崖っぷち弱小大学物語 (中公新書ラクレ 152)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121501523

感想・レビュー・書評

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  • 身につまされました。
    一教員として、自分にできることからやっていきたいとの思いを新たにしました。
    しかし悩みもつきません・・・

  • 著者は京都大が長く、現在は東海学園大教授ということで、いかにも弱小大学がその大学を指しており、学生のレベルが低いことを繰り返し語っているように感じ、それでいいのかなぁと思わされた次第。しかし、そのような学生の授業料により大学経営が支えられているということを自分自身にも言い聞かせているように感じました。それだけ、少子化による大学経営の深刻な危機が迫っているのですね。教官相互による講義参観というアイディアも面白いですが、もっと抜本的な何か「改革」が必要なのだと思われてなりません。そしてこの学生レベル低下という危機は恐らく東大などのビッグ・ネームにとっても同じ現象が多かれ少なかれ起こっているのだと感じました。大学事務局に勤める人の指針として書かれた本ですが、その意味では今ひとつでした。

  • 著者が勤務している大学でのエピソードを交えながら「弱小私立大学」はどうするべきかや、大学全体はどうあるべきかというコトについて書かれている。読みやすい。

  • ・社会が望む大学とは、社会に役立つ人材を育てること
    ・社会に役立つ人材とは、①ルールを守れる、②社会の常識を理解できる、③集団の中で調和がとれる、④1~3を踏まえたうえで、自分で考え、判断できる 人材である。
    ・社会の常識を理解するためには、読み書きそろばんや知識・考える力が必要である
    ⇒要は、「教養のある人」に育てること。

    ・教職員は学生と同じ地平に立つこと。

    ・資格や就職だけを売りにするなら専門学校と変わらない。
    大学は人を育てることを忘れてはいけない。
    学生のために大学があるということを忘れてはいけない。

  • 2012 1/8読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
    大学論関係の棚付近を歩いていて見つけ、手に取った本。
    京都大学でずっと研究中心の生活をしていた著者が、東海学園大学に引きぬかれ、人文学部の学部長としての経験の中で受けた衝撃を綴った手記。
    少子化⇔なのに大学は増えた、という現象の問題を指摘している割には、愚痴っぽいところが多いと言うか、「著者の求める学生像はもう前提からして難しいってわかっているのでは?」と思う部分もある。
    あるのだが、反面、要所ごとに出てくる学生の実態にはやはり愕然とすることもある。
    そうか、「列挙」ってなんのことかわからないのか・・・。

    「これじゃダメだ」という強い危機意識と、改革の方向性の指針は出ているのだが、その後どうなったのか・・・ってもう2006年には退職なさっているのか。ふーむ。

    むしろ霊長類学者としての著者の業績に興味が出てくる本でもある。

  • [ 内容 ]
    大学を出てから専門学校に「進学」する学生、引きこもり学生の家庭訪問をする教員…。
    半ば無視されてきた「普通」の学生の実像を、現役教師が探る。
    次世代を担う彼らと向き合うべし。

    [ 目次 ]
    第1章 変貌した大学
    第2章 学生は大学に何を期待しているか
    第3章 教員にとって大事なのは教育か研究か
    第4章 経営者と事務局にとっての大学
    第5章 学長の資格
    終章 教育とは愚直に進めるもの

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    [ 参考となる書評 ]

  • 教員はサービス業であることをもっと自覚するべきだ。

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著者プロフィール

京都大学名誉教授・東海学園大学人文学部長

「2000年 『霊長類生態学 環境と行動のダイナミズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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