日本の子どもと自尊心: 自己主張をどう育むか (中公新書 1984)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019844

作品紹介・あらすじ

自分の頭で考え、はっきりと意見を言える子どもに育ってほしいというのは親の自然な願いだろう。しかし、自己主張の発達と深く結びついている「自尊心」は、謙虚さが賞賛される日本において、常に歓迎されるとは限らない。そこに矛盾があるとしたら、自己主張できる子を育てるためにはどうすればいいのか。日本人独特の自尊心を考察し、教育学の視点から、保護者の価値観の影響や、子どもの成長との関わりを明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 日本では自己主張しないように育てる風潮があるというのは分かったけど、どうしたら自尊心が高まるのか、自己主張できるようになるのかは分からなかった。
    単純な方法論ではなく、調査結果が詳しく書かれていて参考にはなるが、私には難しかった。

  • とても勉強になった。佐藤淑子さんの本は二冊目。こちらは自尊心[セルフ・エスティーム]について。
    日本人は海外と比べセルフ・エスティームをどれくらい持っているか、どのような環境や要因から醸成されていくかなど。
    親が褒めるという行為はとても大きな影響があるようだ。日本人として内と外で自己表現を使い分けるというのはよく聞くが、その分析もとても細かくおもしろく読めた。
    あと興味深かったのは最後の方にあったアメリカ人男性の老後の話。孤独だという。「アメリカ人の男性に、より強調して育まれる独立心と、心を許せる親しい仲間を持つことはそもそも相容れない」

    "人が「達成」と「親和性」を同時に持てるかどうかについてのある重要な条件を浮き彫りにしている。それは独立的な自己を形成することが、発達の到達点であり、他者への情緒的依存心をできるだけなくすべきであるという信念を持つか持たないかである。男性は情緒的に他者に依存することにためらいを感じ、そのために孤独に陥るリスクがある。けれども他者との関係性を重視し、家族の間の結びつきを強める役割を持つことの多い女性の場合は必ずしもそうとは限らない。つまり、自らの課題達成を何よりも重視する男性と、他者との相互依存的な関係の構築を重視する女性の考え方の違いである。"

  • 日本人の典型的な考え方がもろに当てはまったり、「母親感情に込められた価値態度を子供は敏感に読み取り内面化していく」のはまさしくそのとおりのような気がした。
    対処法は簡単でほめること。
    それが自己肯定を高めセルフ・エスティームか安定する。
    やるぞ

  • 自尊心、自己主張をほめること
    日本はめんどさい国だなぁ…
    C1236

  • 新しい知識が手に入る本。子どもだけでなく、大人にも言えてくることだと感じた。他社評価に対して、人は人と本当に割りきれない僕には、本文にあった、Who could do it ? がもの凄く良い言葉だと感じた。
    大事にしたい。
    本文の内容は、割と難しく、大学で児童心理学を習った今時期で良かったと感じた。

  • 自己主張、出来る事だけが良い事か…
    自尊心、高いだけが良い事か…
    日本の社会との兼ね合いまで考えて考察。
    データ沢山の、とっても理性的な本。

  • 素晴らしいの一言!子育て中の方、また今後子育てを予定している方には必読です。なぜ子どもが集団の中で自己主張しないか、どうすれば自己主張する可能性が広がるか...明確に回答されてます。

    佐藤先生ありがとうございます。

  • 本当におもしろい!!
    良いも悪いもなしに、日本人の意識について深く考えさせられます。
    日本文化論的なものと並行して読んでみるとなおさらおもしろいと思います。

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著者プロフィール

一般社団法人日本IR協議会専務理事
慶應義塾大学経済学部卒業。日本経済新聞社に入社後、1993年に日本IR協議会に出向。2003年から同協議会首席研究員、07年から事務局長、15年から現職。講演や執筆活動などを通じてIRや情報開示の普及・向上に努めている。
公認会計士監査審査会委員、東京証券取引所・上場制度整備懇談会委員などを歴任。日本証券アナリスト協会理事、同協会検定会員。
著書に『IR戦略の実際』『IRの成功戦略』(以上、日本経済新聞出版社)ほか。

「2019年 『IRベーシックブック 2019-20年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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