聯愁殺 (中公文庫 に 18-1)

著者 :
  • 中央公論新社
3.13
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本棚登録 : 893
感想 : 145
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053632

感想・レビュー・書評

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  • 四年前の未解決事件を解決する為に集まったミステリーマニアたちと事件の被害者。次々と推理が披露されますが、こじつけ気味で突っ込みどころ満載です。かなり食傷気味でした。
    しかし、終盤でそれまでの印象が覆りました。「多重解決もの」のパターンを利用した大仕掛けは前例がなく素晴らしい切れ味でした。推理合戦の質が低いのと本来の謎が未解決に終わり多少の不満は残りましたが、ラストに炸裂した著者の超絶技巧は賞賛に値すると思います。

  • 日経文芸文庫のマストリード国内100にて推薦されていた1冊。
    選者の千街晶之氏によれば、西澤保彦作品からどれを選ぶかは迷ったようである。自分も過去に何作か読了しており、作者の作風、特徴的なものはなんとなく理解できていたかな?まぁここは自分に甘く採点しておこう。

    過去の事件を様々な人々が推理していく、毒チョコ事件的展開で物語が進む。事件の発端を描く導入部を除けば、ほとんどが一夜の出来事である。トリッキーな作品を多く生み出してきた西澤氏であるが、またもやトリッキーな作品だった。

    千街氏の紹介にもあったが、「そして肝心の真相だけれども、正確に言い当てられる読者はまずいないだろう」ホントにそう思う真相だった。

    読了後に考察してみるに、WHY?が常に突きつけられる。どうして被害者の女性(ヒロイン)は殺されかけたのか?連続殺人のミッシングリンクはあるのか?動機は?いくつもの「なぜ?」が登場し、解決しようとすると次の「なぜ?」がまた現れる。それが読者を落とし入れる罠(トラップ)だったんだよな…まぁとにかく作者の手腕技量に降参するしかないようだ。

    こういう作風ではまずハズレなしの職人さんですね。

  • 初めの謎で興味を引き、途中のドタバタで少し飽きるが最後にあっとする。ある謎は?だが作りが良い。本格ミステリというと疑問だが一気に読んだ。

  • かなり序盤で飽きました。
    落ちもいまいち。

  • オリジナルは02年にミステリー・リーグとして
    発売された作品。西澤さんといえばロジック
    大好きなイメージですが、今作はきっと
    その真骨頂でしょうね。

    連続殺人事件の被害者となった主人公「梢絵」は
    すんでのところで命が助かる。しかしその
    犯人と目される人間はその後4年以上も消息不明。
    梢絵は何故、自分が殺人犯に狙われる事になったのか...
    その動機を解明すべく「恋謎会」なるミステリ知識人達
    の集まりに参加をする...。という内容。

    作品は11章から構成されていますが、
    2〜9章までが、胡散臭いミステリ好きに
    よる推理大会。スクラップ&ビルドによる
    クッチャクチャな推理大会。シリアスな
    事件なのにギャグスレスレの展開です。

    ラストにここまで展開されていた所謂
    「解決編」が単純な解決編ではなく、実は
    「問題編」としての役割がされていて、
    今作の最重要の「何故?」という動機が
    浮き彫りになった時点で、一気にストーリーは
    様変わりし、戦慄のラストへと変貌を遂げます。
    やはり作者の真骨頂的、ウルトラCの作品。

    ちなみに登場人物が軒並み変名、珍名ですが
    実は意味が大きくあります。推理合戦の中に
    ある方がそれに触れていますよ...ね?

  • 推理合戦はなかなか楽しかった。

  • モンスターはモンスターを産む

  • 【恋謎会】で、繰り広げられる推理、謎解き、考察。誰の考えが的を射ているのか読んでいったが、誰も真実にはたどり着けない、結局犯人が何を考えどうしてそのようにしてしまったのかなど、部外者が分かるはずもないまま終わっていくのだろうなと、途中から思ってきて、他には、双侶の情報の出し方とか気になって読んだりはしたけれど。

    読む前はなんとも思わなかった最後のタイトル、読み進めていくうちに、なんとなく犯人が分かってしまったのが、残念。

    登場人物の名前が、スッと入ってこなくて、何度も確認しながら読まないといけなかったので、話に集中するのに少し時間がかかった。ひとりも触れてこなかった名字なので…。

    p201 -10~11

  • 記録

  • 4

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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