サーカス団長の娘

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制作 : Jostein Gaarder  猪苗代 英徳 
  • 日本放送出版協会 (2005年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140054758

サーカス団長の娘の感想・レビュー・書評

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  •  ストーリーテラーの天才・ペッテルが、自分の考えたお話を作家たちに売りつける……といったおはなし。ゴーストライターというのとは、ちょっと違う。警句を除いて、彼が売るのは基本的にプロットで、完成は作家にまかせる。
     とても贅沢な小説だった。入れ子になっている梗概のひとつひとつをとっても、面白い小説が書けそうなくらいだ。職業作家がこの小説を上梓したということ自体、ほとんど驚くべきことのように思える。

     ペッテルの行為はべつに犯罪ではない。しかし、彼はあまりにも他人を侮っていたと思う。自分だけが特別だと思い込んでいた。こないだ読んだ、伊坂幸太郎『マリアビートル』の王子や、貴志祐介『悪の教典』の蓮実のように、他人の心を弄んでいる――彼の創造した物語の一部であるかのように。
     それに思い至らなかったから、ペッテルは、みずからの糸に絡めとられてしまう……。
     結末のできすぎ感は否めなかったが、それでもじゅうぶん価値がある作品だと思えた。

     ペッテルは非常にいけすかないヤツだと思うのだが、彼の発する言葉にははっとさせられる。
     これを、作家は、また作家志望の人はどう読むのだろう? と興味を持った。

    原題:Sirkusdirektørens datter

  • 児童書じゃぁ無かった!!

    物語が無限に沸いてくるテッペルという人間の人生。
    筋立てとしてはテッペルが自伝をかいているという雰囲気で
    進んでいきます。

    タイトルの「サーカス団長の娘」は作中作として
    登場し、あとあとまで複線として張られています。
    むしろ、複線ではなくそのままの意味でというべきか・・・。
    読者としてはこの物語がどのように進むかは
    容易に想像できてしまうのが残念でした。

  •  作品そのものに対して主人公の発言が皮肉すぎた。読んでる間リアルタイムで読んでる作品をバカにされている心地がしていやな気分だった。
     どうせここまでバカにするならもっと奇抜な作品にして欲しかったなーという印象。物語の因果が整いすぎていたと思う。心理学をよく取り入れているな、と感じたけど、「ベストセラーの原案をばんばん出す主人公」がたどる人生としては普通すぎる気がする。
     なんか散々に言ったけど、一言にまとめると「好みじゃない」ってことなのだわ。因果が整いすぎてるって思うくらい話はよく練られてた。

  • 物語の神になりそこなった男の物語。原因は愛。
    入れ子式の小説が面白くもあり。放漫な男の人生が痛々しくもあり。
    オチにつながるキャラクタが登場した瞬間にネタバレしちゃうのが惜しいな。

  • ペッテルの溢れる才能と人を惹きつける力、隙のない経営力そして影のある存在感がたまらなく読んでいて楽しかったです。これを読んでから売れてる作家さん達ってペッテルからネタ買ったのかな~なんて想像してしまいます。読み進めてページが減って行くのが惜しいと感じる一冊でした。

  • 『蜘蛛』の異名を持つペッテル氏が、自らが張り巡らした巧妙な糸に絡められ追いつめられるまでを振り返り過去を綴る話。時折彼の創作の一編が挿入されるなど、色々な要素が盛り込まれています。
    しかし私は、この本一冊がペッテル氏が我々読者に向けて差し出された商品ではないかと思うのです。我々はこの本一冊を購入する事で、ペッテル氏のアイデアを購入したのだ…と。そう思うのも、この話がやけに中途半端だからです。本当に追いつめられているのかも曖昧、新たなる旅立ちの先には、暗殺者に追われる日々も、謀略と策略を仕掛ける争いも、家族との愛しい日々も、どうとでも描けるのです。
    白黒はっきり、真実は一つ限り、そんな話がお好きな人には煮え切らない作品となるでしょう。私は淡々とし語られる彼の長い長い話を聞くのに、疲れてしまいましたけれど…。

  • 作品の内容を読み進むと、
    どれだけ崇高な作品が全体的に仕上がるのかと
    期待させるものがあるのだけれど、
    残念ながらそこまでではなくという展開にちょっと
    ガッカリですがストーリー展開と登場人物の
    心の崩壊が気になって読み進んでしまいました・・。

  • 物語を創造する力が強ければ強い程、創造物と現実との区別がつかなくなる感覚とは言わないまでも、偽りの自分という考えが理解できれば感じるものは多いと思いました。

    物語のオチは読み進めていけば察しがつくとは思いますが、物語のエンターテイメント性とかではなく、漂う雰囲気がとても好きでした。

  • 記憶に残る本の一冊になると思う。

    キーワードは「三歳」。

    何となく、最後は娘と再会するんだろうな、この女性が娘なんだろうな、とは思っていたけれど、娘は幸せな人生を送るものかなと思っていた。

    一番最後のペッテルの昔の記憶はありきたりながらもゆるやかに胸が締め付けられた。
    それまでの彼の人生を読んできたからかと思う。
    三歳の時迷子になったペッテル少年は、どこに辿り着くのか。元の場所に戻れるのか。最早もう遅いのか。

  • ソフィーの世界の作家の作品。 残念ながら本作品はそのSNOBなキャラクターと物言いにウンザリしながら読み続けた。サーカス団長の娘のエピソードが繰り返し出てきて最後に重要な役目をする訳だが、そもそもあのキャラならあそこまで動揺するか? チェスの例えもタイルの目も、出会いの振り返りの説明も、何もかもが頭でっかちで、ウザイ。力量のある作家なのは判るが、その筆力をひけらかす様な書きぶりが、主人公のキャラとダブって、楽しめなかった。そもそもソフィーの世界も、蒙昧な下々に哲学を啓蒙してやろうという意図の本で、この作家の読み手を見下した姿勢が見えてきて嫌味だ。

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