新選組: 「最後の武士」の実像 (中公新書 1773)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121017734

作品紹介・あらすじ

嘉永六年(一八五三)のペリー来航から明治二年(一八六九)の箱館五稜郭陥落までの幕末維新期、さまざまな国家構想が錯綜する中で政争や戦乱が展開された。こうした時代に生まれ、滅んだ新選組とは、どのような集団で、いかなる歴史的位置を占めていたのか。近藤勇らが幕末の京都で活躍できた政治的基盤や、近代性・合理性といった組織としての先駆的性格に着目しつつ、各種史料を丹念に検証する新選組全史。

感想・レビュー・書評

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  • 史実の新撰組とはどうだったのか?単純な興味から。森恒夫に似た行動をとるのがどうにも気になった。逃げたら殺す、女遊び殺す、蓄財野郎殺すなど。粛清?どういことだろう。
    どいつもこいつも忠臣蔵と浅野内匠頭に憧れる時代だったのか。吉田松陰も赤穂義士に言及してたはず。浅野宗家はどう思っていたのやら……
    江戸時代、徳川幕府の悪いところを書かないのは気になった。なぜ薩長などが倒幕に熱意を燃やすのか、わからないのでは。江戸っ子向け新書。横井小楠再評価は同意。

  • 「新撰組」から見た幕末維新を知りたくて購読。
    近藤勇、土方歳三ほか隊員の成り立ちから規律を重んじた
    隊の運営から争い、考えたの相違まで細かく解説され、幕末の激動期の息吹を感じる事が出来ました。

  • おなじみ新撰組について、いろいろな史料を検討し新撰組の実像を探る書。
    個人的には新撰組の全体像を復習したい、と考え購入したが、目論見どおり復習ができる本であったと思う。
    この本の特徴は、この本が発売された当時、最先端であった研究結果も網羅されていることであるかと思う。別の会社の新書で同名のものがあるが、この本はその本の研究成果をも把握した上で書かれている。
    新撰組の全体像をざっと振り返るためにはうってつけの本だと思う。

  • 中公新書らしい無難というか堅実なまとめられ具合に安心感を持つ本でした。英雄的に煽ることなく浪士組から函館戦争までの軌跡が淡々と紹介されています。そこに物足りなさを感じる人もいるでしょうが、初めて新選組に触れる人はもちろん、一通り関連書籍を手にした人がおさらいする時にもちょうど良い内容だと思います。特に目新しい記述はない本ですが、他の新選組本では扱いの大きくない幕府と多摩地域の関係にも多くのページが割かれているのは珍しいと思います。開府以来の密接な結びつきが近藤勇らの徳川への忠誠心の源流だと再確認しました。

  • [2012.07.25]

  • 新選組とは、どのような集団で、いかなる歴史的位置を占めていたのか。近藤勇らが幕末の京都で活躍できた政治的基盤や、近代性・合理性といった組織としての先駆的性格に着目しつつ、各種史料を丹念に検証する新選組全史。
    内容は詳しくて別に知らなくてもいいようなことまで(と言ったら失礼だけど)載っててすごいなーと感心したんですが、多分私の選択が間違ったんだと思う・・・。もっと軽くてあっさりしたものか時代小説に手を出すべきだったかな。最初の1、2章が退屈で興味がなかったせいで、挫折するところでした。後半の戊辰戦争あたりは面白かったけど。「武士」のイメージだった新撰組が思ったより近代的だったことには驚きました。

  • 小論文を書くときに参考にさせてもらった。理解しやすいし、内容も深くて良かった。
    新選組について簡単な知識を持ってる人がもう少し詳しく知りたいときにおすすめ。

  • あとがきを読んで初めて、大河ドラマ「新選組!」の時代考証を担当された方の著作だと知りました。
    道理で。なんか納得でした。
    さまざまな資料を参照しかつ出展を明記。異論も極力取り上げて書かれており、
    入門書としては非常に分かりやすくて良いのではないでしょうか。
    自分としてはこの本で新しく得た知識って言うのは無かったのですが、
    それはつまり、多くの史料を元に秀逸な取捨選択が成されてかかれた本だからこそなわけで
    適量だしすぐに読めるのではないでしょうか。

    佐幕派が刀剣などの古くからの慣習に固執したばかりに敗れた
    時代の流れを読めない時代遅れの集団
    というような一方的で誤った評価を、分かりやすく論破してくれる内容だと思います。

  • 2004年NHK大河ドラマ「新選組!」の時代考証を行った大石学氏の著作。
    「新選組は時代に取り残された剣士集団なのか?」について追求されている新選組通史である。
    ページをめくると「近藤勇」「土方歳三」の写真。第1章に進むと…なんと新選組そのものの歴史ではなく、なんと新選組の故郷「多摩」について。多摩と江戸の関係を記載した本を、新選組関係の本で初めて見た。
    第1章では、近藤や土方がいかにたくさんの手紙を多摩に送ったかも書かれてある。これには驚いた。
    また読み進めると、いろいろな史料で同じ事象を比べるという方法が随所に見られる。池田屋事件においてもそうだ。同じ事件をいろいろな史料から提示して比べているところは微妙に各史料で記述が違うので面白いし、これがこの本の特徴である。

    地名など地図が無いと不便なところも多々あるのは不満ではある…が、新選組をある程度知っている人が読むとおもしろいと思われる。

  • そこそこ幕末について知っていると楽しめますが初めての人にはちょっと難しい内容だと思います。考証に考証を重ねて、詳しく書いてくれているので面白いです。

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著者プロフィール

大石 学 1965年生。東洋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。杏林大学ほか非常勤講師。哲学・倫理学。

「2023年 『日記・書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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