群発自殺: 流行を防ぎ、模倣を止める (中公新書 1426)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121014269

作品紹介・あらすじ

本書は、群発自殺と呼ばれる現象が起きる個人的、社会的原因を整理し、それへの具体的対策とは何かを考察するものである。

感想・レビュー・書評

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  • 本書で言及されているアイドル歌手の死について、当時の報道のされ方にぞっとした。自殺には「流行」や「伝染」の側面があるというが、そうした現象にはマスメディアの過剰な報道も無関係ではないようだ。マスメディアの役割は、悩み苦しんでいる人々に死を突きつけることではなく、生きるための手がかりを情報として提示することであってほしい。先日読んだ『自殺の心理学』同様に多少古い本ではあるが、病院での連鎖自殺、フィクションによって引き起こされた連鎖自殺など、学ぶべき点の多い一冊だった。

  • 模倣される自殺について。ジャーナリズム的。

  • マスコミの影響の大きさを再認識。最近だと、硫化水素自殺の時どうだったかを考えてみると分かりやすい。

  • いじめが社会問題になっていた頃、いじめ自殺が報道される度、その後を追うかのようにして自殺の連鎖が全国で続いた。偶然か?と思いもしたが実はそうでもないらしい。自殺が広い範囲で報道されることによって、その後の他者の自殺は増加するという。自殺報道のもたらす危険な側面にマスメディアは注意が必要であると。やはり報道と自殺の関係はあった。それについて書かれた章は大変興味深い。勿論、自殺の原因はそればかりではないが、群発自殺が起こる理由の一つに報道が大きく関わっているということ。だがそう考えれば、報道の影響力はまた自殺の抑止にも繋がる可能があるのではないか。ある本で池上彰さんが自殺の連鎖に対し「マスコミはいじめ自殺をあえて報道しない勇気が必要」と言っていたが、それは違う気がする。
    この著者が述べるように、「マスメディアは正しい知識を持って、自殺の否定的な側面ばかりに焦点を当てるのではなく、その予防に実効性のある具体策などのような肯定的な情報に対しても報道する義務がある」。

  • 昔親の本棚から興味をひかれてこっそり読んだ。
    たぶん私のベースのひとつ。

  • [ 内容 ]
    本書は、群発自殺と呼ばれる現象が起きる個人的、社会的原因を整理し、それへの具体的対策とは何かを考察するものである。

    [ 目次 ]
    第1章 自殺の危険と群発自殺
    第2章 連鎖自殺
    第3章 集団自殺
    第4章 自殺の名所での自殺
    第5章 群発自殺とマスメディア
    第6章 群発自殺の予防

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • これは、是非報道関係の方々に呼んで欲しいなぁ…。自殺が模倣性を含んでいることに気がついていないのでしょうか?気づいているにしても、気づいていないにしても、あんな風に報道することは、何とも愚かなことだと思います。

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著者プロフィール

防衛医科大学校・防衛医学研究センター・教授。精神科医。
著書:『自殺予防』(岩波新書)、『自殺、そして遺された人々』(新興医学出版社)、『医療者が知っておきたい自殺のリスクマネジメント』『自殺のポストベンション:遺された人々への心のケア』(医学書院)、『新訂増補 自殺の危険』(金剛出版)、など。
訳書:ヘンディン『アメリカの自殺』(明石書店)、シュナイドマン『アーサーはなぜ自殺したのか』(誠信書房)など。

「2007年 『自殺で遺された人たち(サバイバー)のサポートガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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