東省高密県出身。小学校中退後、1976年に人民解放軍に入隊し、執筆活動を開始。『赤い高粱(コーリャン)』(1987年)が映画化され世界的な注目を集める。「魔術的リアリズム」の手法で中国農村を描く作品が多く、代表作に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』など。2012年10月、ノーベル文学賞を受賞。

「2013年 『変』 で使われていた紹介文から引用しています。」

莫言の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
冲方 丁
高野 和明
アーナルデュル・...
64
横山 秀夫
マーセル・セロー
万城目 学
フェルディナント...
山田 宗樹
フェルディナント...
三浦 しをん
三浦 しをん
湊 かなえ
なかむら るみ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×