フランス文学講義 - 言葉とイメージをめぐる12章 (中公新書 2148)

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  • 中央公論新社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021489

感想・レビュー・書評

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  • 技術によってのみ、私たちは自分自身から抜け出して、ひとりの他人がこの宇宙をどんなふうに見ているかを知ることができる。それは私たちの宇宙と同じではなく、その風景は月世界のそれのように私たちには知られずに終わるところだった。芸術のおかげで私達は、たった1つの自分の世界だけを見るかわりに、多数の世界を見ることができる。(プルースト『見出された時』)

  • アマゾンのご推薦により購入。
    タイトルによらず、おもしろかったです。フランス革命からのフランス文学の表現法の歴史を見ながら、自分とは何かを12章。

    野矢茂樹のことを思い出したよ。どの章も「自分」とはなにか、「自由」とは、「社会」とはと論理空間の中の定義・哲学を文学をもって表現しているみたい。
    野矢さんがそれだけ生活に密着した哲学をしているということか、昔から言われていることを焼きなおしているだけか。

    とにかく、フランス革命前後のフランスはいろいろ熱い!ってこと。

  • 興味深い内容でした。書物を読んでいるときにふと時間を忘れ、自分を忘れ本の内容に没頭している時に、浮かぶのがイメージ。

  • フランス文学門外漢のあたしでも、知っている有名どころの作家ばかりなので取っつきにくくはなかったです。文学をこういう視点で読み解くというのはなかなか面白く、フランス文学史と言うだけでなく、文学全般についても通用しそうなところが多々感じられました。著者の塚本氏は文体を見る限り、きまじめな先生のような感じを受けます。もし学生であったら授業の予習はたいへんそうですが、是非履修してみたい授業であると思います。中公新書なので書店では文庫・新書のコーナーに並んでいると思いますが、ぜひとも文芸書の海外文学コーナーにも置いてもらいたい一冊です。

著者プロフィール

東京大学教授

「2017年 『声と文学 拡張する身体の誘惑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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