- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122054257
感想・レビュー・書評
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希和子の行為は犯罪で、到底共感できないはずなのに、責めるどころか、逃げ切れればいいのに、と思ってしまう自分がいる。
薫への強い愛情があり、薫自身もそれを感じている。
だからこそ胸を打つものがあり、救われる気がした。
http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-c730.html-
同じように、「逃げる女」をテーマにした角田光代の「紙の月」という作品も、お勧めです。(今、ドラマが放映されてるけど)同じように、「逃げる女」をテーマにした角田光代の「紙の月」という作品も、お勧めです。(今、ドラマが放映されてるけど)2014/01/15
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>hongoh-遊民さん
おお、情報ありがとうございます!
今のクール、好きな原作の映像化が多いので、
たくさんドラマを見てます^^>hongoh-遊民さん
おお、情報ありがとうございます!
今のクール、好きな原作の映像化が多いので、
たくさんドラマを見てます^^2014/01/16 -
2014/01/16
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角田光代さんの本は初読み!
おもしろくてすらすら読めました(^_^)
誘拐のお話なのになんだか切ないなぁ〜。途中希和子と薫が入った宗教団内エンジェルホールのシーンは怖かった。
他の蝉には見られなかったものをみられるのが「八日目の蝉」 -
最初から引き込まれる。
事件が起こり、不思議な親子はどうなっていくんだろうと思いながら読み続けてしまう。
誘拐された子はどちらの母親といるのが幸せなのだろう。と考えてしまう。
親子の愛がとっても温かいのに切ない。
そして不器用な人達。
本当の母親も、誘拐した母親も、子どもたちも誰も憎めない。
終わり方も素敵!!
久々にすごく面白い本を読んだなぁ、と思う一冊でした^ ^ -
自分を育ててくれた母親は、誘拐犯だった。
前半部分は、行き当たりばったりな逃亡生活が多少だるかったですが、
後半視点が変わった部分からとまらなくなりました。
題名につながる「八日目の蝉」のくだりが素敵だと思いました。
文庫のあとがきの最後に「読み終わった後は、どうしようもない全ての登場人物をいとおしく感じるだろう」とありましたが…ほんとうにそうか?!
どう考えても父親は本当に救いようのない男だし、
母親も非常に自分勝手で母親失格でしょと思うし、
育ての親も行き当たりばったりすぎて不幸すぎるでしょって感じだし…
あとがきには文句を言いたい。w -
10代の頃に観た映画は断片的な記憶しか無い中、同僚が「小説の方が泣ける!」と息巻くので拝読。
憎き者達の間に産まれた赤ん坊に対し突如として湧き上がる母性は理解しかねたが、守るべき物を手放した者の心境として真理だろうか。
結末を知りながら、とても面白く読めた。 -
1985年のある日、若夫婦が出かけたアパートへ忍び込む希和子。
じつは不倫相手・秋山の妻が生んだ子を見て、気持ちにふんぎりをつけるつもりだったのだが…
泣き出した赤ちゃんをとっさに抱えて思わず逃げ出し、転々とすることに。
何も知らず懐いてしまった子どもに、生めなかったわが子の名・薫とつけて可愛がります。
転がり込んだ集団エンジェルホームに警察の手が入り、小豆島へと逃げるのですが…
逃げていく様についハラハラ、逃げ延びて欲しいような気持ちにさせられます。
発見されて親元に帰された子ども・恵里菜(本名)は、どうなったのか?
母だと思っていた人間が誘拐犯と知らされて、実の親にもなかなかなじめないまま、子ども仲間でも遠巻きにされて育ちます。
誘拐事件とその報道のひどい内容で、壊れかかっていた夫婦。
ここでまた微妙な問題を抱え込んで、どこかぎこちない家庭が築かれていった様子が次第にわかってきます。
実際にあった有名な事件を幾つか想起させつつ、さまざまな立場の人間のありようを丁寧に掬い取るように描いているのがおみごと。
少しずつ救っていく展開で、しみじみとした気分になります。 -
なぜ私は「私」を引き受けることになったのか。
そうか、きっと皆ずっとそうおもってきたんだ。
私にはこれをお腹にいる誰かに見せる義務がある。私が見たことあるのも、ないのも、綺麗なものは全部。もし、そういうもの全てから私が目をそらすとしても、でもすでにここにいる誰かには手に入れさせてあげなきゃいけない。だってここにいるこの子は私ではないんだから。
「その子は、朝ごはんを、まだ、食べていないの、」
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これは心にずっしり来るなあ。。
小豆島に行った時に、本作品の映画をかなり推してたので、試しに手に取ってみたらイッキ読みでした。
子供を育てるという事、家族のありかた、愛のもつれ、考えるだけで苦しくなるような事ばっかりでしたが、千草も恵理菜も自分を見つめ直して、辛いことばかりじゃないと強く考えて、母親をやり遂げようとする姿は心打たれました。
希和子もいつか小豆島に行けるといいな…。