日本文化論の変容: 戦後日本の文化とアイデンティティー (中公文庫 あ 5-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033993

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  • 文化人類学者の著者が、戦後の日本文化論の変容を丁寧に解説。
    代表的な日本論の個々の解説という体裁ではなく、
    一定の時代区分に分けて、その変容について論じている点が特徴。検討の深さは群を抜いている。吉野作造賞受賞のロングセラー。
    (目次)
    1 戦後日本と「日本文化論」の変容
    2 『菊と刀』の性格
    3 「否定的特殊性の認識」(1945~54)
    4 「歴史的相対性の認識」(1955~63)
    5 「肯定的特殊性の認識」前期(1964~76)、後期(1977~83)
    6 「特殊から普遍へ」(1984~)
    7 「国際化」の中の「日本文化論」

    (追記)
    第1期「否定的特殊性の認識」(1945〜54)
    『菊と刀』ルース ベネディクト
    『日本社会の家族的構成』川島武宜
    『堕落論』坂口安吾
    『気違い部落周遊紀行』きだみのる
    丸山真男による日本ファシズム論

    第2期「歴史的相対性の認識」(1955〜63)
    『雑種文化』加藤周一
    『文明の生態史観序説』梅棹忠夫

    第3期「肯定的特殊性の認識」(1964〜83)
    『「甘え」の構造』土居健郎
    『ジャパン・アズ・ナンバーワン』エズラ・ヴォーゲル
    『タテ社会の人間関係』中根千枝
    『恥の文化再考』作田啓一
    『日本の経営』尾高邦雄
    『文化防衛論』三島由紀夫
    『文明としてのイエ社会』村上泰亮・公文俊平・佐藤誠三郎

    第4期「特殊から普遍へ」(1984〜)

著者プロフィール

1938年東京都生まれ。文化人類学者。東京大学大学院修了、大阪大学で博士号取得。東南アジアをはじめ各地でフィールドワークに従事。元文化庁長官、大阪大学名誉教授、前国立新美術館館長。主な著書に、『儀礼の象徴性』(1985年、岩波書店、サントリー学芸賞)、『「日本文化論」の変容』((1999年、中央公論新社、吉野作造賞)などがある。

「2023年 『佐藤太清 水の心象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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