フランス文学講義 - 言葉とイメージをめぐる12章 (中公新書 2148)
- 中央公論新社 (2012年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021489
作品紹介・あらすじ
近代小説は19世紀以来、「(かけがえのない)個人」に焦点を当てて発達してきた。物語の主人公が、神や王から、ありふれた個人に替わる時、イメージこそが物語の書き手と読み手をつなぐために必須のものとなったのだ。本書は、文学とイメージのかかわりを意識的に追求してきたフランス近代文学を素材に、私たちが物語を通して「見ている」ものは何か、そして書かれているものは何かを考えるものである。
感想・レビュー・書評
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ロランバルトとかぁ、ボードレールとか、なんかむずそォ〜って人にハイどうぞ!発見しかない本、この身体と文学って近いんだナ!ちょうどプルーストの章だけ残してて試験にプルーストでてきたので既存の知識かき集めてがんばりまる
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●近代小説は19世紀から「個人」に焦点を当てて発達してきたという。フランス近代文学から、その発達過程を解説している。
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S950.26-チユ-2148 300192705
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技術によってのみ、私たちは自分自身から抜け出して、ひとりの他人がこの宇宙をどんなふうに見ているかを知ることができる。それは私たちの宇宙と同じではなく、その風景は月世界のそれのように私たちには知られずに終わるところだった。芸術のおかげで私達は、たった1つの自分の世界だけを見るかわりに、多数の世界を見ることができる。(プルースト『見出された時』)
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アマゾンのご推薦により購入。
タイトルによらず、おもしろかったです。フランス革命からのフランス文学の表現法の歴史を見ながら、自分とは何かを12章。
野矢茂樹のことを思い出したよ。どの章も「自分」とはなにか、「自由」とは、「社会」とはと論理空間の中の定義・哲学を文学をもって表現しているみたい。
野矢さんがそれだけ生活に密着した哲学をしているということか、昔から言われていることを焼きなおしているだけか。
とにかく、フランス革命前後のフランスはいろいろ熱い!ってこと。 -
文学とは何か。文学は人をどのように捉えどのように表現しているのか。
フランス文学作品を素材として、歴史的変遷を論じている。
これは面白い。時代とともに小説がどのように人物を捉えていくのかがとてもわかりやすく語られている。 -
興味深い内容でした。書物を読んでいるときにふと時間を忘れ、自分を忘れ本の内容に没頭している時に、浮かぶのがイメージ。
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フランス文学門外漢のあたしでも、知っている有名どころの作家ばかりなので取っつきにくくはなかったです。文学をこういう視点で読み解くというのはなかなか面白く、フランス文学史と言うだけでなく、文学全般についても通用しそうなところが多々感じられました。著者の塚本氏は文体を見る限り、きまじめな先生のような感じを受けます。もし学生であったら授業の予習はたいへんそうですが、是非履修してみたい授業であると思います。中公新書なので書店では文庫・新書のコーナーに並んでいると思いますが、ぜひとも文芸書の海外文学コーナーにも置いてもらいたい一冊です。