ルワンダ中央銀行総裁日記 (中公新書 290)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121902900

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  • “ルワンダ滞在中、中央銀行総裁としては珍しく「現場の人」であり続けたところに、開発援助問題における氏の哲学として常に現地の「人」が意識されていたことを改めて想わざるをえない。“

    本編に追加された増補論考記載のこの一文に、著者の顕著な功績が端的に表されている。途上国支援・援助というと、とかく「援助してあげている、教えてあげている」というような上下関係意識や、施す側・受ける側という意識が生まれてしまいがちなように思う。今から50年も前の時代に、開発援助に必要な本質的な考え方を持ち、何よりも現地のためにということを真に一番に考え続けて持続的な発展に貢献した著者の考え方や行動は、驚くほど今にも通ずる姿勢であろう。自分自身の海外勤務時のわずかな経験と少し照らし合わせつつ読むと、考えさせられたり省みさせられる部分が多くあった。

  • 読み応えがあり、財政的な考察などは知識がなくて理解できない点もあったが、非常に面白かった。

    もっとおもしろおかしく書いた本かと勝手に想像していたが、硬派のノンフィクションであった。タイトルにある「日記」ではない。

    日本人がアフリカの小国ルワンダの中央銀行総裁となり、財産改革をしていく。
    初版が1972年で、60年代の話だけど、考え方、進め方は論理的で、信念を持って現地のためを考えて進めていく。日本の人材はすばらしく、すごい人がいたんだなと思う。

  • 具体的な政策についてはなかなか難しくて、読むのに苦労した。
    ただ、著者は教科書通りの政策ありきではなく、ルワンダの人から直接話を聞いて、彼らが自活するにはどうするのが良いのかということをまず第一に考えて、手を打っていたのだということは良く分かった。

  • 昭和47年に刊行された本書が今もって読み継がれているのは、いつの時代であっても、仕事をする上で大切なことを読者に教えてくれるからだろう。

    たとえば、著者は外国人や現地のエリート職員の言葉をうのみにせず、客観的に物事を判断していく。実際に自分で商人や農家に話を聞いて、施策を打ち出していく。軽快な語り口で文章のテンポがよいので読みやすい。経済のことが十分にわからなくても楽しむことができる。

    また、著者は単に真面目で愚直な銀行家というわけではない。緻密な戦略家でもあり、改革案を確実に実行していくためには、政治的なパワーゲームもしっかりこなしていく。政治家に進言するタイミング、IMF年次総会での根回しなどなど。現地で市井のまなざしを忘れない一方で、大所高所から行動し、改革案を実行していく様は痛快ですらある。

    海外で仕事をする人、開発援助に携わっている人、外国の方と仕事をする機会がある人ではなく、人と仕事をする機会がある全ての人に参考になる本だと思う。

  • 金融や経済面から未開地を発展途上国にしていく。
    弱小サッカーチームを育て上げていくような感じ。
    難しいことをわかりやすく説明することの大事さ。
    また、ルワンダの虐殺事件を表面的に受け取っていたことの反省。

  • 「プロフェッショナリズム」を感じた一冊。内容的には難しい点もありましたが、事実を書き連ねる筆が強い。欧米からの差別、我が国における、そして個人間での差別ありますが、「本物のプロ」「本物の知性」は、表層的な薄っぺらい仮面をぶち破ることができる、ということだと理解しました。著者による「増補1」は必読。私ももっと知らなければ。知らないことの罪は深い。自戒。

  • 金融の詳しいことは全然分からなかったけど、面白く読めた。人間関係の作り方などは下手な啓発本より参考になるんじゃないだろうか。

  • 一つの国を立ち上げるのは大事なこと。
    経験を聞けるチャンスに感謝。

  • 当時の国家の発展途上の中で、著者の丁寧な仕事ぶりが窺える。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00171866

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