- Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150002763
感想・レビュー・書評
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青空文庫。
まんがも立ち読みしたけどやっぱりよくわからぬーー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて、きちんと電子書籍で読んだ最初の長編である。電子本体験の話をするなら、書籍を手に取る時僕らは「あとどのくらいで終わるか」を意識して読んでいるんだということがはっきりわかった。
特にミステリだと、残りページが少なくなってくると、物語がいかに混沌としていようと、「そろそろ大団円だな」と思いながら読む。あるいは日常的なことをいうと、「もうすぐ終わりそうだから今日読み終えてしまおうかな」なんて計算しながら夜更かししたりする。
電子本だと、そういうことがない(意識的に調べれば別だけど)。どこで物語が終わるのかメドが感覚的につかないのだ。これは、妙な感覚だった。特にこの作品のような大長編だと、そして一種独特な持ち味の小説だと、まるで果てしない迷宮の中をあてもなくさまよっているような気持ちになる。
ただ、「あてもなくさまよっている」ことが楽しかったかというと、この本の場合はそうでもなかった。正直言うと、少しきつかった。
文体や構成を含めた作品としての奇想は興味深かった。ミステリとしてみるとメイントリックがどかんと全体を支配している感じで、ある意味古典的な手法なんだけど、文章そのものの味を合わせ、ちょっと虚を突かれた。(まあ例えば島田氏ならもっとうまくやるように思うけど、時代で読むべきだろう)
ただ、興味深いけど、先へ先へと読みたくなるような種類のものでは、少なくとも僕にとっては、なかった。いつ終わるのだ、と思って苦しかったといってもいい。読み終わって、頑張ったなあとため息をついてしまったほど。有名な作品だし、いわば歴史的参考資料として一度完読する価値はあったと思う。でも、物語として楽しむために再読しようとは思わない。 -
読了後の安堵感だけを求めて読む小説。あちこち振り回されて、時計の音の中に取り残される。
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青空文庫で読んだので、旧文体に四苦八苦。
中々の長編だったので、読み終えるのに時間がかかった。
あらすじについては、amazonやwikipedia、アンサイクロペディア、yahoo知恵袋で検索すれば大方どういうものかわかると思う。
「読んだ者は精神に異常をきたす」という説明文のように、とても一言では表現できない。
小説のようで、論文のようで、手記のようで、伝記のようで。
人の精神とは何なのか。
何が本当で嘘で真実なのか。
一度読んだだけでは到底理解できない。
もう一度読み返したくもなるが、それをするのには時間と体力を要する。
DVDも出ていて、そちらも評価は高いので一度観てみようと思う。 -
怖いわ厚いわ気持ち悪いわだけど案外主人公目線で引き込まれていきやすいのではないか。
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これは本当に、なんと感想を言えばいいものやら。ミステリとしての魅力的な要素はあるけれど、当然単純な一筋縄な物語のわけはなく。解こうとして解ける物語ではないなあ。とにかくぐるぐるくらくらします。
過去の因縁話や恐るべき「実験」の正体、絵巻物の秘密、どれをとっても魅力的。誰が正気なのか真実を述べているのかそれともすべてがはかりごとなのか。そして延々と繰り返されるのかもしれないあの事象。ミステリというよりも、ホラーなのかもしれません。ひたすらに狂気の物語。 -
変な話。とにかく変な話。
最初読んだとき原書で読んだけど読んでて背筋が寒くなった。夢野さんの本はこれしか知らないけど好きかも。これ読んで狂った話が好きになりました。 -
体力のある10代のうちに読んでおいて良かった。
要は“最初と最後”。 -
狂人の狂人による狂人のための。語り口は下世話だが、そこが良くなってくる。