- Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120046070
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
再読なんだが…。
一日ゼンで楽しんだ。
あさのあつこのやつと混ざったりもしたけど。
年齢を考えるのはやめよう。うん。
再読。2021.11 -
限りなく静寂に近い空間に身を置きたい。枯葉が木から離れる音、雪が降り積もる音、霧が立ち籠める音が聞き取れるくらい聴覚を研ぎ澄ませたい。心が水でできているのなら、交わされる問答をひとつ残らず溶かし込めるように超純水ほど不純物を少なくしたい。
生きるとは、強さとは、真理とは何か。真摯に向き合わせてくれる。
とりわけ私が深く考えたのは「正義」について。これから私がしようとすることは、誰かにとっては悪であったり膿であったりするかもしれない。でも私は私を守るためにそれを正義と信じて貫くのだ。
《2014.05.22》 -
4月に出た新刊、どうしても読みたくて今回はハードカバー。今作も読み終わった後、とても晴れやかな気持ちにさせてくれる物語でした。悪、というのは、客観的に観察された視点であり、本人にとっては悪でない、といった、以前出会った森さんの考えなど反芻しながら読みました。ゼンとデンチ和尚の話がとても印象的でした。『少しくらいの濁りはあった方がよろしい。この世にあるものは、いかなるものも、必ず無駄なものが混ざっております。なにも溶けていない水はない。なんの匂いもしない風もありません。それでもそれを、奇麗な水といい、澄んだ空という。おそらくは、正しい剣、正しい刀も、そのようなものと想像いたします。』素直なゼンが、これからもたくさんの人に出会い、色んな矛盾にぶつかって、悩んで、生きていくのでしょうな。それを見ていきたいです。
-
今回は特に大きな進展もなく、ゼンがまた少し成長したという感じ(^^)生死をかけた闘いの前にナナシが顔を晒したので、もしやゼンの身に何かがっ( ̄□ ̄;)!!と緊張したけれど、無事でホッとした(*´-`)毎回難しい事ばかりを考えてるゼンだけれども、ノギとの会話が一番ゼンを成長させているような気がする(^^;)
-
著者の膨大な作品の中でスカイ・クロラシリーズと並んで読み終えていないシリーズの第4作目をようやく読んだ。スカイ・クロラは今ひとつのらなくて途中で挫折中だが、こちらのシリーズはどれも面白い。相変わらず切れ味のよい文体で一気に読み終えた。次作最終巻も楽しみ。
-
あと1冊なんだけど、表紙が桜ってネタバレなんじゃ…て思うと読めない
-
ヴォイドシェイパシリーズ-4
妻を持つ侍。仲間を持つ侍。
蔵書
電子書籍 -
『ヴォイド・シェイパ』シリーズの4作目。3作目『スカル・ブレーカ』に続けて積読本を消化…。
霧が立ち込める山の中。短文で詩のような戦闘シーンの描写がいい。『スカイ・クロラ』シリーズの、空の戦闘シーンが思い出される。
今更ながら純粋で素直な主人公が可愛いと思う。真っ直ぐに世界を見つめて、新しい世界を広げながら、何故か?と問う。考えて人と話して考えて。少々理屈っぽいが穏やかに正直に人と対する姿勢は見習うべきところがある。
最終巻でようやく都行き(2作目辺りから言ってる)。4巻分の気になる伏線の回収のために明日本屋へ行こう。
160602 -
2016.03.03
-
ヴォイド・シェイパ・シリーズ四作目。
守るものの有無と強さについて。
ちょっと切ない感じ。 -
ヴォイド・シェイパシリーズのなかでもいちばん読みにくい作品だった。事情が込み入っている。人を斬りたくないが刀を極めたいという矛盾。女性と暮らすということ。という二つが軸かもしれない。
刀をふるか、刀をすてて人と暮らすか。
キクラさんが言っていた、愛しい者がいるということは、傷があるのと同じ、という言葉が心に残った。 -
『悔いているのか、憎んでいるのか、悲しいのか、それとも嬉しいのか、涙ではわからない。まして、口から出る言葉は、もっと信用がおけない。人は、いつでも、どんな言葉でも、簡単に口から出せるのだ。』
「ゼンさん。来てくれたんだ。嬉しい」
「琴の音を聴くためです」
「そういうときはね、ノギさんの琴が聴きたくて、と言うの」
「そうか。ああ、気がつきませんでした。覚えておきます」
