怒り(上) (中公文庫 よ 43-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122062139

感想・レビュー・書評

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  • レビューは下巻に記載

  • 下巻への良い布石でした。

  • 2016/5/30あっと言う間に読めた。後半が楽しみ。★4

  • 読み始めてすぐに「あの事件?」と気づきました。三人の身元不明の男のうち誰が犯人なのか、事件を知っている人なら予想できるので、ミステリーの要素は少ないのですが、それでも十分楽しめます。特に愛子の父親の娘を思う複雑な気持ちには非常に共感しました。個人的にはゲイカップルの話はピンと来なかったです。

  • 特に印象に残ったフレーズの引用です。


    この前 、チベットの僧侶が焼身自殺したってニュ ース見たんだ 。死ぬほど嫌だって気持ちって 、いったいどんな気持ちなんだろって思った 。すげ ー悔しいとか 、悲しいとか 、情けないとか 、そんな簡単なものじゃないんだよな 。俺は本気なんだって 。本気で怒ってるんだって 。でもさ 、それを死なないで相手に伝えることってできないのかなって 。 … …でも 、無理なんだろうね 。その本気っていうのを伝えるのが一番難しいんだよ 、きっと 。本気って目に見えないから … …

  • 殺人事件の犯人かもしれない3人の男たち。
    それぞれが周囲に溶け込めば溶け込むほど、あー殺人犯かもしれないのに、いいの?仲良くしてたら何かされるかもよ?とドキドキ。

    とても読みやすいのでサクサク進みました。

  •  吉田修一なので購入。『悪人』を超えることはなかったような・・・映画、まだ観てないな・・・

     読後随分と経ってしまって、内容を詳しく覚えていないので・・・とりあえず読了の記録に留める。評価は当時の読後感を思い出しつつ記す。

     レビューさぼってて、いつ読み終わったか覚えてないので、読了日は、後続レビュー前の、2018年10月1日で登録。

  • 八王子で起きた殺人事件。
    殺害現場には惨殺された被害者の血文字で「怒」という文字が残されていた。
    逃走を続ける犯人。逃げ続ける犯人「山神一也」はどこにいるのか?
    事件から1年が経った夏、物語は始まる。
    千葉の漁協で働く父娘の前に現れた男
    都内で一人暮らしを楽しむゲイの前に現れた男
    流れ流れて沖縄で生きる母娘の前に現れた男
    どれもがあやしく、どれもがふつうの前歴不詳の男。少しづつ、家族に、町に溶け込んで行く男達。犯人は誰なのか、全員が山神一也なのか、交錯するストーリーに読みながらグイグイ引き込まれていく。犯人を追う刑事にも葛藤がある。老猫を介したもどかしいほど脆いつながり。真実を追いつつも最後に踏み出せない焦りやいらだち。

    警察の必死の捜査にもかかわらず山神一也の幻影は影を踏ませない。
    それでも警察は1つ1つ地道な捜査で一歩一歩山神を追いつめてゆく。

    前歴不詳の男との生活はそれぞれが自分を無理に納得させ、不安に蓋をして過ごしていた。
    しかしTVの報道を見て家族たちは動揺する
    「もしかして?」
    打ち消しても打ち消しても浮かぶ疑念。愛情や信じる事、何度も自問自答するが疑念が疑念を呼びそれぞれが出した結論は・・・

    人を殺したいほどの怒りはどれだけの熱量なんだろうか。「怒」と書き残すほどの怒り。
    想像ができない。ただそれを想像できないのは爆発するほどの怒りを自分がまだ知らないからだけなのかもしれない。そう、まだ。しかしその爆発する融点は人それぞれなのだからきっかけ次第で誰しもがその境を乗り越え殺人者に代わってしまう。ふつうの人ほど簡単に。そう自分も。逃げ続ける殺人者も日常を過ごしている。そこには友情も愛情も信頼も存在しているかもしれない。不安定ないつ崩れるかもしれない砂上の楼閣と知りながら。
    人を信じるって何だろう。真実を求めると喪われる儚い幸せの事を想う。それでも
    最後に掴んだ儚い幸せ、希望。自分はその時に信じる事が、信じ続ける事が出来るだろうか。彼等の歯車が何処で狂ったのかをもう一度読み返してみる。
    自分を見失わないように 

  • 始めの殺人事件から、3人の身元不詳者が現れる展開はおもしろかった。けれど、目まぐるしく、3人について場面が切り替わり書かれているため、少し読みづらくなかなか読み終える事が出来なかった

  •  冒頭からいきなり「あれ」そっくりの事件が描かれたと思ったら、やがて「あれ」も、「あれ」も!……(゜o゜;
     10年後20年後の読者にはそこらへんがよく分からなくなってるかもしれないから、モデルになった実際の事件の記憶がまだ生々しい「いま」読むことに大きな意義のある作品かも( ´ ▽ ` )ノ

     しかし、息苦しい小説……(´ェ`)ン-…
     出てくるキャラ出てくるキャラ、みんな(手垢のついた表現ながら)生きることに不器用で、自ら不幸へ不幸へ転がっていってる感……(´ェ`)ン-…
     共依存というべきか、またそういう者同士が惹かれ合って、不幸を倍加倍加させていって……(´ェ`)ン-…

     視点があっちこっちして少々しんどいところはあるけれど、読み応えのある作品( ´ ▽ ` )ノ
     下巻がたのしみ( ´ ▽ ` )ノ

    2019/02/08



     これで我がブクログレビューも500本めか( ´ ▽ ` )ノ
     たしか400本めも修ちゃんだったから、なかば意図的に今回も彼の作品を選んだ( ´ ▽ ` )ノ
     どうせだから、600、700本めも修ちゃん本にしようか?( ´ ▽ ` )ノ

    • きーちゃんさん
      ブクログレビュー500件目、おめでとうございます!節目節目のレビューが吉田作品という事でつい、コメントしてしまいました(笑)私も怒り読みまし...
      ブクログレビュー500件目、おめでとうございます!節目節目のレビューが吉田作品という事でつい、コメントしてしまいました(笑)私も怒り読みましたが、本当に不器用なキャラクター多いですよね(*_*)なんでしょう、自分の気持ちを伝えることも生きることに関しても。そして、例の指名手配犯なんじゃないか?ってそれぞれのキャラクターが疑うところも、この作品の不気味さ?を引き立ててると感じましたし、目の前の人間を信じる事の難しさも痛感する作品ですね。吉田作品だと他に、横道世之介も好きです!あ、長々と失礼しました。
      2019/02/08
    • zerotester21さん
       ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
       本書を読んでるとどうしても、「例の指名手配犯」の顔写真が頭にチラついちゃいますね( ´ ▽ ...
       ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
       本書を読んでるとどうしても、「例の指名手配犯」の顔写真が頭にチラついちゃいますね( ´ ▽ ` )ノ

       いずれ読もうと思っていたし、600本目は「横道」にすべく努力します( ´ ▽ ` )ノ
       たぶん1年半くらい先の話になるだろうけど( ´ ▽ ` )ノ

      2019/02/10
      2019/02/10
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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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