- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885178
感想・レビュー・書評
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司馬遼太郎さんの描く歴史小説を、冷静に分析しつつ、そのエッセンスを熱く示してくれていると思います(^^)
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何となく知っていて、頭のなかで整理したかったことが、明瞭に分かりやすく書いてあり、とても良かった。何で敗戦へと突き進んでいったのか、何を学ぶべきか良く理解できる。
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司馬遼太郎の作品を読んだことはないが、どういう風に歴史を解釈して描いているのかよく分かった。
そして、その国民的歴史小説家を歴史学者・磯田道史が解説しているためより理解が深まった。
幕末の気運とか、どうやって滅んでいくのかとか、勉強になった。
歴史から学ぶことは多い。 -
ご存知、「林先生の初耳学」などの名物講師、磯田先生が国民的作家、司馬遼太郎の小説から日本史を学ぼうという面白い試みです。
まずはユニークなエッセンスをいくつか紹介します。(詳細は本書を読んでください)
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の違いを好きな女性像で分類しています、信長は「美しい女」、秀吉は「貴き女」、家康は「産む女」(P38)
司馬作品の特徴の一つとして、トップの視点ではなく参謀や軍師の視点から小説を書くのは、客観性をとても重視したからに違いない、つまり権力や国家を客観的にみる視点がなく昭和前期の日本が行く末を誤った反省からきている。(P40)
養老孟司先生は、日本人は戦争で目に見えない思想というものに痛めつけられた、神州不滅(日本は神の国)、七生報国(7回生まれ変わっても国に尽くす)という思想を吹き込まれてひどい目にあったので、戦後は即物的なものを信じる合理主義が高じて物質文明へとひた走った。(P75)
大村益次郎にみるリーダーシップの要素は、合理性と客観性(無私の精神)。(P78)
尊王思想が武士ではない平民が「天皇の家来」と名乗ることを可能にし、攘夷を掲げて政治に参加する明治維新の原動力となった。(P106)
戦国時代以前の子供が「僕は勉強して征夷大将軍になりたい」といえば「僭上の沙汰」でうつけものと卑下されるが、明治になると「僕は、陸軍大将になって国家のためにつくしたい」といえば「偉い」と褒められるという「圧搾空気」感の差。(P127)
統帥権の独走を許したのは、日清日ロで戦勝国となったのは、憲法や議会ではなく軍が頑張ったから一等国になれた、軍こそが国家の中心だという自信過剰を招き、国民も歓迎したから。(P171)
日本人の体質をうまくまとめています。
集団の中にひとつの空気のような流れができると、いかに合理的な個人の理性があっても押し流されてしまう(一億総体質)、日本型の組織は役割分担を任せると強みを発揮する一方で、誰も守備範囲が決まっていない(無責任体質)、想定外の事態に弱い(融通が利かない体質)など、司馬氏は日本人の弱みを作品中に描き出している。(P184)
とてもわかりやすい内容ですので、一読をお勧めします。 -
2017.9.3 amazon
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勉強にはなった。
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近年の歴史家の司馬遼
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第二次世界大戦へのつながり。
なるほど -
司馬遼太郎の思考をその著作から読み解いた本。
司馬遼太郎の著作を通して、日本の歴史・日本人の特性を知り、今後の日本について考えられる良著。
なぜ司馬遼太郎さんの著作は多くの人々を惹きつけ、考えさせるのかが理解できる。
印象に残ったキーワード
・着眼大局、着手小局
・格調高い精神にささえられたリアリズムと合理主義をあわせ持たなければならない
・司馬さんが21世紀を生きる日本人に伝えたかったこと。「「共感性」を伸ばすこと」「自己の確立」