「大丈夫なの? 鈴屋が襲われたりしない?」
「それは、その、たぶんですが、解決しました」
「え、どんなふうに?」
「また、あとで、えっと、チハヤ殿が説明してくれるかと」
「ゼンさんが、今説明したら良いじゃない」
「いえ、今は、ノギさんの琴が聴きたいので」
「あらら、なんか、ちょっと変な気もしますけれど、まあ、ええ、だいたいそれで、よろしいと思いますよ。そんな感じです」
「刀のほかに、二つある ー 一つは場数。もう一つは知恵だ」
「人は、じっと待つことができない。それはまるで、息を止めることにも似て、苦しく感じられるものだ。痺れを切らし、つい動こうとしてしまう。戦いというのは、そうして始まるのではないか。」
「拙者が果てたときには、フミは自害しようとするでしょう。そのときには、どうか止めないでいただきたい。私が願うのは、それだけです」
「俺はな、フミさんのために刀を抜く。それだけのことだ。なにか不足があるか?」
『とにかく、自分の刀を、自由に振ろう。
それだけだ。』
「まさに今、大勢の人を殺そうとしている者がいて、それを止めねばならない、という場合には、その者を殺し、多くの命を救おうとするかもしれない」
「救う命のために、命を奪って良いことになります」
「そうなりますな」
「それは、正義ですか?」
「いえ、正義ではない。ただ、しかたがないことです。さきほど貴方が言ったように、正義とは、そのような悪人がこの世に生じないように導くことではないでしょうか」
「少しくらいの濁りは、あった方がよろしい。この世にあるものは、いかなるものも、必ず無駄なものが混ざっております。なにも溶けていない水はない。なんの匂いもしない風もありません。それでも、それを綺麗な水といい、澄んだ空という。おそらくは、正しい剣、正しい刀も、そのようなものと想像いたします」
『いくら考えても、答えのない問題ばかりだ。答がないことが自分でもよくわかる。それなのに考えてしまうのだから、困ったものだ。こういうのは、人の質なのだろうか。』
『チハヤは、また声を上げて笑い、リュウがつられて笑った。何が面白いのか、よくわからなかったが、自分の心も温まった。酒のせいではなかったはずだ。』
『みんなが同じではない。それぞれが、自分の命を持っている。なにかを楽しみにして、生きているのだ。苦しみだけで生きている者は、たぶん少ないだろう。それでは生きていけないように思われるからだ。』 -
山中でゼンを襲った山賊。その用心棒たる凄腕の剣士には、やむにやまれぬ事情があった。「守るべきもの」は足枷か、それとも……。若き侍は旅を続けながら少しずつ変化していく。
BOOKデータベースより
刀筋を通して、自分の内にある考え方を分析していく、ゼン.何のために強くなりたいのか、社会の有り様はなぜそうなのか.
頭は未だ靄の中にある.刀を交えるたびに、人と接するたびに、一つひとつ答えに近づくときもあれば、さらなる疑問が生まれることもある.
人は人と関わることで成長することができるのだなぁと改めて思った.でも成長するには考えることが必要であるね.
追記
このシリーズをアニメ化すればいいと思う.その時の主題歌は米津玄師の「海と山椒魚」がいいと思う. -
20
-
前作(スカル・ブレーカ)に比べると狭間の一冊、間延び感が否めないけれど、つい引き込まれて読んでしまうのが森博嗣の偉大さである。
-
『ヴォイド・シェイパ』シリーズ4作目。
ゼンの旅はまだまだ続くらしい。
1話目に比べるとゼンがずいぶん世慣れてきていて、一方で世慣れた自分を「そういうことも近頃はわかるようになった」と自己評価しているあたりが何だか可愛い。
3作目でゼンの正体が明らかになってきたのに、今回はほとんどそちらの方へは話が進まなかったので、ちょっと欲求不満。 -
武士とは、人を殺す意味とは、ゼン様また悶々と考えます。でも斬ります、武士ですから。天然っぷりは学習の成果で減ってはおりますが、なんともかわいい人です。ノギの事、どう思っているのでしょう?気になります。ノギも西之園さんみたいで好きです。うまくいって欲しい。
ゼン様の旅はまだ続きます。 -
続編4作目。
強敵が現れ、主人公がどんどん強くなっていく。
4作目で終わりと思っていたけど、まだ続きそう。
強くなる意味、生きる意味を求め、最終的に出る答えはあるのか?
