フランス現代思想史 - 構造主義からデリダ以後へ (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023001

感想・レビュー・書評

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  • 【レヴィ=ストロース】
    フーコーは「構造なき構造主義」(ピアジェ)
    「真の構造主義が可能なのは、言語学と民族学だけ」

    特に音韻論の方法と類似した方法を用いて人類学を構築しようと意図している
    (ヤコブソンとの出会い)

    冷たい社会

    サルトル批判
    『弁証法的理性批判』における弁証法的な「全体化作用」←「野生の思考は全体化作用をもつ」
    レヴィストロースの批判によって(カミュやメルポとは違って)社会的な影響力を失った
    「歴史と弁証法」

    デリダからの批判 反民族中心主義

    論理記号の無意味性について

    【ラカン】
    鏡像段階論
    【バルト】
    ラングとスティルの中間項がエクリチュール(書き方)
    →のちにテクスト論へ
    【アルチュセール】
    プログレマティック(問題系)、重層的決定

    抑圧装置と再生産

    68年の根本経験から生まれた思想
    アルチュセール イデオロギー論『再生産について』
    フーコー 権力論『監視と処罰』
    ドゥルーズとガタリ 欲望論『アンチ・オイディプス』

    【フーコー】
    西洋の狂人はレヴィストロースの未開人と同じ状況?
    「構造論的歴史」(バルト)
    実存主義への回帰

    【ドゥルーズとガタリ】
    スキゾ(革命的)とパラノ(反動的)

    『アンチ・』欲望する諸機械
    『千の』リゾーム(非中心化システム、多様性と非等質性)
    欲望する諸機械→動的編成アジャンスマン

    リオタール『ポストモダンの条件』

    ネグリ『帝国』

    【デリダ】
    書差学グラマトロジー


    French theoryの受容
    日本と海外の違い

    ソルジェニーツィン『収容所群島』
    「ヌーヴォー・フィロゾフ」新哲学派

    フェリーとルノー『68年の思想』

    文芸哲学

  • サルトル以降のフランス哲学の主要人物が紹介され、その思想のエッセンスが解説された本。難解な表現が「分からない」ことに悩み、なんとか「分からねば」と思っていたので、表現の分からなさこそに意味があるとしれました。

  • 読了。フランスは思想史上かなり重要な位置を占めていることが痛いぐらい分かる一冊。構造主義からポスト構造主義、そしてさらにその先に至るまで、なぜフランスがこれほどまでに大きな位置を占めたのか。とはいえ「フランス現代思想」といったところで一枚岩ではないので、論者によって全然違う理論を言っていたりもする。ただ、下の引用にあるように、共通なのは「近代批判」であり、さも与件のように思われていた西洋近代を相対化し、新たな思想の地平を築いたところにフランス現代思想の最大の功績があるように思う。
    フランスに興味がなくても、哲学や思想に興味がある人は必読。

    「〈フランス現代思想〉というのは、構造主義から始まって、ポスト構造主義へといたり、さらにはそれ以後の展開も含めている。そのとき共通の指標となるのは、「近代を問い直し、それとは別の可能性を構想する思想」であることだ。〈現代思想〉であるのは、「近代批判の思想」であることに存している。〈フランス現代思想〉家たちは、それぞれの研究領域にしたがって多様な議論を展開するが、「近代批判の思想」である点で一致している。」(3088)

  • 面白かった。
    『ポスト・モダンの条件』が、構造主義/ポスト構造主義の否定の書である事を新たに知る。
    ポスト構造主義以降に1章割かれているのは貴重。

  • 「世界の哲学者たちが考えていること」と同じ著者の先生。
    レヴィストロース、(ソシュールの後の)ラカン、アルチュセール、フーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダが対象。コンパクトにまとまってて、読みやすい。興味をそそられるので、原著にもあたってみようかしらとも思ってしまう。

    まさに今の時代を、20年近く先取りした予言めいた言葉がたくさん。スマホ、Facebook、TikTok、サブスクリプション。いずれも彼らの死後に登場した21世紀の技術だが、ドゥルーズやデリダの言葉は、まるでそれを見てきたかのようだ。
    本書の最後には更にその先を予言した言葉も引用されている。本当にそうなってしまうのだろうか。そうではないと信じたい。
    だけど、アメリカや日本におけるポリコレ的な他人の粗探し、そしてそこからの誹謗中傷、言論封殺、自粛警察、などを見ると、曲学阿世の輩の戯れ言などとして無視することはできない。哲学というと抽象的な学問というイメージだけど、〈フランス現代思想〉からは具体的な現場のリアリティが漂ってくる。

  • フランスのポストモダニズムを代表する思想家と、彼らの活躍した時代について、コンパクトに解説している入門書です。

    構造主義やポスト構造主義と呼ばれる代表的な思想家たちについて、ひととおりの解説がされています。新書サイズの分量で、レヴィ=ストロース、ラカン、バルト、アルチュセール、フーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダをまとめてあつかっているので、立ち入った説明を求めるべきではないのだろうと思いますが、たとえば生権力をめぐるフーコーの思想やドゥルーズ=ガタリの管理社会論について、明瞭な答えがあたえられていないと断じていることについては、すこしがっかりさせられてしまいます。それではいったい彼らの思想にどのような意義があるのか、という疑問のなかに読者を置き去りにしてしまうのではないでしょうか。どのような読み方が可能なのか、せめて著者自身の解釈を積極的に示してほしかったように思います。

    ただし、フランスにおけるポストモダン思想の凋落について、時代背景を踏まえつつ解説しているところは、おもしろく読めました。新書ということもあり、それほどくわしい考察が展開されているわけではないのですが、類書には見られない本書の特色といえるように思います。

  • ドイツみたいな観念哲学でも無く、アングロサクソンの分析哲学でも無く、文芸哲学のフランス。

  • 資本主義、民主主義などの予習も兼ねて。一度読んだくらいでは全く理解できなかった構造主義、ポスト構造主義の作家たちの再理解のために手にする。本当ならば、じっくりと腰を据えて取り組むべきなのは重々承知しているのですが、サブテキストを梯子するのも遠回りのようで結構理解が深まるので馬鹿にはできません。もちろん、それにはそれが良書であることが大前提ではあります。と、まどろっこしい言い回しになりましたが、全体を俯瞰するにわかりやすい好著です。
    彼らの文章が難解である理由として、芸術や文学としてのアプローチであったという指摘にも大いに納得しました。とはいえ、たとえそうであったとしても余りにも意味不明過ぎるような気がしますが。それ故に、ソーカル事件が痛快極まりなく感じられます。75

  • 時系列と影響関係から思想家を概観でき、どのような時代背景(特に1968年5月革命)が影響し、思想の意義や、用語として定着するに至ったかを史実的に書かれている。特定の立場からでは無く、批判関係や類似の概念との比較、他国から見た位置付けなど、分析が丁寧でわかりやすく、客観的に書かれているので、入門書としてはかなりありがたい。原書の文章の難解さが、フランス現代思想特有のレトリックであると言い切れるのも、著作を読み進めるに当たって心強い。

  • 【由来】
    ・新書アラートかamazonで「フランクフルト学派」中公新書の関連本か

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

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著者プロフィール

玉川大学文学部名誉教授。九州大学大学院文学研究科単位取得退学、博士(文学)九州大学。専門分野:哲学・倫理学。主要業績:『異議あり!生命・環境倫理学』(単著、ナカニシヤ出版、2002年)、『ネオ・プラグマティズムとは何か』(単著、ナカニシヤ出版、2012年)

「2019年 『哲学は環境問題に使えるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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