その妻 (中公文庫 あ 61-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 138
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056480

感想・レビュー・書評

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  • うーん、何の捻りもない、面白味のない本だった。
    明野照葉にしては内容が薄い。
    好きな作家でも作品にはムラがある事を認識できた。

  • 著者の作品を読むのは初めて。融也の不倫により愛情が憎しみに変わる聡乃の心理描写が、こういう風に考えてもおかしくないなと納得でき、とにかく怖かった。

  • やたらとサスペンス調だったけど、要するに夫が不倫して孕ませた女を妻が殺しにいくっていう話です。それだけ。
    盛大なネタバレだけど、最所の数ページですぐに分かってしまうし、何の面白味もありませんでした。
    ただ、ラストにほんの少し妻の本当の思惑なんかが明かされたりとかします。
    それにしても、出てくる人物が誰も彼もしょうもなくて最後まで腹立たしかった。
    エピローグまで延々と続く妻のデモデモダッテの一人相撲にはさすがに辟易。
    括弧書きの心の声も、なんだかライトノベルみたいで好きじゃないです。

  • 専業主婦を夢みる妻、聡乃。甲斐性はないが優しい夫、融也。余命わずかな女性デザイナー、モナミの介入によって夫婦の幻想が奪われたとき、聡乃は変貌する。鬼となった女の大胆不敵な罠とは…。モナミの殺人。奇妙だけどうす怖い内容、狂気って凡人にもあるんだな。

  • 旦那が余命幾ばくもない女の元へ死を看取るために出てったけどなんか女元気にフルコース食べてるしその上旦那の子を妊娠してるしで妻がブチ切れる話。

  • その妻はある女を殺そうとしていた。
    その妻の名は聡乃。
    殺そうとする相手の名はモナミ。

    兼業主婦の聡乃の夢は専業主婦になる事。
    しかし、夫の融也は転職を繰り返し経済的に不安定なため中々その夢は実現しない。
    しかも、厭世的な夫はこんな世界に自分の子供を送り出したくない、として子供を作る事も拒否している。
    そんな夫がいきなりとんでもない事を言い出した。
    世話になった人気デザイナーのモナミが余命いくばくもないと診断された。
    だから仕事を辞めて1年の間、モナミに付き添いたいと言う。
    普通ならとても承知できない話。
    でも何があろうと自分の考えを押し通す夫を普段から知っている聡乃は素直に承知してしまう。
    だが、その後モナミの事を知っているデザイナー関係者から信じられないような事を聞かされて彼女の心は疑心暗鬼に陥る。
    さらに絶対に許せない真実を知った彼女はモナミに殺意を抱く。

    これ、普通だったらありえないだろう~という話だと思います。
    自分の夫が期限つきとは言え、仕事を辞めてまで別の女性と暮らす事を承知するなんて・・・。
    そんな事を普通に言う夫も信じられない。
    だけど、この話を見ているとそうしてしまう主人公の女性の気持ちが理解できました。
    その部分がものすごく丁寧に描かれているからです。

    でもあまりにその辺の心情ばかりが書かれていて、実際に起きる出来事には大した変化がないので退屈な話だと思いました。
    とにかく、グダグダ、グダグダ、心の中で煩悶している。
    それがずーっと書かれているという感じ。
    ラストに行き着くまでモナミと直接対決するという場面があればスカッとする話となっていたと思うんですが・・・。

    大体、1年間も人のダンナを「借りる」くせに、1本の電話もよこさないような非常識な女性ってどうなん?と思います。
    普通に考えて・・・。
    私だったらその時点でもう怒り心頭って感じで、すぐにその女の所に乗り込んで行ってると思う。
    そんな訳で、主人公の心情は理解できるけど、スカッとしない後味の悪い話でした。

  • 本当にしょーもない旦那。。。
    しょーもない旦那でも、ずーっと一緒にいると、、そういう気持ちになっちゃうんだろうな。。
    ラストはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、よく分かんないけど、、こういう終わり方にするしかないかな・・・。

  • うーん、こんな旦那がいるかな、設定に疑問ありかな(笑)

  • 【専業主婦を夢見る妻、聡乃。甲斐性はないが優しい夫、融也。そして余命わずかな女性デザイナー、モナミ。モナミの介入によって夫婦の幻想が奪われたとき、聡乃は変貌する。鬼となった女の大胆不敵な罠を、あなたは見破ることができるか?】

  • 設定に無理があるし、登場人物の行動もあまりにも不可解。
    それでも、この夫婦の気味悪いほどの共依存的関係に、つい怖いもの見たさでひきこまれてしまった。なんとも言えない後味。

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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