続きが楽しみです。 -
2014/8
-
綺麗な話だ
森さんの描く話しはなんて美しいのだろう
静まり返っていて美しい
チハヤも良い
ゼンとは違って
チハヤの明るさは僕ら側でゼンの静けさは森さん側
チハヤの世界とゼンの世界が少し交わる
少なくとも、森さんはチハヤを書く
こちらの世界を気にする
それが嬉しい
森さんの世界に憧れる僕はとても嬉しい
ずっと森さんの静かでいて整っている世界が好きだった
美しいと感じた
近づきたいと狂おしいくらいに思った
そしたら近づきつつある
別に僕が変わった訳じゃない
森さんの世界に近い人が近くにいた
案外遠くないのかもしれない
けれど
絶対に近くはなく
あんな風にはなれない
それも違うのだろうか?
ずっと近くにいたら近づけるのか? -
命とは何か?
強さとは何か?
道とは何か?
これらを、主人公を通じて
考えられる良書です。 -
The Fog Hider ヴォイド・シェイパ・シリーズ4冊目~ゼンは船で西に進むのを嫌い,寂れた山の峠道を進む。前歯が欠けた男と腕の立つ侍が立ち塞がったが,侍はゼンに歯欠け男の腕を斬らせたような気がした。義理はなくなったと侍は云う。宿に辿り着いたゼンは,翌朝こちらに来るノギの身を案じて迎えに行くが,侍が宿場の医師に薬を依頼していることを知る。社に薬を届けた医師を尾けると,チハヤは同郷の道場の先輩のキグラだと云う。匿っている女性も同郷のフミは肺病を患っており,ゼンが斬ったギンマの連れであるリュウは敵討ちを欲しているし,自らが師である都の道場主を殺した疑いが掛かり,仇討ち軍勢が迫っていると告げる。二組の追っ手を迎えるに山は不利と,元の宿屋・鈴屋に降りる。ナナシからは翌朝までは安心だと聞かされ,朝を社の石段の上で迎え,15名の刺客が下を通る時に大声を揚げて,林に引き入れる。流石に都で名を成したチハヤだ,飛び道具も持つ刺客7,8人を倒したと云う。ゼンは弓を抑えようとして向かってくる敵を倒した。道場主の座を狙うヤマバの甥,シノカワは手傷を負わせたが,放免した。翌日,戦いの場に戻ったゼンは,吹き矢と手裏剣を使う女盗賊リュウを抑えて和睦した。ナナシが調べた追っ手は30名,リュウは山でやり過ごすのが一番と,別の小さな小屋へ案内する。旗を二本立てた本陣には,弓鉄砲が用意され,先陣を倒したチハヤとゼンとキクラに,大将のヤマバは一騎打ちの決着を申し入れ,キクラはこれを受け入れたが,道場側が出した武者は都で三指に入る他流の筈のヒメジだった。後の先を取ってキクラを倒したヒメジの筋を見た,ゼンは敵討ちを申し入れ,読み切った間合いで脇腹を切られたが,相手の耳下から顎を裂いていた。鉄砲や弓を倒して大将に迫ったゼンは,誘いかと思われるほど隙だらけで,それも演技ではないと知ったゼンは刀を引く~ 一冊飛んじゃうとチハヤだとか,都の近くに住むゼンの母親の話がちんぷんかんぷんでイカン
-
シリーズ第四弾。
ほかの森さんの本と比べると圧倒的に雑音が少ない印象を受ける文体。まだまだ続きそうなので、次回が楽しみ。 -
ゼンの旅がどこに向かうか、とりあえずは都という事で進んでいるが、出生の謎も含めて、ゼンの成長が楽しみだ。今回で明らかになってきたが、ノギも過去に複雑な曰くがありそうだ。
-
このシリーズは本当に読む手を止められない。